核心解説
この問題は、高齢者の視覚障害における評価項目のうち、
「視野の広さ」を測定する検査を問うています。視覚機能は大きく分けて、
視力 (Visual Acuity)、
視野 (Visual Field)、
色覚 (Color Vision)、
調節力 (Accommodation)などがあります。高齢者では、
緑内障 (Glaucoma)や
脳血管障害 (Cerebrovascular Disease)による視野障害が生活の質(QOL)に大きく影響するため、視野検査は非常に重要です。
1.
核心概念の分析 (Key Concept): この問題の核心は、各眼科検査の
目的と測定項目を正確に区別できるかどうかです。「視野の広さ」に特化した検査は、
ゴールドマン視野計 (Goldmann Perimeter)または自動視野計(ハンフリー視野計など)です。これらは眼球が動かないように固定した状態で、周辺から光を呈示し、見える範囲をマッピングします。
2.
正解の根拠 (Answer Rationale): ⑤
ゴールドマン視野計検査は、視野の広さと感度を定量的・定性的に測定するための標準的な検査です。特に、緑内障の進行度評価や、脳梗塞後の半盲(同名半盲など)の評価に用いられます。高齢者の転倒リスク評価にもつながる重要な検査です。
3.
誤答の分析 (Distractor Analysis):
-
混同注意! ① 細隙灯顕微鏡検査 (Slit-Lamp Examination) は、角膜、水晶体、前眼部を拡大観察するためのもので、視野測定はできません。白内障や角膜炎の診断に用います。
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混同注意! ② 眼底検査 (Fundoscopy) は、検眼鏡を用いて網膜、視神経乳頭、血管を観察する検査です。緑内障では視神経乳頭の陥凹拡大を確認できますが、視野そのものを測定するわけではありません。
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混同注意! ③ 眼圧検査 (Tonometry) は、眼内の圧力を測定する検査です。正常範囲は
10~21 mmHg で、緑内障のスクリーニングに必須ですが、視野の広さではありません。
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混同注意! ④ 視力検査 (Visual Acuity Test) は、ランドルト環やスネレン視力表を用いて、
視力値(どれだけ細かいものを見分けられるか)を測定します。視野とは全く異なる概念です。
4.
関連概念の整理 (Related Concepts): 視野障害のパターンには、
求心性視野狭窄 (Concentric Contraction)(緑内障末期や網膜色素変性症)、
半盲 (Hemianopia)(脳卒中後の視交叉以降の障害)、
暗点 (Scotoma)(黄斑変性症など)があります。高齢者では、これらを早期発見するためのスクリーニングとして視野検査の重要性を理解しておきましょう。
概念整理:
眼科検査の種類と目的
| 検査名 | 測定対象 | 高齢者における主な適応 |
| ゴールドマン視野計検査 | 視野の広さ・感度 | 緑内障、脳血管障害後の半盲評価 |
| 視力検査 | 視力(解像度) | 白内障、老視、屈折異常 |
| 細隙灯顕微鏡検査 | 前眼部(角膜・水晶体) | 白内障、角膜炎 |
| 眼底検査 | 網膜・視神経乳頭・血管 | 緑内障、糖尿病網膜症、高血圧性網膜症 |
| 眼圧検査 | 眼圧 | 緑内障スクリーニング |
一目で比較!:
視力 vs 視野
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視力 (Visual Acuity): 「どれだけ細かいものを見分けられるか」の能力(中心窩の機能)。
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視野 (Visual Field): 「どれだけ広い範囲を見渡せるか」の能力(周辺網膜の機能)。
混同しやすいので、「視力 = 視力表」、「視野 = 視野計」とセットで覚えましょう!
暗記のコツ: 「ゴールドマン」という名前は「Gold(金)+ man(人)」と覚えずに、「視野を測る機械の名前」として暗記しましょう。日本語では「視野計」とも呼ばれます。
国試頻出ポイント: 高齢者看護や成人看護(眼科)の分野で、「この症状がある患者にどの検査を行うか」を問う問題が頻出です。特に緑内障のスクリーニング(眼圧 + 眼底 + 視野)と、糖尿病網膜症のスクリーニング(眼底検査)の組み合わせは必須知識です。