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血液
問題

ABO式血液型において、A型の赤血球表面に存在する抗原はどれか。

解説
A型の赤血球表面にはA抗原が存在する。B型はB抗原、AB型はA抗原とB抗原の両方、O型はどちらも持たない。
同じテーマの次の問題血液型不適合妊娠において、新生児溶血性疾患の原因となる最も一般的な抗体はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、ABO式血液型 (ABO Blood Group System) における赤血球表面抗原の基本的な知識を問うものです。血液型は、赤血球膜上に存在する糖鎖抗原(A抗原・B抗原)の有無によって分類されます。この分類を理解することは、輸血療法 (Blood Transfusion) における 交差適合試験 (Crossmatching)輸血副作用 (Transfusion Reaction) の予防のために極めて重要です。 正解の根拠 (Answer Rationale)
A型の赤血球表面には A抗原 (A Antigen) が存在します。これは、遺伝子によって決定される糖転移酵素の働きにより、前駆物質であるH抗原にN-アセチルガラクトサミンが付加されることで形成されます。血漿中には対応する抗体として 抗B抗体 (Anti-B Antibody) を持ち、B型の赤血球と反応して凝集を起こすため、輸血時には注意が必要です。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意!
A抗原もB抗原もなし:これはO型 (Type O) の特徴です。O型の赤血球にはA抗原もB抗原も存在せず、H抗原のみが豊富に存在します。
A抗原とB抗原の両方:これはAB型 (Type AB) の特徴です。AB型の赤血球にはA抗原とB抗原の両方が存在し、血漿中には抗A抗体も抗B抗体も持たないため、理論上はどの血液型からも輸血を受けられます(万能受血者)。
B抗原:これはB型 (Type B) の特徴です。B型の赤血球表面にはB抗原が存在し、血漿中には抗A抗体を持ちます。
H抗原のみ:これは上記①の通りO型の特徴ですが、厳密にはO型の赤血球表面にはH抗原が最も多く存在します。A型やB型の赤血球でもH抗原は存在しますが、A抗原やB抗原に変換されるためO型ほど多くはありません。 関連概念の整理 (Related Concepts)
ABO式血液型に加えて、最重要! Rh式血液型 (Rh Blood Group System) も併せて覚えましょう。Rh(D)抗原の有無でRh陽性・陰性が決まります。Rh陰性の人がRh陽性の血液を輸血されると、抗D抗体を産生し、次回の輸血や妊娠(新生児溶血性疾患)で問題を引き起こす可能性があります。ABO式とRh式は、輸血前の必須検査項目です。
概念整理
血液型赤血球表面抗原血漿中抗体
A型A抗原抗B抗体
B型B抗原抗A抗体
AB型A抗原とB抗原の両方なし
O型なし(H抗原が多い)抗A抗体と抗B抗体の両方

一目で比較!
ABO式血液型の抗原と抗体の関係は、「自分が持っていない抗原に対する抗体を必ず持っている」というルールで覚えましょう。これが輸血の大原則です(A型ならB抗原を持たないので抗B抗体を持つ)。
看護過程ポイント
輸血療法の看護では、アセスメント として患者の血液型を確認し、医師の指示と照合します。輸血開始後は 溶血性副作用 (Hemolytic Transfusion Reaction) の兆候(発熱、悪寒、腰痛、血尿、血圧低下など)を観察します。暗記のコツ
「A型はA(抗原)、B型はB(抗原)」と、型名と抗原を一致させるだけで覚えられます。O型は「Zero(0)」と覚え、抗原がゼロであるとイメージすると良いでしょう。
国試頻出ポイント
血液型と抗原・抗体の組み合わせは毎年出題される基本知識です。単純暗記だけでなく、「なぜA型の人はB型の血液を輸血できないのか?」という病態生理的な理由(抗B抗体による凝集反応)まで理解しておくことが、応用問題に対応する鍵です。
出題パターン注意!
近年の国家試験では、単純な知識問題(本問のような)に加えて、「手術前に交差適合試験を実施する目的は何か」や「輸血中に患者に悪寒が出現した場合の看護師の対応」といった状況設定問題に発展して出題されることが多いです。基礎知識を確実にした上で、臨床での応用力を養いましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
術後のA型患者に、B型の濃厚赤血球 (RCC) が誤って準備されました。看護師がダブルチェックの段階でこの間違いに気づき、輸血開始前に中止することができました。これは医療安全の観点から非常に重要な事例です。もし輸血が開始されていた場合、患者の血漿中に存在する抗B抗体が輸血されたB型赤血球を攻撃し、急性溶血性輸血副作用 (Acute Hemolytic Transfusion Reaction) を引き起こしていた可能性があります。
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
輸血を実施する際の看護師の役割として、最重要! 患者確認 (Patient Identification)血液製剤の確認 (Blood Product Verification) は絶対条件です。必ず二人の医療従事者(医師・看護師)で、①患者氏名・生年月日 ②血液型(ABO型・Rh型) ③交差適合試験の結果 ④有効期限 ⑤外観(変色・気泡・凝血塊の有無)を照合します。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
輸血開始後は、最初の15分間は特に注意深く観察します(輸血開始時の副作用はこの時間帯に起こりやすい)。患者が「なんだか寒気がする」「腰が痛い」「息苦しい」と訴えたら、すぐに 輸血を中断 し、生理食塩液でラインを確保したまま医師に報告します。これは医療事故防止の鉄則です。
看護プロトコル
輸血の観察項目(バイタルサイン:開始前、開始後15分、1時間毎、終了時)、報告基準(SBAR:状況 S:輸血開始後10分で悪寒出現、背景 B:A型患者にB型製剤が準備されていた可能性、評価 A:急性溶血反応疑い、推奨 R:輸血中止、医師による診察を依頼)、記録のポイント(輸血開始時刻・終了時刻、製剤の種類・ロット番号、患者のバイタルサイン、副作用の有無)を必ず押さえましょう。
先輩看護師の一言
「血液型の知識は、ただ試験のためだけに覚えるものではありません。実際に患者さんの命を預かる現場では、この知識がミスを防ぐ最後の砦になります。『あれ?A型の患者さんなのに、何でこの製剤はB型って書いてあるんだろう?』と疑問を持つこと。その一瞬の気づきが、患者さんの生命を救うんです!国試で学んだことは、必ず臨床で活きてきますよ!」

重要概念

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