看護臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario)
小児科病棟に、高熱と全身の赤い発疹を主訴に7歳の男児が入院しました。医師の診察で猩紅熱と診断されました。あなたは受け持ち看護師です。病室は個室が確保されています。
看護介入戦略 (Nursing Intervention)
1.
最優先:感染予防策の確立:病室の入り口に「飛沫・接触予防策」の表示をします。患児と1m以内に接近する際は、サージカルマスク、ガウン、手袋を着用します。処置後は手指衛生を徹底します。患児には咳エチケット(マスク着用が可能であれば)を指導します。
2.
症状マネジメントと観察:感染予防策を実施した上で、解熱鎮痛剤の投与、経口摂取のアセスメントと水分補給の援助、皮疹の状態観察(掻痒感、皮むけの有無)を行います。
3.
治療のサポートと合併症モニタリング:処方された抗菌薬を確実に投与し、内服の重要性を子どもと保護者に説明します。退院後も合併症の兆候に注意するよう指導します。
患者の安全と注意事項 (Precautions)
抗菌薬投与開始後24時間経過すれば、感染力は大幅に低下しますが、皮疹が完全に消失するまでは予防策を継続する施設が多いです。家族への面会時も予防策の説明が必要です。
概念のまとめ
猩紅熱:A群溶連菌感染症。飛沫・接触感染。症状は発熱、咽頭痛、砂紙様皮疹。合併症に急性糸球体腎炎、リウマチ熱。治療はペニシリン系抗菌薬。
一目で比較!
| 予防策の種類 | 対象感染症の例 | 主な対策 |
|---|
| 標準予防策 | すべての患者 | 手指衛生、血液・体液への防護 |
| 接触予防策 | MRSA、疥癬、感染性下痢 | ガウン、手袋、個室(可能なら) |
| 飛沫予防策 | インフルエンザ、猩紅熱、百日咳 | マスク(1m以内)、個室(可能なら) |
| 空気予防策 | 結核、麻疹、水痘 | N95マスク、陰圧個室 |
解剖生理と薬理のポイント
A群溶連菌は、菌体外毒素(発疹毒素)を産生し、これが全身の毛細血管を拡張させて特徴的な皮疹を引き起こします。ペニシリンは細胞壁合成を阻害することで殺菌的に作用します。
暗記のコツとゴロ合わせ
猩紅熱の合併症は「
リウマチ熱で腎炎」と覚える。予防策の優先順位は「
まずは広げない!」が基本。
国試頻出ポイント
感染症看護では「
最初に行う看護」を問う問題が非常に多い。答えはほぼ「
感染予防策の実施」か「
ABC(気道、呼吸、循環)の確保」のどちらか。
国試出題パターンの変化に注意!
「優先度が高い看護」から、「家族への説明内容」や「退院指導で伝える合併症の観察ポイント」など、より実践的な応用問題として出題される傾向があります。