手術後の患者が、創部の痛みとともに不眠を訴えている。安楽確保を目的とした看護介入として最も適切なのはどれか。 | MyMerci
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問題

手術後の患者が、創部の痛みとともに不眠を訴えている。安楽確保を目的とした看護介入として最も適切なのはどれか。

解説
安楽確保のためには、まず痛みという不快な症状を緩和することが優先される。痛みの程度を適切に評価し、医師の指示に基づいて鎮痛薬を速やかに投与することで、患者の身体的・精神的な安楽が促進される。鎮痛薬の過剰投与や、原因の説明のみで我慢を促すことは安楽確保に反する。
同じテーマの次の問題患者の安楽を確保するための体位変換の目的として適切でないのはどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、術後疼痛 (Postoperative Pain)不眠 (Insomnia) を訴える患者に対する 安楽確保 (Comfort) を目的とした看護介入の優先順位を問うています。術後の患者にとって、痛みは最大のストレッサーであり、不眠の主要な原因です。最重要! 安楽確保のためには、まず痛みという生理的・心理的不快感を緩和することが最優先事項となります。 正解の根拠 (Answer Rationale)
選択肢⑤「痛みの程度を評価した上で、鎮痛薬を速やかに投与する」が最も適切です。患者の主観的な痛みの程度を客観的指標(Numerical Rating Scale: NRSやFace Rating Scale: FRSなど)を用いて評価することは、適切な鎮痛管理の第一歩です。評価に基づき、医師の指示の範囲内で速やかに鎮痛薬を投与することで、身体的苦痛が軽減され、結果として精神的安楽と睡眠の促進が期待できます。これは 根拠に基づく疼痛管理 (Evidence-Based Pain Management) の基本です。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
①痛みがなくなるまで鎮痛薬の投与を繰り返す:混同注意! 鎮痛薬の過剰投与は、呼吸抑制、過鎮静、悪心・嘔吐などの副作用 (Adverse Effect) を引き起こすリスクがあります。特に術後は 呼吸状態のモニタリングが必須 であり、疼痛の消失を目標とするのではなく、患者が安静を保てる程度の除痛を目標とすべきです。
②不眠の原因を患者に説明し、我慢するよう促す:これは患者の主観的苦痛を軽視し、看護の基本である 共感 (Empathy)支持的態度 (Supportive Attitude) に反します。原因説明だけで我慢を強いることは、患者の不安を増強させ、安楽確保どころか害を及ぼします。
③照明を明るくして患者の覚醒を促す:これは不眠への介入として逆効果です。睡眠を促すためには、照明を暗くし、静かでリラックスできる環境を整えることが基本です。
④睡眠を促すために、カフェインを含む飲み物を勧める:カフェインには覚醒作用があり、睡眠を妨げます。不眠を訴える患者へのカフェイン摂取は禁忌に近い行為です。 関連概念の整理 (Related Concepts)
術後疼痛管理は、PCI(Patient-Controlled Analgesia: 患者自己調節鎮痛法)マルチモーダル鎮痛法 (Multimodal Analgesia) の理解が重要です。また、疼痛は第5のバイタルサイン (The 5th Vital Sign) と呼ばれ、定期的かつ系統的な評価が求められます。不眠の原因として疼痛以外に、環境変化、不安、術後せん妄の前駆症状なども考慮する必要があります。 概念整理: 術後患者の安楽確保のための看護過程。疼痛アセスメント(NRS/FRS)→ 鎮痛薬投与(医師指示に基づく)→ 環境調整(暗く静かな環境)→ 精神的支持 → 効果評価。このサイクルが基本。 一目で比較!:
介入安楽確保への効果根拠
疼痛評価+速やかな鎮痛薬投与効果的苦痛の原因を直接除去
鎮痛薬の過剰投与有害副作用リスク(呼吸抑制等)
我慢の促し有害患者の苦痛を無視、不安増強
環境調整(消灯・静穏)補助的に効果的睡眠を促進するが、疼痛緩和なしでは限界
看護過程ポイント: アセスメント(疼痛の部位・性質・程度・持続時間・増悪因子・軽快因子)→ 看護診断(急性疼痛 (Acute Pain))→ 計画(鎮痛薬投与計画、環境調整、リラクゼーション法の指導)→ 実施(鎮痛薬投与、安楽な体位の確保)→ 評価(投与後の疼痛スコア、鎮静レベル、呼吸状態)。 暗記のコツ: 「痛みの訴え=患者のSOS!まず評価、そして介入」と覚えましょう。『鎮痛薬は飲めば良い』ではなく『評価してから投与』が鉄則です。 国試頻出ポイント: 術後患者の安楽確保の問題は頻出です。特に「鎮痛薬投与前のアセスメント(疼痛評価)の重要性」「鎮痛薬の副作用モニタリング(呼吸抑制・悪心・便秘)」「非薬物的介入(冷罨法、リラクゼーション、体位変換など)」が問われます。 出題パターン注意!: 「術後3日目の患者が創部痛を訴え不眠となっている。看護師の対応として最も適切なのはどれか」のような単純な選択問題から、「麻薬性鎮痛薬を投与中の患者に呼吸数8回/分の徐脈が出現。看護師の最初の対応は?」のような急変対応へと発展します。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
腹部手術後1日目の50代男性患者。手術は無事終了したが、夜間になり創部の痛みを「ズキズキする」と訴え、なかなか眠れずにいます。バイタルサインは安定していますが、表情は苦悶様で、体を硬くして動かないようにしています。あなたは担当看護師です。どのように介入しますか? 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 観察 (Observation): 患者に近づき、優しく声をかけます。「痛みの程度を教えてください。0が全く痛みがなく、10がこれまで経験した中で最悪の痛みだとすると、今の痛みはいくつですか?」(NRSによる評価)。同時に創部の状態(発赤・腫脹・排液の有無)、ドレーン類の位置、バイタルサイン(特に呼吸数と血圧)を確認します。
2. アセスメント (Assessment): NRS 7/10、表情苦悶、体動制限あり。創部に異常所見なし。バイタルサインは安定。これらの情報から、急性術後疼痛 (Acute Postoperative Pain) と判断し、医師の指示を確認します。
3. 報告 (Report - SBAR): 「S(状況):腹部術後1日目の〇〇様が、NRS7/10の創部痛を訴え不眠となっています。B(背景):術後の疼痛コントロールが不十分な可能性があります。A(アセスメント):指示された鎮痛薬の投与が必要と考えます。R(提案):指示されている〇〇(例:ペンタゾシン15mg筋注)の投与を提案します。」
4. 介入 (Intervention): 医師の指示に基づき、鎮痛薬を速やかに投与。投与後は 30分後 に再度疼痛評価を行い、効果を確認します。また、クッションで創部を保護する、安楽な体位(半坐位など)を調整するなどの非薬物的介入も併用します。
5. 評価 (Evaluation): 投与30分後、NRS 2/10に軽減。患者は「だいぶ楽になった」と表情も和らぎ、入眠できました。呼吸数や鎮静レベルに異常がないことを確認します。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 最重要! 鎮痛薬、特に オピオイド鎮痛薬 (Opioid Analgesics) 投与後は、必ず 呼吸抑制(Respiratory Depression) のサイン(呼吸数12回/分未満、SpO2 90%未満、過鎮静)をモニタリングします。 - 患者自己調節鎮痛法 (PCA) を使用している場合は、ボタンの押し忘れや誤操作がないか確認し、設定内容(持続投与量、ロックアウト時間)を理解しておく必要があります。 - 高齢者や肝腎機能障害のある患者は、薬物代謝が遅延し副作用が出現しやすいため、特に慎重な観察が必要です。 - 患者の転倒・転落リスクも評価し、必要に応じてナースコールの位置確認やベッド柵の使用を指導します。 看護プロトコル: 疼痛評価は入院中定期的(4時間毎など)に実施し、記録します。鎮痛薬投与後は30分~1時間後に効果を再評価し、記録に残します。創部痛の増強や性状変化がある場合は、創部感染やイレウスなどの合併症を疑い、速やかに医師へ報告します。 先輩看護師の一言: 「患者さんの『痛い』は主観的なものです。決して『そんなに痛くないでしょ?』とか『我慢してください』とは言わないでくださいね。『痛みのケアは、患者さんとの信頼関係の第一歩』です。そして、薬を投与したら終わりではなく、その効果と副作用を必ず確認する、これがプロの看護師です!痛みの評価とモニタリングはセットで覚えましょう!」

重要概念

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