筋紡錘とゴルジ腱器官に関する記述で正しいものはどれか。 | MyMerci
MyMerci — 問題も詳しい解説もすべて無料 無料で始める
運動系
問題

筋紡錘とゴルジ腱器官に関する記述で正しいものはどれか。

解説
筋紡錘は骨格筋の筋腹に存在する感覚受容器で、筋の長さとその変化速度を感知する。筋が伸張されると筋紡錘が興奮し、その信号が脊髄を経由して同じ筋のα運動ニューロンを興奮させることで、筋が反射的に収縮する(伸張反射)。一方、ゴルジ腱器官は筋と腱の接合部に存在し、筋の張力を感知する。ゴルジ腱器官からの信号はα運動ニューロンを抑制的に調節し、過度な張力から筋を保護する。
同じテーマの次の問題骨格筋の構造において、筋原線維を構成する最小の収縮単位はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、筋紡錘 (Muscle Spindle)ゴルジ腱器官 (Golgi Tendon Organ, GTO) という2つの主要な筋感覚受容器の機能と局在の違いを問うています。どちらも身体の位置覚や運動制御に関わる重要な感覚器であり、特に 伸張反射 (Stretch Reflex)相反抑制 (Reciprocal Inhibition) を理解する上で不可欠な概念です。これらの受容器の正確な役割と反射回路を区別できるかが鍵となります。 正解の根拠 (Answer Rationale) 正解は①番です。
最重要! 筋紡錘 (Muscle Spindle) は骨格筋の筋腹内、つまり筋線維の間に並行して存在する感覚受容器です。主に 筋の長さ (Muscle Length) とその変化速度 (Velocity) を感知します。筋が他動的に伸張されると、筋紡錘内の 錘内筋線維 (Intrafusal Muscle Fiber) も引き伸ばされ、これが求心性神経(Ia群線維)を興奮させます。この信号は脊髄後根から入り、単シナプスで同じ筋の α運動ニューロン (Alpha Motor Neuron) を興奮させ、筋を収縮させます。これが 伸張反射 (Stretch Reflex / Deep Tendon Reflex) のメカニズムであり、臨床で行う 膝蓋腱反射 (Patellar Tendon Reflex) などの深部腱反射の受容器となります。 誤答の分析 (Distractor Analysis) ①番:正解の選択肢です。前述の通り、筋紡錘は伸張反射の受容器として機能します。
②番:混同注意! 筋紡錘とゴルジ腱器官はどちらも 深部感覚受容器 (Proprioceptor) であり、皮膚の表層(表在感覚)に位置するわけではありません。皮膚の表層には、触覚や痛覚、温度覚を司る受容器(メルケル細胞、パチニ小体など)が存在します。
③番:筋紡錘は「腱」ではなく「筋腹(筋線維の中)」に存在します。腱に存在し、筋の張力を感知するのは ゴルジ腱器官 です。この2つの局在を混同しないようにしましょう。
④番:ゴルジ腱器官は筋と腱の接合部(筋腱移行部)に存在し、筋の張力 (Muscle Tension) を感知します。筋の長さの変化を感知するのは筋紡錘の役割です。
⑤番:ゴルジ腱器官からの求心性信号(Ib群線維)は、脊髄内で介在ニューロンを介して、同じ筋の α運動ニューロンを抑制 します。これにより過度な筋収縮から筋や腱を保護する機構を 相反抑制の一種 (Autogenic Inhibition) と呼びます。興奮させるのは筋紡錘の経路です。 関連概念の整理 (Related Concepts) - 筋紡錘: 筋長の変化を感知 → Ia群線維 → α運動ニューロン興奮 → 伸張反射。 - ゴルジ腱器官: 筋張力の増大を感知 → Ib群線維 → α運動ニューロン抑制 → 自己抑制反射。 - 混同注意! 相反抑制 (Reciprocal Inhibition) には、伸張反射時に拮抗筋を抑制するものと、ゴルジ腱器官を介する自己抑制の2種類があります。どちらも脊髄レベルの反射ですが、受容器と回路が異なります。 概念整理:
項目筋紡錘 (Muscle Spindle)ゴルジ腱器官 (GTO)
局在筋腹(筋線維内)筋腱移行部
感知する刺激筋の長さとその変化速度筋の張力(収縮力)
求心性神経Ia群線維(速い)Ib群線維(やや遅い)
反射効果同じ筋のα運動ニューロンを興奮させる同じ筋のα運動ニューロンを抑制させる
生理的意義筋の長さを一定に保ち、姿勢維持や随意運動の調節過度な筋張力から筋や腱を保護する
一目で比較!:
紡錘」は「糸巻き」のような形で「長さ」を測るイメージ → 筋長感知
ゴルジ」は人名で「」の近くにあり「張力」を監視する → 筋張力感知看護過程ポイント:
これらの反射は、神経学的アセスメント(特に深部腱反射の評価)や、痙縮 (Spasticity)固縮 (Rigidity) などの上位運動ニューロン障害の鑑別に重要です。リハビリテーション看護においても、筋緊張の亢進を緩和するストレッチやポジショニングの理論的根拠となります。 暗記のコツ:
筋紡錘」は「(身長)を測る」と覚える → 筋の長さ。
ゴルジ腱器官」は「ゴル(ゴリラの力)(強い)」と覚える → 筋の張力(力)。ゴルジ腱器官は「保護」の反射なので、力を弱める方向に働く。 国試頻出ポイント:
「筋紡錘」と「ゴルジ腱器官」の局在と機能の対比は、国試で非常に頻出のテーマです。選択肢で「筋紡錘は腱にある」「ゴルジ腱器官は筋線維内にある」といった逆の記述がよく出題されます。また、伸張反射と相反抑制のどちらの反射経路かを問う問題もよく見られます。 出題パターン注意!:
単純知識問題としてだけでなく、「痙縮 (Spasticity)」や「腱反射亢進 (Hyperreflexia)」といった症状を呈する疾患(例:脳血管障害 (CVA))の事例問題に絡めて出題されることがあります。その際、どの受容器の異常が原因なのかを問う形式に注意しましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario):
70歳代の男性。右片麻痺(脳梗塞後遺症)があり、左上下肢に強い 痙縮 (Spasticity) がみられます。理学療法士が左膝関節を他動的に伸展しようとすると、強い抵抗感があり、筋の伸張反射が亢進しているのがわかります。看護師がベッド上でのポジショニングを工夫する際に、この反射のメカニズムを理解しておくことが重要です。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):
この患者の場合、上位運動ニューロン障害により、脊髄レベルの伸張反射が抑制されずに亢進しています。つまり、筋紡錘 (Muscle Spindle) からの求心性信号に対するα運動ニューロンの興奮が過剰な状態です。
- 観察: 関節を動かす際の抵抗感の程度、筋肉の硬さ(Modified Ashworth Scaleなど)、疼痛の有無、皮膚の状態。
- アセスメント: 伸張反射の亢進が痙縮の主因であり、急な動きや不快な刺激が反射を強める可能性がある。
- 介入: 最重要! 関節可動域訓練やポジショニングは、ゆっくりと優しく行う(ゆっくり動かすと筋紡錘の速度感受性が反応しにくいため)。また、関節を長時間同じ角度で固定せず、適度にポジションを変えることで筋紡錘の感受性をリセットする。冷罨法や温罨法も痙縮軽減に効果的です。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions):
急な伸展は筋紡錘を強く刺激し、反射性の強い筋収縮を誘発します。これは 関節損傷や腱断裂 のリスクを高めるため禁忌です。また、過度な筋緊張持続は筋の酸素需要を増大させ、疼痛や疲労の原因となります。患者さんの表情や疼痛のサイン(顔をしかめる、声を上げるなど)を見逃さないように観察しましょう。 看護プロトコル:
観察項目: 筋緊張(痙縮の程度)、関節可動域、疼痛、皮膚の温感・発汗。
報告基準 (SBAR): 「S(状況):患者さんの左膝の痙縮が強く、他動的伸展が困難です。B(背景):脳梗塞後遺症で上位運動ニューロン障害があります。A(アセスメント):伸張反射の亢進が原因と考えられます。R(提案):理学療法士へのコンサルトと、鎮痙薬の処方検討をお願いします。」
記録のポイント: 痙縮の程度(例:MAS グレード2)、介入前後の関節可動域、疼痛スケール、患者の反応。 先輩看護師の一言:
「『動かすと硬い』と感じたら、まずはゆっくり!筋紡錘は“急な変化”に敏感に反応するセンサーです。ゆっくりと優しく動かすことで、反射が誘発されにくくなります。そして、ゴルジ腱器官は“強い張力”を感知すると、逆に筋を弛めようと働きます。この性質を利用して、関節を最終可動域で少し保持することで、かえって緊張が緩むこともありますよ。現場では、この2つの反射の性質を使い分けるんです!」

重要概念

人体の構造と機能 491 問 · ログイン不要

MyMerciで看護師国家試験を完全対策

過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。

無料で始める

学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。