こんな問題があと800問挑戦 ›
排泄機能障害のある患者の看護
経皮的腎生検を受ける患者の検査後の看護で最も優先すべきのはどれか。
-
1
検査後は水分を十分に摂取するよう促す。
-
2
検査後2時間の絶飲食を指示する。
-
3
検査後は血尿の有無を確認する。
✓ 正解
-
4
検査後は穿刺部位の疼痛の有無を観察する。
-
5
検査後24時間の安静臥床を指示する。
解説
経皮的腎生検の最も重大な合併症は出血であり、検査後は血尿(肉眼的血尿)の有無を確認することが最優先である。安静臥床は一般的に数時間程度であり、24時間は不要である。絶飲食の指示は通常ない。疼痛の観察も重要だが、出血の有無が最も優先される。
同じテーマの次の問題大腸内視鏡検査を受ける患者への前処置として適切なのはどれか。この問題が収録された問題集成人看護学KRW 12,900
核心解説
この問題は、経皮的腎生検 (Percutaneous Renal Biopsy) 後の看護において、最も優先すべき観察項目を問うています。経皮的腎生検とは、超音波ガイド下で腎臓に針を刺し、組織片を採取する検査です。最も重大な合併症は出血 (Hemorrhage) であり、出血の有無を評価することが最優先となります。出血のサインとして最も早期に、かつ確実に確認できるのが 血尿 (Hematuria) です。
1. 正解の根拠 (Answer Rationale):
最重要! 経皮的腎生検後の出血は、被膜下血腫や後腹膜血腫、そして腎盂や尿管への出血として現れます。この出血が尿路に流出すると 肉眼的血尿 (Gross Hematuria) や 顕微鏡的血尿 (Microscopic Hematuria) として確認できます。血尿はバイタルサインの変動(頻脈・血圧低下)よりも早期に出現することが多く、患者自身が気づく最も身近な出血のサインです。そのため、「検査後は血尿の有無を確認する」ことが最も優先される看護となります。患者には「尿の色が赤くなったり、血の塊が出たらすぐに知らせてください」と具体的に伝え、すべての排尿について確認することが重要です。
2. 誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意! ①「水分を十分に摂取するよう促す」は、検査後の尿路感染予防や尿道刺激症状の緩和のために一般的に行われますが、出血の有無を確認することと比較すると優先順位は低いです。また、出血が確認されるまでは過度な水分負荷は逆に血圧上昇を招く可能性もあるため、医師の指示に従うべきです。
②「検査後2時間の絶飲食を指示する」は、多くの場合 誤った情報 です。経皮的腎生検は局所麻酔下で行われ、静脈内鎮静を行う場合もありますが、検査後の絶飲食は一般的に必要なく、むしろ水分摂取を促すのが通常です。
④「穿刺部位の疼痛の有無を観察する」も重要な観察項目の一つです。穿刺部位の強い痛みや背部痛は 後腹膜血腫 (Retroperitoneal Hematoma) の可能性を示唆するため、注意深く観察する必要があります。しかし、血尿は出血のより直接的なサインであり、疼痛よりも優先される観察項目です。
⑤「検査後24時間の安静臥床を指示する」は 誤り です。一般的には検査後2~4時間の安静臥床が指示され、その後は安静度が徐々に拡大されます。24時間の絶対安静は通常不要です。ただし、出血のリスクが高い患者(高血圧、腎機能低下、抗凝固薬内服中など)では延長されることもあります。
3. 関連概念の整理 (Related Concepts):
経皮的腎生検後の看護では、バイタルサイン (Vital Signs) の頻回測定(特に血圧と脈拍)とともに、出血のサイン(血尿、背部痛、穿刺部の腫脹・硬結、冷汗、顔面蒼白)を総合的に観察することが求められます。また、造影CT検査との違いも押さえておきましょう。造影CTは静脈から造影剤を注入するため、出血リスクは生検より低いですが、造影剤アレルギーや造影剤腎症 (Contrast-Induced Nephropathy, CIN)に注意が必要です。
概念整理: 経皮的腎生検後の看護の最優先は、出血 (Hemorrhage) の早期発見。特に 肉眼的血尿 は最も早期のサインである。
一目で比較!: | 観察項目 | 出血時の変化 | 優先度 |
|---|
| 血尿 | 肉眼的血尿(赤色~コーラ色) | 最優先 |
| 穿刺部の疼痛・腫脹 | 強い痛み、腫脹、硬結 | 高 |
| バイタルサイン | 頻脈、血圧低下 | 高(後期サイン) |
| 背部痛 | 後腹膜血腫を示唆 | 高 |
看護過程ポイント: 【アセスメント】血尿の有無、色調、量。バイタルサイン。疼痛の性質と部位。【看護診断】「出血リスク状態」【計画】全排尿の観察、バイタルサイン測定、安静の確保【実施】患者への説明(出血サインの自己モニタリング指導)、医師への報告基準の明確化【評価】血尿の有無、バイタルサインの安定
暗記のコツ: 「腎生検の合併症、血(血尿)が最(最優先)!」と覚えましょう。
国試頻出ポイント: 「経皮的腎生検後の血尿の観察」は、侵襲的検査の合併症看護の定番問題です。出血リスクの高い検査・処置(肝生検、胸腔穿刺、腹腔穿刺、動脈血液ガス採血後など)でも、同様に出血のサイン(局所の腫脹、疼痛、バイタルサイン)が最優先されることを関連付けて学習しましょう。
出題パターン注意!: 「検査後、患者から『腰が痛い』と訴えがあった。最初に行うべき対応は?」という状況設定問題に発展します。答えは「バイタルサインと出血のサイン(血尿の確認、穿刺部位の観察)を評価する」です。
臨床実践ガイド
経皮的腎生検後の患者を受け持つ看護師の臨床判断を具体的に説明します。
臨床シナリオ (Clinical Scenario):50代女性。慢性糸球体腎炎の診断確定のため、経皮的腎生検を実施。検査は問題なく終了し、病室に帰室。バイタルサインは安定しています。帰室後30分で、患者さんから「看護師さん、さっきおしっこに行ったら、血の塊みたいなのが出たんですけど…」と報告がありました。
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):最重要! まず、患者さんの報告内容を正確に評価します。「いつ、どのくらいの量か、色はどうか、塊はあるか、痛みはあるか」を具体的に聞き取ります。次に、直ちにバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸、SpO2)を測定し、穿刺部位の腫脹や疼痛の有無も確認します。血尿が少量で、バイタルサインが安定している場合は、経過観察と水分摂取の励行を行いますが、肉眼的血尿が持続する、血圧が低下する、脈拍が増加する、背部痛が出現するなどの場合は、直ちに医師に報告し(SBARを使用)、指示を仰ぎます。場合によっては緊急の超音波検査やCT検査、止血処置が必要となるためです。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions):- 患者指導のポイント: 検査前に、検査後の安静の必要性とともに、「尿の色が赤くなったり、腰やお腹が痛くなったら、すぐにナースコールを押してください」と具体的に伝えておくことが、安全な看護に直結します。- 転倒・転落予防: 安静解除後、初回の歩行時はめまいやふらつきの有無を確認し、必要に応じて見守り歩行を行います。- アレルギー・禁忌: 抗凝固薬・抗血小板薬内服中の患者は特に出血リスクが高いため、検査前後の管理を厳重に行います。
看護プロトコル: 【観察項目】全排尿の色調、バイタルサイン(1~2時間毎)、穿刺部位の観察(腫脹、疼痛、皮下出血)、背部痛の有無。【報告基準(SBAR)】状況(S):肉眼的血尿出現、バイタルサイン変動、背部痛出現。背景(B):経皮的腎生検後○時間。アセスメント(A):出血の可能性。推奨(R):医師の診察依頼。
先輩看護師の一言: 「腎生検後の患者さんで、『なんか腰が痛い』って訴えがあったら、すぐにバイタルサインと尿の色を確認!痛み止めが効かない強い腰の痛みは、後腹膜血腫の危険信号です。『大丈夫ですか?』と声をかけながら、素早くアセスメントする習慣をつけましょう!」
- 経皮的腎生検 — 超音波ガイド下で腎臓に針を刺し組織を採取する検査。主な合併症は出血。
- 肉眼的血尿 — 尿が赤色やコーラ色に見える状態。腎生検後の出血の最も早期のサイン。
- 後腹膜血腫 — 腎臓周囲の後腹膜腔に血液が貯留した状態。背部痛や血圧低下をきたす。
- 安静臥床 — ベッド上で安静にすること。腎生検後は出血予防のため一時的に指示される。
- バイタルサイン — 生命徴候(血圧、脈拍、呼吸、体温、SpO2)。出血評価の重要な指標。
MyMerciで看護師国家試験を完全対策
過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。
無料で始める
学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。