こんな問題があと488問挑戦 ›
栄養の摂取・吸収・代謝機能の障害
閉塞性黄疸患者にみられる身体所見はどれか。
-
1
眼球結膜の黄染
✓ 正解
-
2
ばち状指
-
3
瞳孔不同
-
4
チアノーゼ
-
5
クスマウル呼吸
解説
閉塞性黄疸では、ビリルビンが血中に増加し、皮膚や粘膜が黄染する。特に眼球結膜は黄疸の早期発見に有用である。他の選択肢は黄疸とは関連しない。
同じテーマの次の問題肝硬変患者に腹水が出現した場合の看護で適切なのはどれか。この問題が収録された問題集疾病の成り立ちと回復の促進KRW 100
核心解説
この問題は、閉塞性黄疸 (Obstructive Jaundice) の代表的な身体所見を問う基本的な知識問題です。閉塞性黄疸は、胆道(胆管)が何らかの原因で閉塞されることで、胆汁中のビリルビン (Bilirubin) が血中に逆流・増加し、皮膚や粘膜が黄染する病態です。最重要! 黄疸の早期発見には、皮膚よりも色素の薄い 眼球結膜 (Bulbar Conjunctiva) の観察が最も感度が高く、臨床的にもよく用いられます。
正解の根拠 (Answer Rationale)
眼球結膜の黄染 (Icterus / Jaundice of the conjunctiva) は、閉塞性黄疸を含むすべての黄疸に共通する身体所見です。ビリルビンは黄色の色素であり、組織に沈着しやすい性質があります。特に眼球結膜はコラーゲン線維が豊富でビリルビンと親和性が高く、黄疸の初期から視認できるため、早期発見の指標として非常に重要です。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
- 混同注意! ②番の ばち状指 (Clubbing / Hippocratic fingers) は、慢性低酸素血症を示唆する所見で、主に慢性閉塞性肺疾患 (COPD) や チアノーゼ性心疾患 (Cyanotic Heart Disease) で見られます。黄疸とは全く関連しません。
- ③番の 瞳孔不同 (Anisocoria) は、脳神経 III(動眼神経)麻痺 や 脳ヘルニア など、神経学的な緊急疾患で認められる所見です。
- ④番の チアノーゼ (Cyanosis) は、還元ヘモグロビンの増加 により皮膚や粘膜が青紫色になる状態で、呼吸器疾患や心疾患で見られます。
- ⑤番の クスマウル呼吸 (Kussmaul Respiration) は、代謝性アシドーシス (Metabolic Acidosis) を代償するために起こる、特徴的な深く速い呼吸です。糖尿病性ケトアシドーシス (DKA) などで見られます。
関連概念の整理 (Related Concepts)
黄疸はビリルビン値上昇により生じ、その原因によって分類されます。
| 分類 | 原因 | 特徴(検査所見など) |
|---|
| 肝前性黄疸 | 溶血 (Hemolysis) など | 間接ビリルビン上昇、尿中ウロビリノーゲン増加 |
| 肝細胞性黄疸 | 肝炎、肝硬変など | 直接・間接ビリルビン両方上昇 |
| 閉塞性黄疸(肝後性) | 胆石、胆管癌、膵頭部癌など | 直接ビリルビン優位上昇、白色便(灰白色便 / Acholic stool)、褐色尿(ビリルビン尿) |
概念整理: 黄疸 (Jaundice) の3大分類(肝前性・肝細胞性・閉塞性)とそれぞれの特徴的な検査所見(直接/間接ビリルビン比、尿・便の色調変化)は、国試頻出です。特に閉塞性黄疸における 白色便(灰白色便) と 褐色尿(ビリルビン尿) は必須暗記項目です。
一目で比較!: 混同注意! 「眼球結膜の黄染」は黄疸全般に共通、「白色便」は閉塞性黄疸に特徴的、「褐色尿(ビリルビン尿)」も閉塞性黄疸に特徴的。
看護過程ポイント: アセスメント:黄疸が疑われる患者では、自然光の下で眼球結膜と皮膚(手掌・体幹)の色調を観察します。同時に、尿の色(ビリルビン尿:ビール様の褐色)と便の色(灰白色便)を確認します。看護診断:「黄疸」自体は看護診断ではありませんが、関連する「皮膚統合性の障害(掻痒感)」「栄養状態の変化」「感染リスク状態」などが考えられます。
暗記のコツ: 「黄疸(おうだん)=黄色いタン(胆)=胆汁が詰まる=目が黄色くなる」と覚えましょう。
国試頻出ポイント: 黄疸の原因疾患(特に閉塞性黄疸の原因となる膵頭部癌 (Pancreatic Head Cancer) や 胆石症 (Cholelithiasis))と併せて出題されることが多いです。また、黄疸と肝機能障害(AST/ALT, ALP, γ-GTP)の検査値の解釈も頻出です。
出題パターン注意!: 「閉塞性黄疸の患者のアセスメントで正しいのはどれか」という知識問題から、「胆石による閉塞性黄疸の患者が全身掻痒感を訴えている。看護師の対応で適切なのはどれか」といった状況設定問題へ発展します。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario)
「50代女性、上腹部痛と全身の黄染を主訴に来院。診察の結果、総胆管結石による閉塞性黄疸と診断され、入院となりました。看護師が初回の身体アセスメントを行う場面です。」
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)1. 観察:自然光の下で眼球結膜の黄染の程度を確認します。同時に皮膚の色調、掻痒の有無、尿の色(褐色尿の有無)、便の色(灰白色便の有無)を確認します。2. アセスメント:黄染の程度と併せて、バイタルサイン (Vital Signs)、特に発熱の有無(胆管炎の合併)と、意識状態(肝性脳症の前兆)を評価します。3. 報告 (SBAR):医師に「S(状況):閉塞性黄疸の患者、眼球結膜に黄染あり。B(背景):総胆管結石の診断。A(アセスメント):黄疸の程度は中等度、発熱なし。R(提案):内視鏡的治療(ERCP)の日程調整と、痒みに対するケアが必要」と報告します。4. 介入:掻痒感がある場合は、爪を短く切り、清潔を保ち、指示に応じて 抗ヒスタミン薬 (Antihistamines) や 陰イオン交換樹脂 を投与します。患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 最重要! 閉塞性黄疸患者は ビタミンK吸収障害 による 血液凝固能低下(PT, APTT延長) が生じ、出血傾向に注意が必要です。採血後や処置後は十分な止血確認を行います。
- 掻痒感による皮膚の掻破から感染を起こさないよう、保湿や爪のケアを徹底します。
看護プロトコル: 観察項目:黄疸の程度(眼球結膜・皮膚)、尿・便の色、掻痒の有無と程度、バイタルサイン(発熱、意識)、出血傾向(皮下出血、歯肉出血)。報告基準:意識レベルの低下、発熱(38℃以上)、腹痛の増強、出血傾向の出現。
先輩看護師の一言: 「黄疸の患者さんを診たら、まず『自然光の下で目を見る』これが基本です!蛍光灯の下では黄染がわかりにくいので、必ず窓際に連れて行くか、ペンライトで観察するようにしてね。そして、『尿の色は?便の色は?』と必ず聞いてください。これだけで病態の多くがわかります!」
- 黄疸 — 血液中のビリルビン濃度が上昇し、皮膚や粘膜が黄色く染まる病態。眼球結膜での観察が最も早期発見に有効。
- 閉塞性黄疸 (Obstructive Jaundice) — 胆管の閉塞により胆汁の流れが滞り、直接ビリルビンが血中に逆流することで生じる黄疸。白色便と褐色尿(ビリルビン尿)が特徴的。
- ビリルビン — 赤血球のヘモグロビンが分解されて生成される黄色の色素。間接ビリルビン(非抱合型)と直接ビリルビン(抱合型)に分けられる。
- 眼球結膜 (Bulbar Conjunctiva) — 眼球の前面(白目の部分)を覆う粘膜。黄疸の早期発見に最も適した部位。
- 白色便 (Acholic Stool / Clay-colored Stool) — 閉塞性黄疸で見られる特徴的な便。胆汁が腸管内に分泌されないため、便の色素(ステルコビリン)が欠如して灰白色になる。
MyMerciで看護師国家試験を完全対策
過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。
無料で始める
学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。