毛細血管における体液の移動に関わる「濾過」と「再吸収」の力として正しいのはどれか。 | MyMerci
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体液
問題

毛細血管における体液の移動に関わる「濾過」と「再吸収」の力として正しいのはどれか。

解説
毛細血管の動脈側では血圧 (濾過圧) が血漿膠質浸透圧より高いため、血管外へ水分が濾過される。静脈側では血圧が低下し、血漿膠質浸透圧が勝るため、水分が血管内へ再吸収される。
同じテーマの次の問題体液のうち、細胞外液に含まれないものはどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、スターリングの法則 (Starling's Law) に基づく毛細血管における体液移動のメカニズムを問うています。毛細血管では、濾過 (Filtration)再吸収 (Reabsorption) という二つの相反する力が常に働いており、これらは主に 血圧 (Blood Pressure)血漿膠質浸透圧 (Plasma Colloid Osmotic Pressure) という二つの圧力によって調整されています。 正解の根拠 (Answer Rationale) 正解は③です。
- 濾過 (Filtration): 毛細血管の動脈側では、血圧(毛細血管静水圧)が血漿膠質浸透圧よりも高いため、血管内から間質(組織間隙)へと水分や電解質、低分子物質が押し出されます。
- 再吸収 (Reabsorption): 毛細血管の静脈側では、血圧が低下し、血漿膠質浸透圧(主にアルブミンによる)が相対的に高くなるため、間質から血管内へと水分が引き戻されます。
つまり、最重要! 濾過は主に血圧(静水圧)、再吸収は主に血漿膠質浸透圧によって生じるという関係を正確に理解することが鍵です。 誤答の分析 (Distractor Analysis) - 混同注意! ①番の「濾過は血漿膠質浸透圧、再吸収は血圧」は完全に逆の関係です。膠質浸透圧は血管内に水分を引き留める力(再吸収)であり、濾過を促進する力ではありません。
- ②番は両方とも血漿膠質浸透圧としていますが、濾過は血圧による物理的な押し出す力が主体です。
- 混同注意! ④番の「組織間液の膠質浸透圧」は実際には極めて低く、正常な状態では濾過や再吸収の主たる駆動力とはなりません。また、再吸収を血圧が行うという点も誤りです。
- ⑤番の「組織間液の静水圧」も、血圧に比べて非常に小さな圧であり、再吸収の主たる力ではありません。 関連概念の整理 (Related Concepts) - スターリングの式: (濾過量) = Kf × [(Pc + πi) - (Pi + πc)] Kf:濾過係数, Pc:毛細血管静水圧, πi:間質膠質浸透圧, Pi:間質静水圧, πc:血漿膠質浸透圧
- 浮腫 (Edema) の病態: 何らかの原因でこのバランスが崩れ、濾過が再吸収を上回ると、組織間に過剰な水分が貯留して浮腫が生じます。例えば、心不全 (Heart Failure) では静水圧上昇、ネフローゼ症候群 (Nephrotic Syndrome) では膠質浸透圧低下が原因となります。 概念整理:
部位主な力作用
毛細血管動脈側血圧(静水圧) > 血漿膠質浸透圧濾過(血管外へ水分移動)
毛細血管静脈側血漿膠質浸透圧 > 血圧(静水圧)再吸収(血管内へ水分移動)
一目で比較!: - 濾過 (Filtration) : 押す力(血圧)
- 再吸収 (Reabsorption) : 引く力(血漿膠質浸透圧) 看護過程ポイント: - アセスメント : 患者の浮腫の有無や部位(下腿、眼瞼、背部など)を観察。アルブミン値(基準値 3.8~5.1 g/dL)や中心静脈圧 (CVP) の測定が重要な判断材料となります。
- 看護診断 : 「体液量過剰 (Excess Fluid Volume)」または「体液量不足 (Deficient Fluid Volume)」のリスク状態。
- 介入 : 浮腫がある場合は、患肢挙上、弾性ストッキングの着用、低塩食の指導、必要に応じて利尿薬の投与管理を行います。 暗記のコツ: 「動脈側は血圧が高いから濾過、静脈側は血圧が低くてタンパク(アルブミン)の力で再吸収」とイメージしましょう。川の上流(動脈)は勢いよく水が押し出され、下流(静脈)ではゆっくりになって水が戻っていく様子を思い浮かべると覚えやすいです。 国試頻出ポイント: 本テーマは、看護師国家試験では「浮腫の原因」や「輸液療法の根拠」、あるいは「ショックの病態」などと関連づけて頻出です。特に「心不全」や「肝硬変」「ネフローゼ症候群」など、膠質浸透圧や静水圧が変化する病態と結びつけて出題されることが多いので、必ず合わせて学習しましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド この概念は、輸液管理や患者の体液状態を評価する上で極めて重要です。 - 臨床シナリオ (Clinical Scenario) : 心不全で入院中の80歳女性。両下腿に強い浮腫を認め、体重が3日間で3kg増加。看護師がバイタルサインを測定したところ、血圧160/90 mmHg、心拍数88回/分、SpO2 95%(室内気)。頸静脈の怒張も確認されました。この患者の浮腫のメカニズムとして、心不全による静水圧の上昇が最も考えられます。
- 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment) : 最重要! まずは毎日の体重測定、厳密なIn/Outバランス管理、そして肺うっ血のサイン(呼吸音、SpO2、呼吸困難感)の観察を最優先します。医師への報告はSBAR報告 (SBAR Communication)を用い、「S(状況): 心不全の〇〇さん、3日で3kg体重増加、両下腿浮腫あり。B(背景): 心不全急性増悪が疑われる。A(評価): 体液量過剰の状態。R(勧告): フロセミドの静脈注射の指示をいただけますか?」と行います。
- 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions) : 肺水腫 (Pulmonary Edema) の兆候(起座呼吸、ピンク色泡沫状痰)を見逃さない! 急変時の対応(酸素投与、体位管理(坐位)、救急カートの準備)を常に意識します。また、利尿薬投与時は電解質(特にK値)の変動に注意が必要です。 看護プロトコル: - 観察項目: 体重(毎日同時刻、同条件で測定)、浮腫の範囲と程度(圧痕の有無)、頸静脈怒張、呼吸状態、尿量、皮膚の状態(潰瘍や発赤の有無)。
- 報告基準(SBAR): 上記シナリオの通り。特に体重増加(2日間で2kg以上)やSpO2低下は即時報告の対象です。
- 家族への説明の留意点: 「お母さまの体に水が溜まりやすくなっているので、体重管理がとても大切です。塩分を控えていただくことと、足を少し高くして休むようにお伝えください。」 先輩看護師の一言: 「『濾過と再吸収』の話は難しく感じるかもしれませんが、要するに『心臓から遠い方で水が溜まるのは、戻ってくる力(膠質浸透圧)よりも押し出す力(血圧)が強いから』なんです。これを理解していると、『なぜこの患者さんに利尿薬が処方されているのか』『なぜ浮腫のある足を挙上するのか』という理由がすべてつながって見えてきますよ! 国試でも現場でも絶対に役立つ知識なので、しっかりマスターしてくださいね。」

重要概念

人体の構造と機能 491 問 · ログイン不要

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