肺胞低換気の患者で認められる動脈血ガス分析の所見はどれか。 | MyMerci
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呼吸機能の障害
問題

肺胞低換気の患者で認められる動脈血ガス分析の所見はどれか。

解説
肺胞低換気ではPaCO2が上昇し、それに伴いPaO2が低下する。PaCO2上昇によりpHは低下し呼吸性アシドーシスとなる。選択肢3はPaO2低下、PaCO2上昇、pH低下を示しており、肺胞低換気の所見に一致する。
同じテーマの次の問題呼吸機能の障害において、肺胞低換気の原因となる病態はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、肺胞低換気 (Alveolar Hypoventilation) の病態生理と動脈血ガス分析(ABG: Arterial Blood Gas)の変化を問うています。肺胞低換気とは、肺胞におけるガス交換が不十分な状態であり、二酸化炭素(CO2)の排泄障害と酸素(O2)の取り込み障害が同時に生じます。その結果、動脈血中では PaCO2の上昇(高炭酸ガス血症)PaO2の低下(低酸素血症) が認められ、さらにPaCO2上昇に伴い血液のpHは酸性側に傾き、呼吸性アシドーシス (Respiratory Acidosis) を呈します。 1. 核心概念の分析 (Key Concept): 肺胞低換気の本質は「換気量の絶対的不足」です。正常な肺では、肺胞換気量が適切に保たれることで、CO2が効率よく排出され、O2が血液中に取り込まれます。しかし、呼吸中枢の抑制(薬物、中枢神経疾患)、呼吸筋の弱化(筋萎縮性側索硬化症、ギラン・バレー症候群)、気道閉塞(COPD重症化)、胸郭の変形などにより換気量が低下すると、PaCO2は上昇し、PaO2は低下します。 2. 正解の根拠 (Answer Rationale): 正解は①番です。①番の血液ガスデータは PaO2 50mmHg(正常80-100mmHg)PaCO2 60mmHg(正常35-45mmHg)pH 7.30(正常7.35-7.45) を示しています。これは典型的な 最重要! 肺胞低換気による呼吸性アシドーシスの所見です。PaCO2の上昇がpH低下(アシドーシス)の原因であり、同時に低酸素血症も認められます。 3. 誤答の分析 (Distractor Analysis): 混同注意! - ②番は PaCO2 30mmHg(低下)pH 7.50(アルカローシス) であり、呼吸性アルカローシス (Respiratory Alkalosis) を示します。これは過換気症候群などで見られるパターンです。 - ③番は PaCO2 40mmHg(正常)pH 7.38(正常) で、正常範囲内です。 - ④番は PaCO2 45mmHg(境界域)、pH 7.35(軽度アシドーシス傾向)ですが、PaCO2上昇は軽度であり、典型的な肺胞低換気とは言えません。 - ⑤番はすべて正常範囲内です。 4. 関連概念の整理 (Related Concepts): 肺胞低換気と鑑別すべき病態として、シャント (Shunt)換気血流比不均等 (V/Q Mismatch) があります。これらは主に低酸素血症を引き起こしますが、PaCO2は正常または低下する傾向があります(代償性過換気が生じるため)。肺胞低換気の特徴は「低酸素血症 + 高二酸化炭素血症」である点を必ず覚えておきましょう。
概念整理: 肺胞低換気換気量低下 → PaCO2上昇 + PaO2低下 → 呼吸性アシドーシス(pH低下)
一目で比較!:
病態PaO2PaCO2pH代表的疾患
肺胞低換気低下上昇低下(呼吸性アシドーシス)COPD急性増悪、薬物過量、呼吸筋麻痺
過換気正常~上昇低下上昇(呼吸性アルカローシス)過換気症候群、不安発作
シャント低下正常~低下正常~低下(代償性)無気肺、肺水腫

看護過程ポイント: - アセスメント: 呼吸数・呼吸パターン(浅く速い呼吸か、遅く浅い呼吸か)、チアノーゼ、意識レベル(CO2ナルコーシスのリスク)、SpO2モニタリング。 - 看護診断: 「非効果的呼吸パターン (Ineffective Breathing Pattern)」または「ガス交換障害 (Impaired Gas Exchange)」。 - 看護介入: 酸素療法(低流量から開始し、CO2ナルコーシスを予防)、体位管理(ファウラー位、セミファウラー位)、呼吸理学療法、必要時NPPV(非侵襲的陽圧換気)の準備。
暗記のコツ: 「肺胞低換気 = PaCO2↑、PaO2↓、pH↓」をセットで覚えましょう。「CO2は上がり、O2は下がり、血は酸性」とリズムで唱えると記憶に残りやすいです。
国試頻出ポイント: 動脈血ガス分析の解釈は毎年出題されます。正常値(PaO2 80-100, PaCO2 35-45, pH 7.35-7.45)は絶対暗記。異常値を与えられて「呼吸性アシドーシスか、代謝性アシドーシスか」を問う問題が頻出です。
出題パターン注意!: 「COPD患者の意識レベル低下(CO2ナルコーシス)時の血液ガスデータを選べ」や「鎮静薬過量投与患者の血液ガスデータを選べ」といった事例問題に発展します。単なる数値暗記だけでなく、病態と結びつけて考えられるようにしておきましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド - 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 70代男性、COPD(慢性閉塞性肺疾患)で入院中。夜間に鎮静薬が投与された後、呼吸数が12回/分と減少し、SpO2が88%に低下。意識レベルもJCS I-2とやや低下しています。医師から動脈血ガス分析の指示が出ました。結果は PaO2 55mmHg, PaCO2 65mmHg, pH 7.28 でした。あなたはこのデータをどのように解釈し、どのような看護介入を優先しますか? - 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 最重要! まず、患者の意識レベルを評価し、CO2ナルコーシス(二酸化炭素蓄積による意識障害)の進行を警戒します。血液ガスデータから肺胞低換気と呼吸性アシドーシスと判断し、酸素投与は低流量(1-2L/分、鼻カニューラ) で開始します。高流量酸素は低酸素ドライブを抑制し、さらに換気を悪化させる危険があります(禁忌!)。直ちに医師へSBARで報告します(S: SpO2低下、意識低下。B: COPD、鎮静薬使用後。A: 肺胞低換気による呼吸性アシドーシス。R: 酸素療法の指示とNPPV導入の検討)。同時に、半座位を保持し、呼吸状態(呼吸数、胸郭の動き、補助呼吸筋の使用)を継続観察します。 - 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): 混同注意! COPD患者への酸素療法は「低流量から開始」が鉄則です。また、鎮静薬は呼吸抑制を増強させるため、使用後のモニタリングは必須です。意識レベル、呼吸パターン、SpO2の経時的変化を必ず記録し、異常時は迅速に報告します。
看護プロトコル: - 観察項目: 呼吸数(12回/分以下は要注意)、SpO2(目標90%以上)、意識レベル(JCS、GCS)、血圧・脈拍、チアノーゼ、発汗の有無。 - 報告基準(SBAR): SpO2が持続的に90%未満、呼吸数が8回/分以下、意識レベルがさらに低下した場合。 - 記録のポイント: 血液ガス分析の結果(数値)、実施した酸素流量、患者の反応(意識、呼吸状態の変化)。
先輩看護師の一言: 「血液ガスはただの数字じゃありません!患者さんの『今の肺の状態』が数字になって現れているんです。特にCO2が上がると、患者さんは眠くなり、さらに呼吸が減って悪循環に陥ります。『いつもより眠そうだな』という違和感が、命を救う第一歩です。国試では正常値と異常値のパターンを覚え、現場で『このデータなら低流量酸素だ』と判断できるようにしましょう!」

重要概念

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