核心解説
この問題は、成人の
橈骨動脈 (Radial Artery)における脈拍触知の基本手技を問うています。脈拍測定は
基礎看護技術 (Basic Nursing Technique)の中でも最も頻出の項目であり、解剖学的なランドマークと手指の正しい配置、適切な圧迫圧を理解することが重要です。
正解の根拠 (Answer Rationale):
正解は④番です。
最重要!橈骨動脈の触知においては、検者の
母指を患者の手背側に置き、示指と中指で橈骨茎状突起 (Radial Styloid Process) の内側(母指側)を軽く圧迫する方法が標準的です。この方法により、示指と中指の感度の高い指腹で脈拍を正確に捉えることができます。母指は固定と安定性を提供するために使用し、脈拍の触知には用いません(母指自身に拍動があるため)。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意!
①番:小指と薬指は脈拍触知には一般的に使用しません。感度が低く、母指で手関節背側を支える配置も標準的ではありません。
②番:示指と中指を手背側に置くのは誤りです。手掌側に置く必要があります。橈骨茎状突起の内側(手掌側)を触れるのが正解です。
③番:母指で直接圧迫するのは誤りです。母指には検者自身の脈拍があり、患者の脈拍と混同する可能性があります。また、強く圧迫しすぎるリスクがあります。
⑤番:橈骨茎状突起の「外側」は尺骨側であり、橈骨動脈は茎状突起の「内側(母指側)」に位置します。「強く圧迫する」も誤りで、軽く圧迫しないと血流が途絶え脈拍が触知できなくなります。
関連概念の整理 (Related Concepts):
脈拍測定のポイントとして、以下の項目も併せて押さえましょう。
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触知部位: 橈骨動脈の他に、
上腕動脈 (Brachial Artery)(血圧測定時)、
頸動脈 (Carotid Artery)(心肺蘇生時)、
大腿動脈 (Femoral Artery)(ショック時)など。
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測定時の注意: 患者の安静状態(座位または臥位)、検者の手指の消毒、圧迫圧は適度(強すぎず弱すぎず)、測定時間は15秒以上(不整脈時は30秒~1分)。
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正常値: 成人の安静時脈拍は
60~100回/分 (Normal Sinus Rhythm)。
概念整理: 橈骨動脈は前腕の母指側(外側)に位置し、橈骨茎状突起の内側を走行します。触診の基本は「示指と中指で触れ、母指は支えるだけ」です。
一目で比較!: 脈拍触知部位の違いを整理しましょう。
| 部位 | 解剖学的ランドマーク | 臨床的意義 |
|---|
| 橈骨動脈 | 橈骨茎状突起の内側 | 日常的なバイタルサイン測定に最適 |
| 上腕動脈 | 上腕内側、肘窩のやや上方 | 血圧測定、乳児の脈拍測定に使用 |
| 頸動脈 | 甲状軟骨の高さ、胸鎖乳突筋の内側 | 心肺蘇生時の循環確認に必須 |
| 大腿動脈 | 鼠径靭帯の中央部 | ショック時の脈拍確認、動脈採血に使用 |
看護過程ポイント: 脈拍測定はアセスメントの基本です。不整脈(期外収縮、心房細動など)や頻脈/徐脈を疑った場合、さらに詳細な評価(心電図モニター、12誘導心電図)につなげる必要があります。測定値は記録し、経時的変化を評価します。
暗記のコツ: 「母指は固定役、示指中指は探知役」と覚えましょう。自分の手首で実際に練習すると、橈骨茎状突起と動脈の位置関係が体感できます。
国試頻出ポイント: 脈拍触知の手技は、実技試験(OSCE)や筆記試験で頻出です。特に「母指を使わない」「軽く圧迫する」というポイントは毎年のように問われています。事例問題では、「患者の状態(浮腫、末梢循環不全など)に応じた部位の選択」が問われることもあります。
出題パターン注意!: 単純な手技の正誤問題から、「術後の患者で橈骨動脈が触知しにくい場合、次に確認すべき脈拍部位はどこか」のような臨床判断問題に発展する可能性があります。解剖学的知識を臨床推論に結びつける練習をしましょう。