核心解説
この問題は、
脳波検査 (Electroencephalography, EEG)を受ける患者に対する看護の適切な介入を問うています。脳波検査は、大脳皮質の神経細胞の電気的活動を記録する検査であり、てんかん (Epilepsy)や意識障害、脳死判定などに用いられます。検査の精度を高めるためには、患者の協力とアーチファクト(雑音)の除去が不可欠です。
1.
正解の根拠 (Answer Rationale):
最重要! 脳波検査では、患者がリラックスし、閉眼しているときに出現する
後頭部優位のα波 (Alpha Wave)の記録が重要です。また、開眼によるアーチファクト(眼電位)を避けるためにも、検査中は閉眼した状態を保つよう指示するのが適切です。閉眼指示は、検査の標準的なプロトコルです。
2.
誤答の分析 (Distractor Analysis):
- ①番:テレビやスマートフォンなどの電子機器の使用は、電磁波や視覚刺激によるアーチファクトを生じ、脳波記録にノイズが混入するため、検査中は禁止されます。
- ③番:検査前日のシャンプーは、頭皮の皮脂や汚れを落とし、電極(銀塩化銀電極など)を確実に装着するために、むしろ推奨されます。
- ④番:睡眠不足は覚醒時の脳波に影響を与える可能性があるため、通常は十分な睡眠を促します。ただし、睡眠脳波(自然睡眠中や睡眠薬による睡眠中の脳波)の記録が必要な場合は、検査前に睡眠不足にさせてから検査に臨む場合もあるため、一律に「十分な睡眠を促す」とは言い切れない部分がありますが、本問では「検査前日」の一般的な指示として、誤りとなります。
- ⑤番:
混同注意! カフェイン (Caffeine)は中枢神経刺激作用があり、脳波を覚醒パターン(速波)に傾けるため、検査前にカフェイン摂取は制限(禁止)します。コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに注意が必要です。
3.
関連概念の整理 (Related Concepts): 脳波検査と併せて、
誘発電位 (Evoked Potential)(視覚誘発電位VEP、聴覚脳幹誘発電位ABRなど)の検査看護も押さえておきましょう。また、脳波の基本波(α波、β波、θ波、δ波)とそれぞれの出現状態(覚醒時、睡眠時、病的状態)を理解しておくと、アセスメントの幅が広がります。
概念整理: 脳波検査は、非侵襲的に脳機能を評価する検査。記録される脳波は、患者の状態(覚醒・睡眠・病的異常)や外的刺激に大きく影響される。看護師は、これらの影響因子をコントロールし、アーチファクトのない質の高い記録を得るための環境調整と患者指導が重要。
一目で比較!:
| 検査前の指導 | 適切な内容 | 不適切な内容 |
|---|
| 頭皮の清潔 | 前日のシャンプーを勧める | シャンプー禁止 |
| 食事/飲料 | 通常通りの食事、カフェイン制限 | カフェイン摂取、絶食 |
| 睡眠 | 通常通り(睡眠脳波の場合は睡眠不足を指示することも) | 睡眠不足の強制(通常時) |
| 電子機器 | 検査中は電源オフ | 検査中の使用許可 |
| 姿勢 | リラックス、閉眼 | 開眼、体動 |
看護過程ポイント:
-
アセスメント: 患者の年齢、意識レベル、協力の可否、てんかん発作の既往、内服薬(特に抗てんかん薬、睡眠薬、抗不安薬)の確認。
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計画・実施: 検査前日のシャンプー指示、カフェイン制限の説明、検査中の閉眼と安静の保持、過換気や光刺激といった賦活法の必要性と方法の説明。
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評価: 検査中の患者の状態(閉眼できているか、体動はないか)、記録された脳波にアーチファクトがないかの確認。
暗記のコツ: 「脳波はデリケート!シャンプーはOK(電極装着のため)、カフェインとテレビはNG(刺激になる)、目は閉じてリラックス(α波を出すため)」と覚えましょう。
国試頻出ポイント: 脳波検査前後の看護は頻出です。特に「検査中の閉眼」「カフェイン制限」「シャンプー許可」の3点はセットで覚えましょう。また、睡眠脳波(てんかん診断などで用いる)の場合は、あえて睡眠不足を指示する場合があることも、ひっかけ問題として出題されます。
出題パターン注意!: 「てんかん患者の脳波検査」や「意識障害患者の脳波検査」という具体的な事例に置き換えて、「この患者への検査前の説明で正しいのはどれか」という形で出題されることが多いです。