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生体の防御機構
細胞性免疫において、ウイルス感染細胞を直接傷害するエフェクター細胞はどれか。
1
ナチュラルキラー(NK)細胞
2
マクロファージ
3
B細胞
4
細胞傷害性T細胞(CTL)
✓ 正解
5
樹状細胞
解説
細胞傷害性T細胞(CTL、CD8陽性T細胞)は、MHCクラスI分子を介して提示されたウイルス抗原を認識し、パーフォリンやグランザイムを放出して標的細胞をアポトーシスに導く。NK細胞も非特異的にウイルス感染細胞を傷害するが、問題は「特異的」免疫におけるエフェクター細胞を問うている。
同じテーマの次の問題 免疫応答において、抗原提示細胞(APC)がMHCクラスII分子に結合させてT細胞に提示する抗原の処理経路として正しいのはどれか。 この問題が収録された問題集 人体の構造と機能 KRW 12,900
核心解説
この問題は、細胞性免疫 (Cell-mediated Immunity) におけるエフェクター細胞を問うています。ウイルスに感染した細胞を直接傷害する役割を担うのは、細胞傷害性T細胞 (Cytotoxic T Lymphocyte: CTL) です。CTL(CD8陽性T細胞)は、感染細胞表面の MHCクラスI分子 (MHC Class I Molecule) に提示されたウイルス抗原ペプチドを認識し、パーフォリン (Perforin) と グランザイム (Granzyme) を放出して標的細胞をアポトーシス(Apoptosis)に導きます。この反応は「特異的免疫」の一部であり、感染の拡大を防ぐ重要なメカニズムです。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! CTLは「キラーT細胞」とも呼ばれ、ウイルス感染細胞や腫瘍細胞を特異的に認識して直接傷害するエフェクター細胞です。適応免疫(獲得免疫)の中核を担い、パーフォリンによる細胞膜穿孔とグランザイムによるカスパーゼカスケード活性化で標的細胞を死滅させます。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①番のナチュラルキラー(NK)細胞 (Natural Killer Cell) もウイルス感染細胞を傷害しますが、これは自然免疫 (Innate Immunity) の一部で、抗原特異的認識を必要としません。問題文は「直接傷害するエフェクター細胞」を問うており、NK細胞も傷害機能を持つため誤解しやすいですが、文脈上「細胞性免疫」の文脈では通常、特異的免疫のエフェクターであるCTLを指します。もし問題が「自然免疫」をテーマにしていた場合、NK細胞が正解となります。
②番のマクロファージ (Macrophage) は貪食作用(Phagocytosis)と抗原提示を行い、感染細胞を直接傷害する主なエフェクターではありません。
③番のB細胞 (B Cell) は液性免疫(Humoral Immunity)の主体で、抗体産生が主な役割です。細胞傷害活性はありません。
⑤番の樹状細胞 (Dendritic Cell) は最も強力な抗原提示細胞(Antigen-presenting Cell: APC)であり、T細胞を活性化しますが、感染細胞を直接傷害しません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
CTLとNK細胞の違いは、特異的 vs 非特異的 という点です。CTLは特定のウイルス抗原に対してのみ反応し、記憶細胞も形成します。一方、NK細胞は抗体やMHC非依存的にストレスシグナルを感知して即座に傷害します。また、CTLの活性化には、樹状細胞からの抗原提示とCD4陽性ヘルパーT細胞からのサイトカイン(特にIL-2)が必要です。この「3細胞協力」の流れも国試頻出です。
概念整理 : 細胞性免疫のエフェクター細胞はCTL(CD8陽性T細胞)。パーフォリン+グランザイムで標的細胞をアポトーシスに導く。NK細胞は自然免疫のエフェクターで非特異的傷害を行う。
一目で比較! : 細胞種 免疫の種類 主な機能 CTL(細胞傷害性T細胞) 適応免疫(特異的) ウイルス感染細胞や腫瘍細胞を直接傷害(パーフォリン/グランザイム) NK細胞 自然免疫(非特異的) ウイルス感染細胞や腫瘍細胞を即座に傷害(グランザイム、IFN-γ産生) マクロファージ 自然免疫 貪食作用、抗原提示、サイトカイン産生 B細胞 適応免疫(液性) 抗体産生、抗原提示 樹状細胞 自然免疫+適応免疫 抗原提示(APC)、T細胞活性化
看護過程ポイント : 免疫不全患者(HIV/AIDS、臓器移植後、化学療法後)ではCTL機能低下によりウイルス感染リスクが上昇します。アセスメントでは発熱、倦怠感、皮疹、口腔内カンジダ症など感染徴候を注意深く観察し、感染予防策(手洗い、個室管理、バイタルサイン測定)を計画します。
暗記のコツ : 「C」ytotoxic T cell → 「C」は「キラー(Killer)」のKに似ている?とイメージ。「NK」は「ナチュラル=自然(非特異的)」と覚えましょう。CTLの武器は「パーフォリン(穴を開ける)」+「グランザイム(毒を注入)」=アポトーシス誘導!
国試頻出ポイント : CTL vs NK細胞の比較は毎年どこかで出題される定番です。特に「MHCクラスIを認識するのはCTL」「非特異的に傷害するのはNK細胞」の対比は必ず押さえましょう。また、CTLがパーフォリンを放出する仕組みは、状況設定問題で「免疫不全患者の感染リスク評価」に関連して問われることがあります。
出題パターン注意! : 「ウイルス感染細胞を特異的に傷害する細胞は?」→CTL。「ウイルス感染初期に非特異的に傷害する細胞は?」→NK細胞。問題文に「特異的」「非特異的」「自然免疫」「適応免疫」のキーワードがあるかどうかで答えが変わります。問題文をよく読む習慣をつけましょう。
臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario) 骨髄移植後の30代女性患者。移植後2週間、発熱と口腔内潰瘍が出現。血液検査で サイトメガロウイルス (CMV: Cytomegalovirus) 抗原陽性が判明。この患者では、移植後の免疫抑制状態によりCTL機能が十分に回復しておらず、CMV感染に対する特異的細胞性免疫応答が不十分です。
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment) 最重要! 観察:体温、口腔粘膜の状態、全身倦怠感、肝機能(AST/ALT)の推移。アセスメント:CMV感染の重症度と免疫回復の程度を評価。報告:医師に発熱とCMV抗原陽性をSBAR(Situation:骨髄移植後、CMV抗原陽性。Background:移植後2週、免疫抑制中。Assessment:活動性CMV感染の可能性。Recommendation:抗ウイルス薬導入と免疫抑制薬調整の検討)で報告。介入:ガンシクロビル(Ganciclovir)の点滴投与(指示に基づく)、感染拡大予防のための個室隔離、口腔ケアの徹底。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions) 免疫抑制状態の患者では、CTL機能が低下しているため、単純な風邪ウイルスでも重症化するリスクがあります。面会制限、マスク着用、手指衛生の徹底が必須です。また、抗ウイルス薬の副作用(骨髄抑制、腎機能障害)に注意し、血液検査のモニタリングを定期的に行います。
看護プロトコル : 観察項目:バイタルサイン(特に体温)、口腔粘膜・皮膚の皮疹、消化器症状(下痢、嘔気)、肝機能・腎機能検査値。報告基準(SBAR):新たな発熱(38℃以上)、口腔内潰瘍の増悪、呼吸苦の出現。記録:感染徴候の経時的変化、投薬の実施と副作用の有無。家族への説明:感染予防の重要性と面会制限の理由をわかりやすく伝え、協力を得る。
先輩看護師の一言 : 「免疫の話は、血液内科や移植病棟で実際に患者さんを看るときにすごく大事になります。『CTLが働かない=ウイルスに負けやすい』というイメージを持っておくと、感染予防策の意味がグッと深まります。国試では『どの細胞がどの役割か』をセットで覚えてくださいね!」
細胞傷害性T細胞 — CD8陽性T細胞。MHCクラスIを介してウイルス感染細胞を認識し、パーフォリンとグランザイムでアポトーシスに導く、適応免疫のエフェクター細胞。ナチュラルキラー細胞 (NK細胞) — 自然免疫のエフェクター。抗体やMHC非依存的にウイルス感染細胞や腫瘍細胞を傷害する大型顆粒リンパ球。パーフォリン — CTLやNK細胞が放出するタンパク質。標的細胞膜に穴を開け、グランザイムの侵入を許す。グランザイム — セリンプロテアーゼ。パーフォリンが開けた孔から細胞内に入り、カスパーゼを活性化してアポトーシスを誘導する。MHCクラスI分子 — すべての有核細胞表面に発現する抗原提示分子。内因性抗原(ウイルスタンパクなど)をCTLに提示する。
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