自然免疫と獲得免疫の両方に関与し、抗原提示細胞としても働く細胞はどれか。 | MyMerci
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生体の防御機構
問題

自然免疫と獲得免疫の両方に関与し、抗原提示細胞としても働く細胞はどれか。

解説
マクロファージは自然免疫において食作用を担う一方、貪食した抗原を分解し、MHCクラスII分子に提示してT細胞に情報を伝達する抗原提示細胞としても機能する。これにより自然免疫と獲得免疫を橋渡しする。形質細胞は抗体産生、細胞傷害性T細胞はウイルス感染細胞の傷害を担う。
同じテーマの次の問題非特異的生体防御機構に含まれないものはどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、免疫系 (Immune System) における主要な細胞の機能と役割分担を問うています。特に、自然免疫 (Innate Immunity)獲得免疫 (Adaptive Immunity) の橋渡し役を担う細胞を理解することが鍵となります。

正解の根拠 (Answer Rationale):
最重要! マクロファージ (Macrophage) は、自然免疫において 貪食作用 (Phagocytosis) により病原体を直接処理する最前線の細胞です。さらに、貪食した抗原を細胞内で分解し、その断片を MHCクラスII分子 (MHC Class II Molecule) に結合させて細胞表面に提示します。これを 抗原提示 (Antigen Presentation) といい、この情報を受け取った ヘルパーT細胞 (Helper T Cell) が活性化され、獲得免疫が始動します。つまり、マクロファージは自然免疫と獲得免疫の両方に関与し、両者を結びつける「架け橋」として極めて重要な役割を担っています。

誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意!好中球 (Neutrophil) は貪食能に優れた自然免疫の主力細胞ですが、抗原提示能はほとんど持たず、獲得免疫には直接関与しません。
形質細胞 (Plasma Cell) は、活性化されたB細胞が分化した細胞で、特異的な 抗体 (Antibody) を大量に産生する獲得免疫のエフェクター細胞です。抗原提示能はありません。
好塩基球 (Basophil) は、アレルギー反応や寄生虫感染に関与する自然免疫細胞で、抗原提示能はありません。
細胞傷害性T細胞 (Cytotoxic T Cell) は、ウイルス感染細胞や腫瘍細胞を直接傷害する獲得免疫のエフェクター細胞です。抗原提示は受けても、自らが抗原提示することはありません。

関連概念の整理 (Related Concepts):
免疫系の細胞を理解する上で、「自然免疫 vs 獲得免疫」「食細胞 vs リンパ球」「抗原提示細胞 (APC) の種類」の3軸で整理すると効果的です。代表的な 抗原提示細胞 (Antigen-Presenting Cell, APC) は、樹状細胞 (Dendritic Cell)マクロファージB細胞 (B Cell) の3つです。樹状細胞は最も強力なAPCであり、特に獲得免疫の誘導に重要です。

概念整理: 免疫細胞の機能分類
細胞主な働き自然免疫獲得免疫抗原提示能
マクロファージ貪食・殺菌・抗原提示・サイトカイン産生〇(橋渡し)
好中球貪食・殺菌(自然免疫の主力)××
樹状細胞抗原提示(最も強力)〇(橋渡し)〇(最強)
B細胞抗体産生(形質細胞へ分化)×〇(弱い)
細胞傷害性T細胞感染細胞・腫瘍細胞の傷害××
形質細胞抗体大量産生××
好塩基球アレルギー・炎症反応××


一目で比較!: 食細胞の比較
- 好中球 (Neutrophil): 数が多く、急性炎症の初期に動員される「最前線の戦闘員」。貪食後、自らも死滅し膿 (Pus) の主成分となる。抗原提示は行わない。
- マクロファージ (Macrophage): 組織に常在する「司令塔兼掃除屋」。貪食能に加え、抗原提示を行い獲得免疫を活性化する。慢性炎症の場面でも重要。
- 樹状細胞 (Dendritic Cell): 組織で抗原を取り込み、リンパ節に移動してT細胞に抗原提示を行う「プロフェッショナルな情報提供者」。獲得免疫の開始に最も重要。

看護過程ポイント: 免疫不全状態の患者(化学療法中、HIV感染症、ステロイド長期投与など)では、マクロファージや好中球の機能低下が感染リスクを著しく高めます。看護師は 易感染性 (Immunocompromised State) をアセスメントし、発熱 (Fever)、咳嗽 (Cough)、創部の発赤・腫脹 などの微細な感染兆候を見逃さない観察が求められます。特に、好中球減少時は発熱が唯一の徴候となることもあり、最重要! 好中球数 < 500/μL の場合は 無菌室管理 (Protective Isolation) が必要です。

暗記のコツ: マクロファージ(Macrophage) = 「大きい (Macro) + 食べる (Phage)」。大きな貪食細胞で、食べた抗原の情報をT細胞に「提示(見せる)」ことで免疫システム全体を指揮する「現場監督」とイメージしましょう。
また、抗原提示細胞 (APC)「Mのつく細胞」 と覚えましょう。すなわち、Macrophage, Myeloid系の Dendritic Cell(Dはミスリーディング?いえ、**D**は単球が分化したものでM系統とも言えます)、そしてリンパ球の B Cell(Bは骨髄 Bone marrow由来)。「MとBでAPC」と覚えると試験で即答できます。

国試頻出ポイント: この問題は「免疫に関与する細胞」の基本的な知識を問うもので、最重要! 国試では頻出のテーマです。単に細胞名と機能を暗記するだけでなく、「どの免疫反応(自然/獲得)に働くか」「抗原提示能があるか」を軸に整理しておけば、類似問題に確実に対応できます。また、混同注意! マクロファージと樹状細胞は共にAPCですが、樹状細胞の方が抗原提示能に特化している点を押さえておきましょう。

出題パターン注意!: 単純な知識問題(この問題形式)から、事例問題へ発展します。例:「化学療法中で好中球減少のある患者に発熱がみられた。感染源を特定するために、医師の指示で血液培養を2セット採取した。この患者の感染防御において、現在最も低下していると考えられる免疫機能はどれか。(答え:自然免疫・好中球の貪食能)」のように、病態と結びつけて問われるため、各細胞の機能を臨床像と関連付けて覚えましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario):
60代男性、急性骨髄性白血病 (Acute Myeloid Leukemia, AML) に対する地固め化学療法後、好中球数 100/μL の状態で無菌室管理となっています。日勤帯のバイタルサイン測定時、体温 38.5℃ を確認。患者は「少し寒気がする」と訴えています。看護師として、この患者の免疫状態をどのようにアセスメントし、対応すべきでしょうか?

看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):
1. 観察 (Assessment): まず、バイタルサイン (Vital Signs)(特に体温、血圧、心拍数、呼吸数、SpO2)を測定。発熱のパターンと随伴症状(悪寒、戦慄、咳嗽、口腔内潰瘍、下痢、皮膚の発赤・腫脹など)を観察。この患者の 易感染性 (Immunocompromised State) を考慮し、最重要! 発熱は 感染徴候 (Signs of Infection) として最優先でアセスメントする。 2. 報告 (Report - SBAR):
- S (状況): 「AML地固め療法後、好中球100/μLのA氏。体温38.5℃、悪寒あり。」 - B (背景): 「好中球減少状態であり、易感染性が高い。」 - A (アセスメント): 「発熱性好中球減少症 (Febrile Neutropenia) の可能性が高いと考えます。緊急の血液培養と経験的抗菌薬投与が必要と判断します。」 - R (提案): 「直ちに医師に報告し、血液培養2セット採取と、抗菌薬投与の指示を仰ぎます。また、必要に応じて胸部X線、尿培養の指示も考慮してください。」 3. 介入 (Intervention):
- 直ちに医師へ報告。血液培養 (Blood Culture) を、異なる部位から2セット採取(カテーテルがある場合は、末梢とカテーテルから各1セット)。
- 指示に基づき、経験的抗菌薬 (Empiric Antibiotics) を速やかに投与。 抗菌薬投与は、血液培養採取後1時間以内 が推奨されています。
- 解熱処置として、アセトアミノフェンの投与(医師の指示の範囲内で)。冷却ブランケットや氷枕は、患者の負担になる場合があるため、状況に応じて慎重に検討。
- 輸液療法 (Fluid Therapy) で脱水予防。
- 口腔ケア、皮膚清潔の徹底。無菌操作の厳守。 4. 評価 (Evaluation): 抗菌薬投与後の体温経過、培養結果、全身状態の改善度を評価。

患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions):
- 最重要! 発熱性好中球減少症 (Febrile Neutropenia) は、好中球数 < 500/μL かつ 体温 ≥ 38.3℃ と定義され、致死的な感染症(敗血症性ショック)に急速に進行する可能性がある 救急状態 (Emergency) です。
- 感染対策 (Infection Control): 無菌室では、面会制限、手指衛生の徹底、清潔な環境維持、生もの(野菜、果物、生花)の持ち込み禁止。
- 医療安全 (Patient Safety): 頻回な採血や血管確保に伴う感染リスク、カテーテル関連血流感染 (CLABSI) 予防に努める。

看護プロトコル: 発熱性好中球減少症 (Febrile Neutropenia) 対応プロトコル
1. 観察: 体温、バイタルサイン、感染源の特定(血液培養×2セット、尿培養、喀痰培養、画像検査)
2. 報告: 直ちに医師に報告。基準は「好中球減少 + 発熱」
3. 介入: 血液培養採取後1時間以内に抗菌薬投与開始。輸液、解熱剤。
4. 記録: 発熱出現時刻、悪寒の有無、採取した検体の種類と時刻、抗菌薬の投与開始時刻と種類、患者の反応。
5. 家族説明: 「現在、白血球(特に好中球)が非常に少なく、感染しやすい状態です。熱が出た場合、すぐに処置が必要なため、看護師が頻回に観察に入ること、面会制限の徹底についてご理解ください。」

先輩看護師の一言: 「免疫の知識は、臨床で患者さんの状態をアセスメントするための武器です!例えば、好中球が減っている患者さんが熱を出したら、『これは自然免疫の最前線が機能していないんだな』とすぐにアセスメントできる。そして、血液培養を取って抗菌薬を急ぐ。この一連の流れを、『好中球→貪食→自然免疫→発熱』という病態の流れで理解していると、単なる作業ではなく、意味のある看護実践になります。国試の問題も、患者さんの『なぜ』を考えながら解くと、自然と正解にたどり着けるようになりますよ!」

重要概念

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