床上安静を指示されている患者の安楽な体位を整える際の看護師の対応で適切なのはどれか。 | MyMerci
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問題

床上安静を指示されている患者の安楽な体位を整える際の看護師の対応で適切なのはどれか。

解説
安楽な体位のためには、クッションやタオルを使用して身体の生理的弯曲を保ち、体重を均等に分散させることが重要である。枕の高さは患者の希望と生理的弯曲を考慮する。ベッドの高さは患者の安全と看護師の動作に合わせる。ギャッジ角度は患者の状態に応じて調整する。シーツのしわは褥瘡予防のため整える必要がある。
同じテーマの次の問題患者の安楽を確保するための体位変換の目的として適切でないのはどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、床上安静 (Bed Rest) を指示された患者の安楽な体位 (Comfortable Positioning) を整える看護技術を問うています。安楽な体位とは、単に患者が楽だと感じるだけでなく、生理的弯曲を保持し、体重を均等に分散させ、筋緊張を最小限にすることで、褥瘡 (Pressure Ulcer)関節拘縮 (Joint Contracture) を予防するという看護上の目的も含みます。 看護師は、患者の状態と解剖学的なアライメント(配列)を考慮し、補助具を活用して体位を調整する必要があります。
正解の根拠 (Answer Rationale): 最重要! ⑤「クッションやタオルで身体の隙間を支える」が適切です。身体の隙間を支えることで、体重が一部の骨突出部に集中するのを防ぎ、筋肉や関節への負担を軽減します。 例えば、膝の裏や腰部の彎曲部、上肢と体幹の間などをタオルやクッションで満たすことで、全身の筋緊張が緩和され、患者は持続的に楽な姿勢を保つことができます。これは 褥瘡予防 (Pressure Ulcer Prevention)廃用症候群予防 (Prevention of Disuse Syndrome) の基本技術です。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意! ギャッジベッドの角度は患者の状態や目的(呼吸の楽さ、食事、安楽)に応じて個別に調整するもので、30度に固定するものではありません。固定は禁忌 です。
② ベッドの高さは、患者の安全な移乗・移動や、看護師の腰への負担を軽減するための 作業効率 (Work Efficiency)人間工学 (Ergonomics) を考慮して調整します。看護師の身長だけでなく、患者の状態や行うケア内容に応じて変化させます。
③ 枕の高さは、患者の希望を尊重しつつ、頸椎 (Cervical Spine) の生理的前弯 を保持できる高さに調整する必要があります。希望のみで調整すると、頸部や肩の筋緊張を招く可能性があります。
④ シーツのしわは、最重要! 褥瘡発生のリスク因子 となります。皮膚に持続的な圧迫やずれを生じさせるため、必ず整える必要があります。
関連概念の整理 (Related Concepts):
- 褥瘡予防 (Pressure Ulcer Prevention): 体位変換(2時間毎が基本)、除圧用具(マットレス、クッション)の使用、栄養状態(特に アルブミン (Albumin))の評価、皮膚の観察(発赤の有無)が重要です。 - ボディメカニクス (Body Mechanics): 看護師自身が正しい姿勢でケアを行うことで、患者の体位を安全かつ安楽に整えることができます。ベッドの高さ調整もこれに含まれます。 - 関節拘縮予防 (Contracture Prevention): 安楽な体位は、関節が自然な中間位(Functional Position)に保たれていることが重要です。
概念整理: 安楽な体位とは「生理的弯曲の保持」「体重の均等分散」「筋緊張の緩和」の3要素を満たす体位。補助具(クッション、タオル、枕)はこれらを実現するための必須アイテム。褥瘡予防の観点から、シーツのしわや圧迫の偏りは厳禁。
一目で比較!:
要素適切な対応不適切な対応
ギャッジ角度患者の状態に応じて調整(例: 呼吸困難時はファウラー位45~60度)一律に30度に固定
ベッド高さ看護師の身長とケア内容に合わせて調整(肘の高さが目安)看護師の身長のみで固定
枕の高さ患者の希望と頸椎の生理的前弯を考慮患者の希望のみ
シーツしわや異物がないよう整える(ストレッチシーツ使用も有効)しわをそのままにする
身体の隙間クッションやタオルで充填し、体重を分散させるそのままにし、圧迫を放置

看護過程ポイント:
- アセスメント: 患者の Barthel Index (バーセルインデックス) などのADL評価、ブレーデンスケール (Braden Scale) による褥瘡リスク評価、筋力・関節可動域、疼痛の有無をアセスメントします。 - 看護診断: 「身体可動性障害 (Impaired Physical Mobility)」や「褥瘡リスク状態 (Risk for Pressure Ulcer)」が該当します。 - 計画・実施: 個別性を重視した体位変換計画(時間、向き、補助具の種類)を作成し、実施後は患者の「楽」の感覚を確認します。 - 評価: 患者の安楽度、皮膚の状態(発赤の有無)、関節の拘縮の有無を定期的に評価します。
暗記のコツ: 「安楽=3つの“均”」と覚えましょう!体重の“均等”分散筋緊張の“均”一(緩和)、生理的弯曲の“均”整(保持)。
国試頻出ポイント: 「床上安静」「安楽な体位」「褥瘡予防」の組み合わせで出題されます。特に「クッションで隙間を支える」「2時間毎の体位変換」「シーツのしわを伸ばす」は、ほぼ毎年のように問われる基本看護技術です。混同注意! 「体位変換は2時間毎」という基本を「1時間毎」と間違えないようにしましょう(状況により変更あり)。
出題パターン注意!: 単純な知識問題だけでなく、「脳卒中後の片麻痺患者の安楽な側臥位」や「呼吸困難がある患者の安楽な座位」など、具体的な状況設定で、どの補助具をどこに使用するか問う事例問題に発展します。解剖学的なポイント(膝の下、腰部、腋の下など)をイメージできるようにしておきましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 80代女性、大腿骨頸部骨折 (Femoral Neck Fracture) のため手術後、床上安静の指示が出ています。ベッド上で仰臥位を取っていますが、腰の痛みと「足がつりそう」と訴えています。
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):
1. 観察 (Observation): まず、患者の表情、疼痛の部位と程度(NRS 0-10)、足の位置(外旋・内旋の有無)、皮膚の状態(踵や仙骨部の発赤)を観察します。 2. アセスメント (Assessment): 仰臥位では、特に 踵 (Heel)仙骨部 (Sacrum)後頭部 (Occiput) に体重が集中しやすいです。また、腰部がベッドに接地せず、反り腰になっている可能性があります。 3. 報告 (Report): 疼痛が強い場合は、医師にSBARで報告します(状況: 術後1日目、疼痛あり、バイタルサイン安定、指示の鎮痛薬は未使用)。 4. 介入 (Intervention): - 最重要! 踵の浮かせ: 踵の下にタオルを入れて浮かせ、踵の圧迫を解除します。 - 腰部の支持: 腰椎の生理的前弯が保持できるよう、腰部の隙間に薄めのタオルを丸めて入れます。 - 膝の支持: 膝の裏に小さなクッションを入れ、膝が軽度屈曲した状態にすることで、足のつり感を軽減します。これにより 腓腹部 (Calf) の筋緊張も緩和されます。 - 上肢のポジショニング: 肩が内転しないように、腋の下に小さなタオルを入れ、前腕を軽度挙上します。 5. 評価 (Evaluation): 介入後、患者に「楽になったか」を確認し、疼痛スケール(NRS)が低下したか評価します。30分後には褥瘡リスク部位の皮膚を再確認します。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): - 禁忌: ギャッジアップのみで体位を固定しない。必ず全身のバランスを考慮する。 - 感染対策: クッションやタオルは患者専用とし、汚染時は交換する。 - 転倒予防: 体位変換時は必ずベッド柵を上げ、患者が落ちないようにする。 - 高齢者の特殊性: 高齢者は 皮膚が脆弱 (Fragile Skin) で、わずかなずれでも 皮膚裂傷 (Skin Tear) を起こしやすい。タオルを引く際は摩擦に注意する。
看護プロトコル: 観察項目(褥瘡リスク部位の皮膚色・温度・湿潤、疼痛、筋緊張、患者の表情・発言)、報告基準(新たな発赤や疼痛の出現、患者からの「辛い」という訴え)、記録(体位変換の時間、実施したケア内容、患者の反応、皮膚の状態)。
先輩看護師の一言: 「安楽な体位って、患者さんが『楽』と言ってくれるだけでなく、私たち看護師が『この状態なら褥瘡や関節拘縮のリスクが下がるな』と確信できる状態を作ることです。患者さんの身体のラインをなぞるように、隙間を見つけてクッションやタオルを入れてあげてください。たったそれだけで、患者さんの睡眠の質や表情がガラッと変わりますよ!」

重要概念

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