輸血前に必ず実施する、患者と血液製剤の適合性を確認する試験はどれか。 | MyMerci
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血液
問題

輸血前に必ず実施する、患者と血液製剤の適合性を確認する試験はどれか。

解説
交差適合試験は、患者血清とドナー赤血球、およびドナー血清と患者赤血球を反応させ、輸血前に両者の適合性を確認する必須の試験である。
同じテーマの次の問題ABO式血液型において、A型の赤血球表面に存在する抗原はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、輸血療法 (Blood Transfusion Therapy)における患者安全のための必須手順である交差適合試験 (Cross-matching Test)の知識を問うています。輸血は医療事故(ABO不適合輸血など)に直結する危険な治療であり、投与前にドナーとレシピエントの血液の適合性を必ず確認する必要があります。 正解の根拠 (Answer Rationale):
最重要! 交差適合試験 (Cross-matching Test)は、輸血直前に行う最終確認試験です。患者血清とドナー血球(主試験:Major Cross-match)およびドナー血清と患者血球(副試験:Minor Cross-match)を反応させ、凝集や溶血が起こらないかを確認します。これにより、ABO血液型の確認だけでなく、他の血液型(Rh, Kell, Duffyなど)や不規則抗体 (Irregular Antibody)による不適合を検出し、溶血性副作用 (Hemolytic Transfusion Reaction)を予防するために必須の手順です。 誤答の分析 (Distractor Analysis):
血液型検査 (Blood Typing): 輸血開始の前提となる重要な検査ですが、患者と血液製剤の血液型を個別に判定するのみで、両者の適合性を直接確認する試験ではありません。交差適合試験の前に実施する準備段階の検査です。
抗体スクリーニング (Antibody Screening): 患者血清中の不規則抗体の有無を調べる検査です。陽性の場合は交差適合試験でより慎重な確認が必要ですが、これ単独では適合性を証明できません。
間接抗グロブリン試験 (Indirect Antiglobulin Test, IAT): 主に不規則抗体の検出や同定に用いられます。抗体スクリーニングの一部として行われますが、輸血前の適合性最終確認としては交差適合試験の一部(間接抗グロブリン法によるクロスマッチ)として組み込まれることが多いです。単独で「適合性確認試験」とは呼びません。
直接抗グロブリン試験 (Direct Antiglobulin Test, DAT): 混同注意! これは、患者の赤血球にすでに結合している抗体(自己抗体や薬剤起因性抗体など)を検出する試験で、主に自己免疫性溶血性貧血 (AIHA)新生児溶血性疾患 (HDN)の診断に用います。輸血前の適合性確認には使用しません。
概念整理: 輸血検査の流れは「血液型検査(ABO・Rh)→ 不規則抗体スクリーニング → 交差適合試験」の順に進みます。交差適合試験が最終関門であり、これに合格した血液製剤のみが患者に投与されます。
一目で比較!:
試験名目的輸血前の位置づけ
血液型検査ABO・Rh血液型の決定基本情報収集
抗体スクリーニング不規則抗体の有無を確認リスク評価
交差適合試験患者と血液製剤の適合性最終確認必須の最終確認

看護過程ポイント: アセスメントでは、患者の輸血歴・妊娠歴を確認し不規則抗体のリスクを評価します。看護計画では、交差適合試験の実施と結果確認を確実に行うことを含めます。実施では、患者確認(本人確認、リストバンド照合)と同時に、血液製剤のラベルと交差適合試験結果が一致しているかをダブルチェックします。
暗記のコツ: 「交差(クロス)=患者とドナーをクロスさせて適合性を確かめる」と覚えましょう。Major(患者血清×ドナー血球)が最も重要で、もし不適合なら急激な溶血反応を引き起こします。
国試頻出ポイント: この問題は毎年のように出題される「基本中の基本」です。選択肢に「交差適合試験」と「血液型検査」の区別を問う問題が頻出です。また、交差適合試験の「主試験」と「副試験」の違い、不規則抗体のスクリーニングとの関係も合わせて学習しておくと確実です。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario):
「あなたは一般病棟の看護師です。担当患者のAさん(70歳代、男性、貧血と下血のため濃厚赤血球(RCC)2単位の輸血が医師から指示されました)。医師は血液型検査と交差適合試験をオーダーし、結果は適合と出ています。輸血開始前に、あなたは何を確認すべきでしょうか?」 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):
1. 観察とアセスメント: まず、患者のバイタルサイン(体温、脈拍、血圧、呼吸、SpO2)を測定し、輸血前のベースラインを記録します。輸血の適応(貧血の程度、症状)を確認します。
2. 報告と確認: 最重要! 医師の指示と交差適合試験の結果をダブルチェックします。血液製剤が患者本人のものか、二人の看護師で患者の氏名、生年月日、ID番号、血液型、血液製剤の種類と番号、有効期限を確認します(患者誤認防止のためのダブルチェック)。
3. 介入と実施: 患者に輸血の目的と症状(蕁麻疹、発熱、呼吸苦、腰痛など)が出現したらすぐに知らせるよう説明します。生理食塩液で輸血ラインを確保し、血液製剤をゆっくりと開始(最初15分は特にゆっくり、観察を強化)します。
4. 評価: 輸血開始から15分間はバイタルサインを頻回に測定し、副作用の早期発見に努めます。特に発熱、蕁麻疹、血圧低下、呼吸困難などの症状がないか注意深く観察します。
看護プロトコル:
- 観察項目: バイタルサイン(開始前、開始後15分、以後1時間ごと、終了後)、皮膚症状(発赤、蕁麻疹)、呼吸状態(呼吸苦、喘鳴)、自覚症状(悪寒、腰痛、頭痛、胸部圧迫感)。
- 報告基準(SBAR): S(状況)「Aさん、輸血開始後〇分で発熱と蕁麻疹が出現しました」、B(背景)「交差適合試験は適合、輸血歴は2回」、A(アセスメント)「アレルギー反応または非溶血性発熱反応が疑われます」、R(推奨)「輸血を一旦中止し、医師の指示を仰ぎます」。
- 記録のポイント: 輸血開始・終了時刻、バイタルサイン、輸血量、副作用の有無と内容、対応内容。
先輩看護師の一言:
「輸血は患者さんの命を救う素晴らしい治療ですが、一歩間違えると生命に関わる重大な事故につながります。国試では『交差適合試験』という言葉を覚えるだけでなく、『なぜこの試験が必要なのか』『看護師として輸血開始前に何を確認すべきか』をしっかり理解しましょう。現場では、患者さんと血液製剤のダブルチェックを確実に行うことが、あなたの患者さんを守る最初で最後の砦です!」

重要概念

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