核心解説
この問題は、
血小板 (Platelet / Thrombocyte) の主な生理的機能を問う、血液学の基礎的な問題です。血小板は、骨髄の巨核球から産生される直径2~4μmの細胞片であり、
血管損傷時の一次止血 (Primary Hemostasis) および血液凝固 (Coagulation) において中心的役割を担います。具体的には、損傷した血管内皮に露出したコラーゲンに粘着(アドヒージョン)、活性化されて凝集(アグリゲーション)し、血小板血栓(白色血栓)を形成します。さらに、血小板は凝固因子を放出・活性化してフィブリン血栓の形成を促進します。
正解の根拠 (Answer Rationale):
最重要! 血小板の本質的な機能は、出血を止めるための
血液凝固と止血 (Blood Coagulation and Hemostasis) です。選択肢4が正解です。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意!
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①番:免疫グロブリンの産生 → これは
形質細胞 (Plasma Cell)(Bリンパ球が分化したもの)の役割です。免疫機能と止血機能を混同しないようにしましょう。
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②番:血漿浸透圧の維持 → これは主に
アルブミン (Albumin) の機能です。血漿タンパク質の約60%を占め、膠質浸透圧を維持しています。
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③番:酸素の運搬 → これは
赤血球 (Red Blood Cell / Erythrocyte) 内の
ヘモグロビン (Hemoglobin) の機能です。貧血と血小板減少症は全く別の病態です。
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⑤番:アンモニアの解毒 → これは
肝臓 (Liver) の
尿素回路 (Urea Cycle) における重要な代謝機能です。肝不全で高アンモニア血症が生じます。
関連概念の整理 (Related Concepts): 血小板減少症(
Thrombocytopenia)では出血傾向が、血小板増多症(
Thrombocytosis)では血栓症のリスクが高まります。血小板数は通常
15万~40万/μL であり、
5万/μL未満 で自然出血リスクが、
2万/μL未満 で重篤な出血リスクが高まります。
概念整理: 血液の細胞成分と主な機能
| 細胞成分 | 主な機能 | 関連疾患 |
| 赤血球 (RBC) | 酸素運搬 (ヘモグロビン) | 貧血 (Anemia) |
| 白血球 (WBC) | 免疫防御 (貪食・抗体産生) | 白血球減少症、白血病 |
| 血小板 (PLT) | 止血・凝固 (一次止血) | 血小板減少性紫斑病 (ITP) |
一目で比較!: 止血のメカニズム
| 段階 | 主な役割 | 関連細胞/因子 |
| 一次止血 | 血管収縮 + 血小板血栓形成 | 血小板、von Willebrand因子 (vWF) |
| 二次止血 | 血液凝固カスケード → フィブリン血栓 | 凝固因子 (I~XIII) |
看護過程ポイント: 血小板減少患者の観察では、
皮下出血斑 (紫斑)、歯肉出血、鼻出血、血尿、黒色便 (消化管出血) の有無を確認します。バイタルサイン変動、特に
起立性低血圧 (Orthostatic Hypotension) にも注意が必要です。
暗記のコツ: 「血小板は『血』を『小』さく『板』のように固める」と覚えましょう。酸素運搬の「赤血球」、免疫の「白血球」、止血の「血小板」と、三つの血球の機能をセットで暗記すると効率的です。
国試頻出ポイント: 血液検査データの解釈問題や、各血球の機能を問う基本的な知識問題として頻出です。ITPやDICなど血小板減少を来す疾患との関連も合わせて学習しておきましょう。
出題パターン注意!: 「血小板減少症の患者で観察すべき出血症状は?」という具体的な状況設定問題や、「血小板輸血の適応となる血小板数は?」といった数値問題に発展します。