白内障術後の高齢患者に対する看護で適切なのはどれか。 | MyMerci
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高齢者に特有な症候・疾患・障害と看護
問題

白内障術後の高齢患者に対する看護で適切なのはどれか。

解説
白内障術後は創部の感染や損傷を防ぐため、眼をこすらないことが重要である。洗顔は術後数日間は控え、眼帯は医師の指示に従い外す。安静は必要だが、転倒予防のために過度な安静は不要で、ADLは可能な範囲で維持する。うつむき動作は眼圧上昇に関連するが、白内障術後では特に制限はない。
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詳細解説

核心解説 この問題は、白内障 (Cataract) 術後高齢患者の看護において、術後合併症予防のための具体的なケアの優先順位を問うています。白内障手術は眼内レンズ挿入術 (Intraocular Lens Implantation) が一般的で、創部(切開創)の治癒と感染・損傷予防が急性期看護の核心です。高齢者は創傷治癒が遅延しやすく、また術後の不注意な行動(眼をこする、ぶつけるなど)が合併症リスクを高めるため、患者指導が極めて重要になります。 1. 核心概念の分析 (Key Concept): 白内障術後の最も重要な合併症は 最重要! 創部離開 (Wound Dehiscence)眼内炎 (Endophthalmitis)眼圧上昇 (Increased Intraocular Pressure) です。これらの予防には、創部への物理的刺激(眼をこする、圧迫、洗顔時の水の侵入など)を避けることが基本です。特に 手術した眼をこする行為は、切開創の離開や眼内レンズの偏位を引き起こす危険行為であり、絶対に避けるよう指導する必要があります。 2. 正解の根拠 (Answer Rationale): ①「手術した眼をこすらないよう指導する」が正解です。これは術後合併症予防の最も基本的で重要な指導です。患者は無意識に眼をこすってしまうことがあるため、「眼を触らない」「こすらない」ことを明確に伝え、必要に応じて眼帯や眼鏡による保護を促します。高齢者では理解力や記憶力が低下していることもあるため、繰り返し指導することが看護師の役割です。 3. 誤答の分析 (Distractor Analysis):
②「転倒予防のためベッド上安静を徹底する」: 混同注意! 白内障術後は安静が必要ですが、過度なベッド上安静は廃用症候群やせん妄、深部静脈血栓症のリスクを高めるため、推奨されません。ADLは可能な範囲で維持し、歩行時は転倒に注意するよう指導します。転倒予防は重要ですが、「ベッド上安静の徹底」は誤りです。
③「眼圧上昇を予防するため、うつむかないように指導する」: 混同注意! うつむく動作(前屈姿勢)は 緑内障 (Glaucoma) 術後や開放隅角緑内障患者では眼圧上昇を誘発するため制限されることがありますが、白内障術後では特に制限は不要です。白内障術後はむしろ、洗顔やシャンプーの際にうつむかないように指導することはありますが、眼圧上昇が主な理由ではありません。
④「術後当日から洗顔を許可する」: 術後当日は創部が完全に閉鎖しておらず、水が侵入するリスクがあります。通常、洗顔は術後数日間(医師の指示による)控える必要があります
⑤「眼帯は術後1週間は絶対に外さない」: 眼帯の装着期間は手術方法や医師の指示により異なります。眼帯は創部保護と眼の安静が目的ですが、術後翌日から外すことも多く、状況に応じて指示が変更されます。「絶対に外さない」という固定観念は誤りです。 4. 関連概念の整理 (Related Concepts): 混同注意! 白内障緑内障 の術後管理の違いを理解することが重要です。白内障は眼内レンズ挿入による視力回復が主目的で、術後は創部保護と感染予防が中心。一方、緑内障は眼圧コントロールが目的で、術後は眼圧上昇を誘発する動作(うつむく、怒責など)の制限が重要です。また、加齢黄斑変性 (Age-related Macular Degeneration) など他の高齢者眼疾患との鑑別も国試頻出です。
概念整理: 白内障術後看護の核心は 「創部保護と感染予防」「患者指導(眼を触らない、こすらない)」。合併症予防のための具体的な行動制限(洗顔、重いものを持つ、激しい運動など)は医師の指示に従い、個別性を考慮する。
一目で比較!:
疾患術後看護のポイント特に避けるべき動作
白内障 (Cataract)創部保護 / 感染予防 / 視力回復支援眼をこする / 洗顔時の水侵入 / 激しい運動
緑内障 (Glaucoma)眼圧コントロール / 房水流出路保護うつむく / 怒責 / 頭部を低くする姿勢
網膜剥離 (Retinal Detachment)網膜の復位維持 / 安静維持頭部動揺 / 飛行機搭乗(ガス注入後)

看護過程ポイント: - アセスメント: 術前の患者の理解度、高齢者の認知機能、術後の疼痛・眼脂・視力状態、創部の状態(浮腫、発赤、出血の有無)を評価する。 - 看護診断 (Nursing Diagnosis): 【術後創部に関連する感染リスク状態】【知識不足(術後自己管理に関する)】【転倒リスク状態】【セルフケア不足(洗顔・点眼など)】 - 計画・実施: 眼をこすらないよう繰り返し指導、点眼手技の指導と介助、転倒防止のための環境整備(眼帯による視野狭窄に注意)、術後安静とADLのバランスを図る。 - 評価: 患者が指導内容を理解し実践できているか、創部感染や眼圧上昇などの合併症が発生していないかを確認する。
暗記のコツ: 「白内障=目の中のレンズ(水晶体)が濁る」→「手術で新しいレンズを入れる」→「創部が完全に治るまでは、眼を触らない、こすらない、水を入れない」の3原則を覚えましょう。高齢者では「無意識に眼を触る」ことを想定し、指導を徹底するイメージです。
国試頻出ポイント: 白内障術後看護は「術後合併症予防のための患者指導」が頻出。特に 「眼をこすらない」 という選択肢はほぼ毎年どこかで出題されると考えてよいでしょう。また、緑内障術後との比較問題もよく出ます。うつむき動作の制限は「緑内障」とセットで覚えましょう。
出題パターン注意!: 単純な「正しい看護を選べ」問題だけでなく、事例問題(例:「80歳女性、白内障術後1日目。眼帯を外そうとしている。看護師の対応として適切なのはどれか」)に発展することがあります。その場合、患者の行動の背景(不安、見えにくさ、認知機能低下など)をアセスメントし、個別的な指導と環境調整を考える必要があります。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 72歳女性、白内障手術(超音波乳化吸引術 + 眼内レンズ挿入術)後1日目。術後の経過は良好で、眼帯は翌朝の診察で外されました。夕方のラウンド時、患者さんが「なんとなく目がかゆくて…」と話しながら、手で手術した右眼をこすろうとしている場面に遭遇しました。患者さんは「もう大丈夫でしょ?」と軽く考えている様子です。あなたは看護師としてどのように対応しますか? 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 1. 観察 (Observation): まず患者さんの行動を優しく制止します。「〇〇さん、お目目を触ろうとされていましたね。何か気になることがありましたか?」と声をかけ、眼の違和感(かゆみ、乾燥、異物感など)の有無を確認します。同時に、創部の状態(発赤、浮腫、眼脂の有無)を観察します。 2. アセスメント (Assessment): 最重要! 術後早期の創部はまだ完全に閉鎖しておらず、眼をこすることで 創部離開や眼内炎 (Endophthalmitis) のリスク が高まります。患者さんの「もう大丈夫」という認識は、知識不足によるリスク行動と判断します。かゆみの原因として、点眼薬の刺激、眼表面の乾燥、あるいはアレルギー反応の可能性も考慮します。 3. 報告・相談 (Report & Consult): 医師に患者の状況(眼をこすろうとしたこと、かゆみの訴え)を報告し、必要に応じて 人工涙液 (Artificial Tears) や抗アレルギー点眼薬の追加処方を相談します。 4. 介入 (Intervention): 患者さんに「お目々を触ると、手術した傷口が開いたり、ばい菌が入って炎症を起こす危険があります。もし気になることがあれば、すぐに看護師に教えてくださいね」と優しく具体的に説明します。 眼の保護のために、日中はサングラスや眼鏡の着用を勧めます。かゆみが強い場合は、清潔なガーゼで優しく押さえる方法を指導します(こすらない)。また、ベッドサイドに「眼を触らないでください」と書いた注意喚起のポスターを貼るなどの環境調整も有効です。 5. 評価 (Evaluation): 指導後、患者さんが「わかりました。気をつけます」と理解したことを確認します。その後も定期的にラウンドし、患者さんが無意識に眼を触っていないか観察を継続します。かゆみの原因が特定できた場合は、その原因への対策(点眼スケジュール調整、保湿など)も行います。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): - 最重要! 感染対策: 術後眼内炎は失明に至る重篤な合併症です。看護師の手指衛生はもちろん、患者さん自身の手も清潔に保つよう指導します。 - 転倒・転落予防: 眼帯装着時や術後視力が不安定な時期は、視野狭窄や両眼視機能の低下により転倒リスクが高まります。歩行介助、環境整備(照明、手すり、履物)を徹底します。 - 高齢者の特殊性: 高齢者は複数の眼疾患(緑内障、加齢黄斑変性など)を併存していることが多く、また認知機能低下により指導内容を忘れやすいため、繰り返しの指導と家族への情報共有が重要です。
看護プロトコル: 観察項目 (バイタルサイン、視力、眼痛、眼脂、充血、角膜浮腫、眼圧、前房深度) | 報告基準 (SBAR): S(状況: 白内障術後1日目患者が眼をこすろうとした) B(背景: 眼のかゆみを訴え、創部の知識不足が疑われる) A(アセスメント: 創部離開・感染リスクあり) R(推奨: 創部の観察と患者指導の再徹底、かゆみへの対応検討) | 記録のポイント: 指導内容、患者の反応、創部の状態、医師への報告内容と指示、経過を客観的に記載する。
先輩看護師の一言: 「白内障術後の患者さん、特に高齢の方は『手術が終わったからもう大丈夫』と思いがちです。でも、私たち看護師は『創部が完全に治るまでは油断できない』という視点を持ってケアにあたりましょう。患者さんが無意識に眼をこすろうとする行動を見たら、それは『もっと詳しく説明が必要だよ』というサインです。怖がらせるのではなく、優しく根拠を伝えて、患者さん自身が守る行動をとれるように導いてあげてくださいね!」

重要概念

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