核心解説
この問題は、
疾病の原因分類 (Causes of Disease) の基本である「外因 (Extrinsic Factors)」と「内因 (Intrinsic Factors)」の区別を問うています。疾病の成り立ちを理解するための最も基礎的な概念であり、病態生理や看護介入の優先順位を考える土台となります。外因は、個体の外部から作用して疾病を引き起こす要因であり、感染症の原因となる
病原体 (Pathogen) や、外傷の原因となる物理的刺激、化学物質、栄養の過不足などが該当します。一方、内因は個体自身の内部に存在する要因であり、遺伝子の異常、免疫機能の異常、内分泌の異常、体質などが含まれます。
正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は③番の
感染症 (Infection)です。感染症は、細菌、ウイルス、真菌などの
病原体 (Pathogen)が外部から体内に侵入・増殖することで発症します。この病原体は個体外部からの作用因子であるため、明らかに外因に分類されます。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①番の免疫異常、②番の内分泌異常、④番の体質、⑤番の遺伝子の異常は、すべて個体の内部要因に基づくため、内因に分類されます。
①
免疫異常 (Immune Disorder): 自己免疫疾患などは、個体自身の免疫システムの誤作動によるもので、内因です。
②
内分泌異常 (Endocrine Disorder): ホルモンの過剰分泌や低下は、内分泌腺自体の機能異常によるもので、内因です。
④
体質 (Constitution): アレルギー体質など、個人に固有の身体的特徴や反応性であり、内因です。
⑤
遺伝子の異常 (Genetic Abnormality): 染色体や遺伝子の変化は、個体の細胞に内在する情報の異常であり、内因です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
疾病の原因は、外因と内因に二分されるだけでなく、両者が複合的に関与する場合が多いことも重要です。例えば、高血圧症は、食塩の過剰摂取(外因)と遺伝的素因(内因)が相互に影響して発症します。また、感染症であっても、栄養状態の低下(内因)が重症化に影響するなど、看護アセスメントでは外因と内因の両面から患者を捉える視点が求められます。
概念整理: 疾病の原因は「外因(個体外部)」と「内因(個体内部)」に大別される。外因の代表例は感染症(病原体)、物理的・化学的刺激、栄養障害。内因の代表例は遺伝子異常、免疫異常、内分泌異常、体質。
一目で比較!:
| 分類 | 定義 | 具体例 |
|---|
| 外因 (Extrinsic) | 個体外部から作用する要因 | 病原体、外傷、放射線、化学物質、栄養の過不足 |
| 内因 (Intrinsic) | 個体内部に存在する要因 | 遺伝子異常、免疫異常、内分泌異常、体質、老化 |
暗記のコツ: 「外」から「因」ってくるものが外因。イメージは「外から襲ってくる敵(病原体や外傷)」。「内」は「内側から湧き出るもの(遺伝や体質)」と覚えましょう。
国試頻出ポイント: この概念は、疾患の成り立ちの基礎として、さまざまな疾患の病因を問う問題の前提知識となります。「○○は外因か内因か」という単純な分類問題だけでなく、事例問題の中で「この患者の疾病の原因として考えられる外因は何か」と問われる形でも頻出です。