感覚機能の障害のうち、中枢性感覚障害の原因として最も適切なものはどれか。 | MyMerci
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神経機能の障害
問題

感覚機能の障害のうち、中枢性感覚障害の原因として最も適切なものはどれか。

解説
中枢性感覚障害は、脊髄や脳幹、視床、大脳皮質などの中枢神経系の障害により生じる。視床は全ての体性感覚が中継される重要な部位であり、視床梗塞では対側の半身に感覚障害が生じる。他の選択肢は末梢神経障害である。
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詳細解説

核心解説 この問題は、感覚障害 (Sensory Disturbance)の原因部位の分類、特に「中枢性」か「末梢性」かを正しく鑑別できるかを問うています。中枢性感覚障害 (Central Sensory Disorder)とは、脳や脊髄など中枢神経系(Central Nervous System, CNS)の病変によって生じる感覚障害を指します。一方、末梢神経(Peripheral Nerve)やその受容器の障害は末梢性感覚障害(Peripheral Sensory Disorder)と呼ばれます。最重要! 視床(Thalamus)は、全身からの体性感覚情報(触覚、痛覚、温度覚、深部感覚)が大脳皮質に到達する前の最終中継核です。このため、視床に梗塞が生じると、対側(Contralateral)の半身全体に感覚障害が出現します。これは代表的な中枢性感覚障害です。 正解の根拠 (Answer Rationale)
視床梗塞 (Thalamic Infarction)は、視床への血流が途絶えることで感覚中継核が障害され、中枢性感覚障害を引き起こします。典型的には、病巣と反対側の顔面、上肢、下肢を含む半身の感覚鈍麻や異常感覚が生じます。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①番:腰部脊柱管狭窄症 (Lumbar Spinal Stenosis)は、脊柱管が狭くなることで馬尾神経や神経根が圧迫される疾患です。これは中枢神経ではなく、末梢神経(脊髄神経根)の障害です。よって、末梢性感覚障害に分類されます。 ③番:糖尿病性末梢神経障害 (Diabetic Peripheral Neuropathy)は、高血糖による代謝異常が末梢神経に障害を引き起こすものです。代表的な末梢性感覚障害で、左右対称性のしびれや痛みを認めます。 ④番:手根管症候群 (Carpal Tunnel Syndrome)は、手首の手根管内で正中神経が絞扼されることで生じる末梢神経障害です。 ⑤番:帯状疱疹後神経痛 (Postherpetic Neuralgia)は、水痘・帯状疱疹ウイルスが潜伏していた脊髄後根神経節(感覚神経節)に炎症を起こした後、末梢神経に沿って持続する痛みです。原因は末梢神経(感覚神経節)の障害であり、中枢性感覚障害には分類されません。 関連概念の整理 (Related Concepts)
感覚障害の分類は、障害部位によって以下のように整理できます。
分類障害部位代表疾患
中枢性感覚障害大脳皮質(感覚野)、視床、脳幹、脊髄脳梗塞(特に視床梗塞)、脊髄損傷、多発性硬化症
末梢性感覚障害末梢神経、神経根、感覚受容器糖尿病性神経障害、手根管症候群、腰部脊柱管狭窄症

概念整理: 中枢性感覚障害 vs 末梢性感覚障害。鍵となる解剖学的分類は、障害が脊髄より中枢(脳・脊髄)か、それとも末梢神経か。
一目で比較!: 視床(中枢)の障害は「対側半身」の感覚障害。末梢神経障害は「支配領域に一致した」感覚障害(例:正中神経領域のしびれ)。
看護過程ポイント: アセスメントでは、感覚障害の部位(片側か両側か、皮膚分節に一致するか)、種類(触覚・痛覚・温度覚・振動覚)、発症様式(急性か慢性か)を詳細に観察し、障害レベルの特定に役立てる。
暗記のコツ: 「中枢は脳と脊髄。視床は感覚の中継駅。駅が壊れると全身の感覚が乱れる」とイメージする。
国試頻出ポイント: 感覚障害の原因疾患を分類させる問題は頻出。特に「中枢性」と「末梢性」の鑑別、および視床梗塞の特徴は押さえておくべき必須知識。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
脳卒中センターに勤務する新人看護師が、右片麻痺と感覚障害で入院した70代男性の受け持ちになりました。患者さんは「左半身全体がしびれて感覚がわからない」と訴えています。頭部CTで左視床に低吸収域を認め、視床梗塞と診断されました。新人看護師は「なぜ左半身の症状なのか」を理解する必要があります。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
最重要! まず、解剖学的理解として「視床は左右一対あり、右視床は左半身の、左視床は右半身の感覚を中継する」ことを確認します。本例は左視床梗塞のため、対側である右半身ではなく、右半身の症状が出るべきですが、患者は左半身の症状を訴えています。ここで新人看護師は「患者の訴えが解剖学と合わない」と気づき、報告すべきです。実際、左視床梗塞では通常、右半身の感覚障害が生じます。この患者の左半身症状は、他の病変(例:右視床や右頭頂葉の病変、または言語障害による誤った訴えなど)を示唆する可能性があり、重要な異常サイン (Critical Sign)として医師へ報告する必要があります。観察・アセスメントのポイントは、感覚障害の正確な部位・範囲の特定と、言語機能(失語症の有無)の評価です。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
感覚障害がある患者は、温度感覚や痛覚が低下しているため、低温熱傷 (Low-Temperature Burn)のリスクが高まります。温罨法やカイロ、湯たんぽの使用は禁忌です。また、褥瘡予防のための体位変換や、患肢の保護(爪切り時の注意、靴ずれ防止)が重要です。
看護プロトコル: 感覚障害の評価には、綿花(触覚)、ピン(痛覚)、試験管(温度覚)、音叉(振動覚)を用いた系統的評価を実施。記録は「左半身:触覚低下、痛覚低下、温度覚低下、振動覚低下」のように具体的に記載する。SBARでの報告例:「患者A様、左半身の感覚障害を認めていますが、画像所見(左視床梗塞)と症状部位(左半身)が一致しません。確認をお願いします。」
先輩看護師の一言: 「国試では『視床梗塞=対側半身の感覚障害』と単純に覚えがちだけど、臨床では症状と画像所見が一致しないこともあるんだ。『いつもと違う』に気づく観察眼と、解剖・病態の知識を結びつけることが、患者さんの安全を守る第一歩になるよ!」

重要概念

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