膀胱留置カテーテルの抜去後、初回の自然排尿が確認できない患者への対応として適切なのはどれか。 | MyMerci
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問題

膀胱留置カテーテルの抜去後、初回の自然排尿が確認できない患者への対応として適切なのはどれか。

解説
カテーテル抜去後は膀胱の感覚が鈍麻していることがあり、尿意を感じにくい場合がある。水分摂取を促すことで尿量を増やし、自然な排尿反射を誘発する。すぐに再挿入するのではなく、まずは自然排尿を促す対応が優先される。
同じテーマの次の問題経尿道的前立腺切除術(TUR-P)後の患者に膀胱洗浄を実施する際の観察項目で最も重要なのはどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、膀胱留置カテーテル (Indwelling Urinary Catheter) 抜去後の排尿ケア、特に「初回の自然排尿が確認できない」場合の看護介入の優先順位を問うています。カテーテル留置中は膀胱が持続的に空虚な状態が続くため、抜去後は膀胱粘膜の刺激や伸展感覚(尿意)が一時的に鈍麻(しびれや感覚低下)していることが少なくありません。そのため、患者は尿が溜まっていても尿意を感じにくい状態にあります。 1. 核心概念の分析 (Key Concept): この問題のテーマは「カテーテル抜去後の排尿再開促進」です。カテーテル留置により膀胱の神経受容体(伸展受容器)が刺激に慣れてしまい、尿意の自覚が遅れる 膀胱感覚鈍麻 (Bladder Desensitization) という病態が背景にあります。単に排尿がないからといって、すぐに再挿入するのではなく、まずは自然排尿を促す非侵襲的な介入が優先されます。 2. 正解の根拠 (Answer Rationale): 最重要! 正解は「⑤ 水分摂取を促す」です。十分な水分摂取(1回あたり200ml程度、1日1500~2000mlを目安)により尿量が増加し、膀胱が伸展されると、膀胱壁の伸展受容器が刺激されて尿意が生じやすくなります。これにより、自然な排尿反射(排尿筋収縮 + 尿道括約筋弛緩)が誘発され、排尿が再開される可能性が高まります。 3. 誤答の分析 (Distractor Analysis): - ①番(利尿薬を内服させる): 混同注意! 利尿薬は体内の余分な水分を排出させる薬剤ですが、尿意の有無とは無関係に強制的に尿を産生します。膀胱が感覚鈍麻の状態では、尿が溜まっても尿意を感じず、逆に膀胱過伸展(尿閉のリスク)を引き起こす可能性があります。また、薬剤投与は医師の指示が必要で、看護師が単独で内服させることはできません。 - ②番(排尿を我慢するように指示する): これは逆効果です。膀胱に尿を溜めることは排尿反射を促す理論上は有効に思えますが、患者はすでに尿意を感じていないため「我慢」という指示が成立しにくく、膀胱過伸展や尿路感染のリスクを高めます。自然排尿を促すためには、適度なタイミングで排尿を試みることが重要です。 - ③番(下腹部を冷やす): 下腹部を冷やすと、筋肉や神経が収縮し、膀胱の緊張が高まって排尿がかえって困難になります。排尿を促したい場合は、逆に下腹部を温める(温罨法)や流水音を聞かせるなどの方法が有効です。 - ④番(すぐに再挿入を検討する): 再挿入は最終手段です。まずは自然排尿を促す看護介入(水分摂取、陰部洗浄、流水音、下腹部マッサージなど)を試み、それでも6~8時間以上排尿がない、膀胱の充満が触知できる(膀胱過伸展)、または患者が強い苦痛を訴える場合に医師に報告し、再挿入を含む指示を仰ぎます。 4. 関連概念の整理 (Related Concepts): カテーテル抜去後の排尿ケアでは、排尿促進のための看護介入(陰部洗浄、流水音、下腹部温罨法、足浴など)を組み合わせることが重要です。また、排尿日誌をつけることで、排尿パターンと残尿感を評価します。カテーテル抜去後24時間以内に自然排尿がなければ、膀胱超音波検査(残尿測定)や導尿による残尿量の確認が必要です。 概念整理: カテーテル抜去後は膀胱感覚が鈍麻(Bladder Desensitization)しているため、尿量増加による膀胱伸展(伸展受容器刺激)が尿意を引き起こす最も生理的な方法である。水分摂取はこのプロセスを促進する非侵襲的で安全な看護介入である。 一目で比較!:
介入効果根拠
水分摂取尿量増加 → 膀胱伸展 → 尿意促進生理学的に最も自然な方法(正解)
下腹部温罨法筋肉弛緩、血流改善 → 排尿反射促進冷やすのは逆効果
流水音条件反射による排尿促進音刺激による心理的効果
利尿薬強制的な尿産生(尿意とは無関係)膀胱過伸展のリスクあり(医師指示必須)
看護過程ポイント: - アセスメント: カテーテル留置期間、抜去前の排尿状態、水分摂取量、尿意の有無、下腹部の膨満・不快感、排尿日誌(最終排尿時間と量) - 看護診断 (Nursing Diagnosis): 「排尿困難 (Impaired Urinary Elimination)」または「尿閉リスク状態 (Risk for Urinary Retention)」 - 計画・実施: 水分摂取を促す(200ml/回、2時間おき)、排尿を促す環境整備(プライバシー確保、便座に座る)、陰部洗浄・流水音の活用、排尿試行の声かけ(2~3時間おき) - 評価: 6~8時間以内の自然排尿の有無、排尿後の残尿感・残尿量(膀胱超音波検査)、膀胱の触診による充満度 暗記のコツ: 「カテーテル抜去後の3つの促し:水分を促す(飲む)、排尿を促す(音・温める)、記録を促す(排尿日誌)」と覚えましょう!「促す」がキーワードです。 国試頻出ポイント: 膀胱留置カテーテルの管理は国試の頻出テーマです。特に「抜去後のケア」では、「まず水分摂取を促す」「すぐに再挿入しない」「膀胱の触診で充満を確認する」が正解のパターンとしてよく出題されます。また、カテーテル関連尿路感染(CAUTI)の予防と関連づけて、不必要な再挿入を避ける重要性も押さえておきましょう。 出題パターン注意!: 基礎的な知識問題として「カテーテル抜去後の排尿促進方法はどれか」が出題されるほか、状況設定問題(事例問題)として「抜去後8時間経過しても排尿がない患者への対応として適切なのはどれか。複数選択せよ」のような形でも出題される可能性があります。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド - 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 「Aさん、75歳女性。前立腺肥大症の術後で膀胱留置カテーテルを3日間留置していました。本日、カテーテルを抜去しました。看護師が2時間後に訪室すると、Aさんは『まだ尿が出ていない。でもお腹が張っている感じはしない』と話します。どのようにアセスメントし、対応すべきでしょうか?」 - 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 1. 観察: まず、Aさんの下腹部を触診します。膀胱が過伸展している(球形に触れる)かどうかを確認します。バイタルサインとともに、水分摂取状況(今日どれだけ飲んだか)を確認します。 2. アセスメント: カテーテル留置により膀胱感覚が鈍麻している可能性が高いです。尿が溜まっていても尿意を感じにくく、膀胱が過伸展する前に排尿を促す必要があります。 3. 報告 (SBAR): 「S(状況):Aさん、カテーテル抜去後2時間、まだ排尿がありません。B(背景):留置期間は3日間、抜去後も水分摂取は200ml程度と少なめです。A(アセスメント):膀胱感覚鈍麻による尿意消失の可能性が考えられます。R(推奨):水分摂取を促し、2時間おきに排尿を試みるよう声かけを継続します。もし6時間経過しても排尿がない、または膀胱の充満が強い場合はご報告します。」 4. 介入: Aさんにコップ1杯(200ml)の水を飲んでもらい、30分後にトイレへ誘導します。トイレでは流水音を流し、陰部を洗浄して排尿反射を促進します。 5. 評価: その後、Aさんは自然に排尿できました。排尿後、残尿感の有無を確認し、膀胱超音波で残尿量(正常は50ml未満)を測定しました。 - 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): 異常値・危険所見: 抜去後6~8時間経過しても排尿がない、膀胱の充満が強く触知される(過伸展膀胱)、患者が強い苦痛や腹痛を訴える場合、または排尿後の残尿量が100ml以上ある場合は、直ちに医師に報告し、間欠導尿や再挿入の指示を仰ぎます。膀胱過伸展は、膀胱壁の損傷や尿路感染のリスクを高めるため、絶対に放置してはいけません。 看護プロトコル: カテーテル抜去後は「排尿促進プロトコル」に基づき、①水分摂取(200ml/2時間)、②排尿トライアル(2~3時間おき)、③排尿日誌(時間・量・残尿感)、④膀胱触診(過伸展の有無)を最低6~8時間継続して観察します。 先輩看護師の一言: 「カテーテル抜去後の患者さんは、『尿意がない』と不安に思っていることが多いです。『膀胱が慣れていて感じにくいだけで、尿は溜まっているから大丈夫、ゆっくり水分を取って、時間をかけてトイレに行ってみましょう』と安心させてあげてください。焦らず、患者さんのペースに合わせて排尿を促すことが大切です!」

重要概念

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