核心解説
この問題は、
骨格筋 (Skeletal Muscle) の微細構造と、
筋収縮 (Muscle Contraction) の基本単位を理解しているかを問うています。骨格筋は、筋外膜 → 筋周膜 → 筋内膜といった結合組織に包まれた筋線維(筋細胞)の集まりであり、その細胞内には多数の
筋原線維 (Myofibril) が存在します。そして、この筋原線維を構成する最小の収縮単位が
筋節(サルコメア、Sarcomere)です。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 筋節(サルコメア)は、Z線 (Z-line) から次のZ線までの領域を指し、
アクチンフィラメント (Actin Filament) と
ミオシンフィラメント (Myosin Filament) が規則正しく配列しています。神経からの刺激により、このフィラメントが滑り合うことで筋全体が収縮します。したがって、筋収縮の最小機能単位は「筋節」です。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! 選択肢①~④はすべて、筋組織を保護・結束する結合組織(膜)の名称です。
- ②番の
筋線維 (Muscle Fiber):これは筋細胞そのものであり、多数の筋原線維を含んでいますが、「最小の収縮単位」ではありません。
- ③番の
筋内膜 (Endomysium):個々の筋線維を包む薄い結合組織です。
- ①番の
筋周膜 (Perimysium):筋線維の束(筋束)を包む結合組織です。
- ④番の
筋外膜 (Epimysium):筋肉全体を包む強靭な結合組織の被膜です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
骨格筋の構造は階層的であり、覚える順序が重要です。筋外膜(筋肉全体) → 筋周膜(筋束) → 筋内膜(筋線維) → 筋原線維 → 筋節(サルコメア) → アクチン・ミオシンフィラメント。この階層をイメージしながら覚えると、解剖学の理解が深まります。また、
横行小管 (T-tubule) と
筋小胞体 (Sarcoplasmic Reticulum) の構造も、筋収縮の機序(興奮収縮連関)と密接に関連するため、合わせて学習しましょう。
概念整理: 骨格筋の構造階層:筋外膜(器官) > 筋周膜(筋束) > 筋内膜(筋線維/細胞) > 筋原線維(細胞小器官) > 筋節(収縮単位)。筋節はアクチンとミオシンの滑走によって収縮します。
一目で比較!:
| 構造名 | レベル | 主な構成 |
|---|
| 筋節 (Sarcomere) | 最小収縮単位 | アクチン・ミオシンフィラメント |
| 筋線維 (Muscle Fiber) | 細胞レベル | 筋原線維の集合体(多核細胞) |
| 筋内膜 (Endomysium) | 結合組織 | 個々の筋線維を取り巻く |
看護過程ポイント: アセスメント時、筋力低下や筋萎縮を評価する際、この構造的階層を理解していると、筋疾患(例:
筋ジストロフィー (Muscular Dystrophy))の病態理解に役立ちます。筋節レベルでの異常か、神経筋接合部の問題かを見極める視点が重要です。
暗記のコツ: 「サルコメア(Sarcomere)=『最小収縮単位』」とワンセットで覚えましょう。「サルコ(sarco-)=肉、筋」という接頭語も合わせて覚えると、サルコペニア(筋肉減少症)などの関連用語もスムーズに覚えられます。
国試頻出ポイント: 骨格筋の構造は必修問題や解剖学の基本として頻出です。「最小の収縮単位」というキーワードから真っ先に「筋節(サルコメア)」が連想できるかどうかが、得点の分かれ目になります。