核心解説
この問題は、疾病の原因となる物質が「生体内で産生される異常物質(内因性)」か、それとも「外界から侵入する物質(外因性)」かを問うています。
最重要! 疾病の成り立ちを理解する上で、原因を内因と外因に分類する視点は非常に重要です。内因性の代表的なものとして、代謝異常による異常産生物、自己免疫反応、遺伝子異常などがあります。外因性には、物理的因子、化学的因子、生物的因子(細菌、ウイルス、真菌、毒素など)が含まれます。
正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は
① 尿酸結晶 です。尿酸結晶は、プリン体代謝の最終産物である尿酸が、体内で過剰に産生されたり、排泄が低下したりすることで、関節などに析出・沈着したものです。これは生体内の代謝プロセスに異常が生じて産生されるため、
内因性の異常物質に分類されます。これが関節内で炎症を引き起こす疾患が
痛風 (Gout) です。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ② カドミウム、③ ヒ素、④ 水銀、⑤ アフラトキシンは、いずれも体内で産生されるものではなく、環境や食品などを介して外部から体内に取り込まれる
外因性の有害物質 です。これらを原因とする疾患は、職業性疾患や食中毒、環境汚染による健康被害として捉えられます。
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② カドミウム (Cadmium): イタイイタイ病の原因となる重金属。
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③ ヒ素 (Arsenic): 慢性中毒で皮膚角化や末梢神経障害を引き起こす重金属。
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④ 水銀 (Mercury): 有機水銀は水俣病の原因物質。
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⑤ アフラトキシン (Aflatoxin): カビ(真菌)の産生する毒素で、肝臓がんの原因となる発がん物質。
関連概念の整理 (Related Concepts)
疾病の原因分類は、看護アセスメントの出発点です。例えば、肝硬変の原因も、ウイルス性肝炎(外因性:生物的因子)とアルコール性肝障害(外因性:化学的因子)では、病態の進行や看護介入(生活指導、感染対策など)が異なります。また、
混同注意! 「内因性」と「先天性」は異なります。先天性は出生時から存在する形態・機能異常であり、遺伝子異常(内因性)だけでなく、胎内感染(外因性)も原因となり得ます。
概念整理:
疾病原因の分類
| 分類 | 定義 | 代表例 |
| 内因性因子 | 生体内で生じる異常 | 尿酸結晶(痛風)、遺伝子異常、ホルモン異常、自己抗体 |
| 外因性因子 | 外界からの作用 | 物理的因子(外傷、放射線)、化学的因子(薬物、毒物、環境汚染物質)、生物的因子(細菌、ウイルス、真菌) |
国試頻出ポイント: この問題は、疾病の原因を「内因性」と「外因性」に分類できるかを問う典型的な問題です。痛風の原因物質である尿酸結晶が内因性であることは頻出事項です。また、各外因性物質とそれに起因する代表的な疾患名(イタイイタイ病、水俣病、アフラトキシンと肝がん)のセットで覚えておきましょう。
暗記のコツ: 「
内」は「体内」の「内」。「痛風の尿酸結晶は、自分の体の中で作られた『内なる敵』」とイメージすると覚えやすいでしょう。一方、カドミウム、ヒ素、水銀、アフラトキシンは「
外」からやってくる「外なる敵」です。「外なる敵」は、それぞれが「公害(カドミウム、水銀)」「毒(ヒ素)」「カビ(アフラトキシン)」という具体的なイメージで紐づけて覚えましょう。
出題パターン注意!: 単純な分類問題だけでなく、「痛風患者の生活指導として正しいのはどれか?(プリン体を多く含む食品の制限など)」といった応用問題や、「痛風発作時の看護(安静・冷却・除痛)」と結びつけた事例問題にも発展します。