核心解説
この問題は、
急性膵炎 (Acute Pancreatitis) の重症度判定に関する知識を問うています。急性膵炎の診断には血清アミラーゼやリパーゼの上昇が有用ですが、重症度とは必ずしも相関しないことが重要です。重症度判定には、日本で広く用いられる
JPN重症度スコア や、国際的な
Ranson基準 (Ranson Criteria) や
APACHE-IIスコア が使用されます。これらのスコアには、年齢、白血球数、血糖値、LDH、AST、BUN、Ca、PaO2、CRP、ベースエクセスなど、複数の項目が含まれます。CRPは炎症の程度を反映し、重症度と相関するため、簡便でよく用いられる指標の一つです。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! CRP値 (C-reactive Protein) は、急性期炎症反応の指標であり、急性膵炎の重症度とよく相関します。特に、発症から48時間後のCRP値が高値(例:15mg/dL以上)であることは、重症膵炎の予測因子として重要です。JPN重症度スコアにおいてもCRPは必須項目の一つです。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ②、③、④、⑤の血清リパーゼ、アミラーゼ、エラスターゼ1、トリプシンは、すべて膵酵素であり、急性膵炎の
診断(確定診断) に極めて有用です。しかし、これらの上昇度と重症度は必ずしも相関しません。むしろ、重症例では膵組織の破壊が広範囲に及ぶため、逆に酵素の上昇が軽度にとどまることもあり、重症度判定には適しません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
急性膵炎の重症度判定スコアを整理します。
| スコア名 | 主な項目(抜粋) |
| JPN重症度スコア | 年齢、白血球、CRP、BUN、LDH、血糖、Ca、PaO2、SIRS、造影CT所見 |
| Ranson基準 | 入室時(年齢、白血球、血糖、LDH、AST) 48時間後(Ht低下、BUN上昇、Ca低下、PaO2低下、BE低下、体液喪失量) |
| APACHE-II | 体温、血圧、脈拍、呼吸数、PaO2、pH、Na、K、Cr、Ht、WBC、GCS、年齢、慢性疾患の有無 |
概念整理: 急性膵炎の診断と重症度判定は異なる。診断=膵酵素(アミラーゼ、リパーゼ)上昇。重症度=全身性炎症反応と臓器障害の評価(CRP、BUN、LDH、Caなど)。
一目で比較!: 診断マーカー(アミラーゼ、リパーゼ) vs 重症度マーカー(CRP、BUN、Ca、LDH、PaO2)
看護過程ポイント: アセスメントで重症度スコアを確認し、ICU管理の必要性、輸液量、呼吸管理、疼痛コントロールの計画を立案する。評価ではCRPやBUNの推移を観察する。
暗記のコツ: 「診断はアミラーゼ、重症度はCRP!」と語呂合わせで覚えましょう。
国試頻出ポイント: 急性膵炎の診断と重症度判定の違いは頻出。特に「重症度判定に用いる検査はどれか」という形で出題されます。また、Ranson基準やJPNスコアの構成項目も問われます。
出題パターン注意!: 単純な知識問題から、「急性膵炎患者のICU入室基準を判断するために必要な検査値は?」といった状況設定問題に発展します。