核心解説
この問題は、
保健師助産師看護師法 (Public Health Nurse, Midwife, and Nurse Act) 第9条に定められた「欠格事由 (Disqualification Provisions)」の理解を問うものです。
欠格事由とは、免許を与えてはならない絶対的な条件のことであり、看護師として業務を行う上で、患者の安全と信頼を確保するために設けられています。
正解は「
5」です。厚生労働省令で定める、
「心身の障害により業務を適正に行うことができない者」は、絶対的欠格事由の一つです。これは、業務遂行能力が著しく損なわれている場合を指し、単なる身体的なハンディキャップではなく、業務の適正な遂行に支障をきたす状態であることが具体的に省令で定められています(例:視覚障害、聴覚障害、精神障害などで、必要な補助があっても業務が困難な場合)。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 保健師助産師看護師法第9条では、以下の絶対的欠格事由が列挙されています。
1. 罰金以上の刑に処せられた者(執行猶予中の者を含む)
2. 保健師・助産師・看護師・准看護師の業務に関し犯罪又は不正の行為があった者
3.
心身の障害により業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの4. 麻薬・大麻・あへんの中毒者
選択肢5は、この3番目の条件に該当します。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
⚠️ この内容は必ず (qn_ai_explain) 内に記述すること!
- ①過去に禁錮以上の刑に処せられた者:混同注意! 欠格事由は「罰金以上の刑」です。禁錮は罰金よりも重い刑罰ですが、これは「罰金以上の刑」に包含されます。よって欠格事由に該当しますが、問題は「該当するものはどれか」ではなく「該当しないものはどれか」を問うているわけではありません。選択肢5が該当するため、1は正解の根拠となりません。
- ②破産手続開始の決定を受けた者: 破産手続は、かつては欠格事由に含まれていましたが、混同注意! 平成13年(2001年)の法改正で欠格事由から完全に削除されました。現在では、破産したことのみを理由に免許が拒否されることはありません。
- ③過去に罰金刑に処せられた者: 欠格事由に該当します(罰金以上の刑に処せられた者)。
- ④成年被後見人または被保佐人に該当する者: 混同注意! これも②と同様に、平成13年の法改正で欠格事由から削除されました。成年被後見人・被保佐人であることだけで、一律に欠格とはなりません。ただし、その状態によって業務の適正な遂行に支障があると判断される場合は、③の「心身の障害」に該当する可能性はあります。
関連概念の整理 (Related Concepts)
免許に関する規定は、看護師国家試験で頻出です。併せて「絶対的欠格事由」と「相対的欠格事由」の違いを理解しておきましょう。
「絶対的欠格事由」は、該当すれば必ず免許が与えられない条件です。「相対的欠格事由」は、過去の法令違反の程度や改善状況などから、審査の上で免許を与えないことができる条件です(現在の法律では、この概念は厳密にはありませんが、過去の出題では区別して問われることがあります)。
また、
看護師免許 (Nursing License) の取り消しや業務停止の行政処分に関する規定(第14条の3など)も重要です。免許の効力停止や取り消しは、欠格事由に該当するに至った場合や、故意に診療録の改ざんを行った場合などに該当します。
概念整理: 保健師助産師看護師法第9条(欠格事由)
・罰金以上の刑
・業務上の犯罪・不正行為
・心身の障害(省令で定める)
・麻薬等中毒者
※破産・成年後見は欠格事由から削除(2001年改正)
※罰金未満の刑(拘留・科料)は欠格事由に該当しない。
一目で比較!| 区分 | 内容 | 該当するか |
|---|
| 罰金以上の刑 | 禁錮、懲役、罰金 | 該当 |
| 罰金未満の刑 | 拘留、科料 | 非該当 |
| 成年被後見人・被保佐人 | 2001年削除 | 非該当(ただし心身障害の判断に影響しうる) |
| 破産手続開始決定 | 2001年削除 | 非該当 |
看護過程ポイント: この問題は直接的な看護過程ではありませんが、免許制度の理解は「看護師の法的責任と倫理」という、看護過程の基盤となる重要な領域です。例えば、
医療安全 (Patient Safety) の観点から、看護師がアルコール依存症や薬物依存症で業務に支障をきたす場合、これは「心身の障害」に該当し、欠格事由となりえます。
暗記のコツ: 「
罰金以上は欠格、罰金未満はセーフ」
さらに「
破産と成年後見は、改正で削除」と語呂合わせで覚えましょう。
心身の障害については「
ど~なってる?心身障害省令でチェック」と覚えると良いでしょう。
国試頻出ポイント: 欠格事由は、保健師助産師看護師法の頻出テーマです。特に、
最重要! ①「罰金以上の刑」が該当するか、②「成年被後見人」は欠格事由から削除されているか、③「心身の障害」の条件を正しく理解しているか、が問われます。
出題パターン注意!: 単純な知識問題として「欠格事由に該当するものを選べ」と問われる場合と、事例問題に発展して「この看護師が免許の取り消しになる行為はどれか」と問われる場合があります。例えば、「業務上知り得た患者の秘密を漏洩した」「診療録を改ざんした」などの行為が、どのような処分につながるかも併せて学習しましょう。