核心解説
この問題は、
婦人相談所(女性相談センター)の設置主体と法的根拠に関する知識を問うています。この機関は、
売春防止法を根拠法として、
都道府県に設置が義務づけられています。また、
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)においても、
最重要! DV被害者の一時保護を行う機関として明確に位置づけられており、その役割は多岐にわたります。
正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は「⑤ 都道府県に設置が義務づけられており、DV被害者支援も行う」です。
売春防止法第34条に基づき、
婦人相談所は各都道府県に設置が義務づけられています。その業務は、要保護女子(売春を行うおそれのある女子、環境上の理由から売春を余儀なくされるおそれのある女子など)に対する相談、調査、指導、一時保護、更生のための援助です。さらに、
DV防止法(配偶者暴力防止法)第3条においても、婦人相談所はDV被害者の一時保護を行う機関として規定されており、現代ではDV被害者支援の中核的役割を担っています。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
① 国が直接設置・運営する女性専門の支援機関である
→
混同注意! 婦人相談所は
国ではなく都道府県が設置する機関です。国の直接設置機関としては、
婦人保護施設(更生施設)の一部が国庫補助対象となることはあっても、運営主体は都道府県または社会福祉法人等です。
② 市区町村に設置が義務づけられた相談機関である
→ 売春防止法で
設置が義務づけられているのは都道道府県であり、市区町村ではありません。市区町村には設置義務はなく、任意設置となります。
③ 設置は任意であり、希望する自治体のみが設置できる
→
設置は任意ではなく義務です。全ての都道府県に設置が義務づけられています。
④ 児童相談所の附属機関として位置づけられている
→ 婦人相談所と
児童相談所は別個の法律(児童福祉法と売春防止法)に基づく独立した機関です。相互に連携はしますが、
附属機関ではありません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
婦人相談所は、2023年4月以降、多くの自治体で名称を
「女性相談センター」に変更しています。また、類似機関として
配偶者暴力相談支援センター(DV防止法に基づく、各都道府県に1か所以上設置義務)と機能的に統合・連携している場合が多いです。
概念整理
婦人相談所(女性相談センター)の法的基盤と役割
| 項目 | 内容 |
|---|
| 根拠法 | 売春防止法(第34条) + DV防止法(第3条) |
| 設置主体 | 都道府県(設置義務あり) |
| 主な対象者 | 要保護女子、DV被害者 |
| 主な業務 | 相談、調査、指導、一時保護、更生援助 |
| 関連施設 | 婦人保護施設(一時保護後の更生施設) |
一目で比較!
混同しやすい相談機関の比較
| 機関名 | 根拠法 | 設置主体 | 主な対象 |
|---|
| 婦人相談所 | 売春防止法 | 都道府県(義務) | 要保護女子 / DV被害者 |
| 児童相談所 | 児童福祉法 | 都道府県(義務) | 児童(18歳未満) |
| 障害者相談支援事業所 | 障害者総合支援法 | 市区町村(努力義務) | 障害者 |
| 高齢者総合相談センター | 介護保険法 | 市区町村(任意) | 高齢者 |
看護過程ポイント
看護師がDV被害者や困難を抱える女性に気づく際のアセスメントポイント
・外傷パターン:顔面、頸部、腹部、四肢内側など「隠れやすい場所」の打撲・擦過傷がないか確認。
・精神状態:不安、抑うつ、過度な謝罪、パートナーへの極度の依存または回避行動。
・発言:「転んだ」「ぶつかった」などの説明と外傷が一致しない。
→ アセスメント後、本人の同意を得て婦人相談所(女性相談センター)や配偶者暴力相談支援センターへの連絡・情報提供を行う。
暗記のコツ
「婦人相談所=売春防止法+DV防止法」「都道府県=設置義務」をセットで覚えましょう!
「婦人(女性)を守る法律は2つ、設置は都道府県が義務」とリズムで暗記。
国試頻出ポイント
・婦人相談所の根拠法(売春防止法)
・設置義務の主体(都道府県)
・DV防止法との関連(一時保護の役割)
→ これらが選択肢の組み合わせで頻出。特に「任意設置か義務設置か」の区別が高頻度で問われます。
出題パターン注意!
事例問題:「DV被害者のA子さん(30代)が友人に連れられて来院。看護師として適切な対応はどれか。」
→ 「婦人相談所(女性相談センター)や配偶者暴力相談支援センターの情報提供を行う」が正解の典型例。単なる知識問題から、実際の支援フローを問う状況設定問題への発展に注意。