核心解説
この問題は、看護師国家試験で頻出の
体格指数 (Body Mass Index, BMI)の算出式を問う基本問題です。BMIは、肥満や低体重を評価する国際的な指標であり、栄養状態のアセスメントや生活習慣病のリスク評価に欠かせません。
BMIの正しい算出式は「体重(kg) ÷ 身長(m)²」であることを確実に覚えましょう。この女性の場合、身長165cmは1.65mに換算し、70 ÷ (1.65 × 1.65) = 70 ÷ 2.7225 ≒ 25.7となります。日本肥満学会の基準では、BMI 25以上を肥満(肥満度1)と分類します。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)² が正しい公式です。
身長の単位はメートル (m) で計算する必要があります。事例では165cmを1.65mに換算し、計算すると約25.7となり、日本肥満学会の基準で
肥満度1 (BMI 25~30未満)に該当します。この数値は、
メタボリックシンドローム (Metabolic Syndrome)のリスク評価の際にも重要な指標となります。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
①番:体重(kg) ÷ 身長(m) は誤った式です。この計算では数値が大きくなりすぎ、正しい体格評価ができません。この女性の場合、70 ÷ 1.65 ≒ 42.4 と算出されますが、これは誤りです。
②番:体重(kg) × 身長(m)² は誤った式です。計算結果は70 × 2.7225 ≒ 190.6 となり、BMIの概念とかけ離れた数値になります。
③番:正解です。正しい公式で計算し、約25.7という妥当な値を得られます。
④番:体重(kg) ÷ 身長(cm) × 100 は誤った式です。身長はcmではなくmで計算する必要があり、この式では正しいBMI値は得られません。70 ÷ 165 × 100 ≒ 42.4 と算出されますが、これは誤りです。
⑤番:身長(cm) ÷ 体重(kg)² は誤った式です。分子と分母が逆であり、計算結果は0.034のような極端に小さな値となり、意味をなしません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
BMIの基準値は各国・学会で若干異なりますが、日本では
日本肥満学会の基準が標準です。
| 分類 | BMI範囲 | 評価 |
|---|
| 低体重 | 18.5未満 | るいそう・低栄養のリスク |
| 普通体重 | 18.5以上 25未満 | 標準的な範囲 |
| 肥満度1 | 25以上 30未満 | 生活習慣病のリスク上昇 |
| 肥満度2 | 30以上 35未満 | 高度肥満 |
| 肥満度3 | 35以上 40未満 | 著しい肥満 |
| 肥満度4 | 40以上 | 病的肥満 |
また、BMIだけでは筋肉量や体脂肪率を正確に反映できないため、
腹囲測定や
体組成計を併用することが推奨されます。
概念整理
BMIは「肥満度の指標」であり、
体重(kg) ÷ 身長(m)²が正確な計算式。身長の単位を「cm」から「m」に換算するのが必須ポイント。この問題は、単なる計算式の暗記だけでなく、単位換算(165cm→1.65m)の正確さも問われています。
一目で比較!
・BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)² (正しい公式)
・体重(kg) ÷ 身長(m) の計算式は誤り(数値が大きくなる)
・体重(kg) × 身長(m)² の計算式は誤り(数値が極端に大きくなる)
・体重(kg) ÷ 身長(cm) の計算式は誤り(単位が不適切)
看護過程ポイント
アセスメント:BMIを算出し、低体重・普通体重・肥満のいずれに該当するか評価。栄養状態、生活習慣、既往歴(糖尿病・高血圧・脂質異常症など)と合わせて総合的に判断する。看護診断としては「栄養摂取量過剰 (Imbalanced Nutrition: More Than Body Requirements)」や「栄養摂取量不足 (Imbalanced Nutrition: Less Than Body Requirements)」の根拠となる。
暗記のコツ
BMIを「ビー・エム・アイ」と覚えるだけでなく、
「体重を身長の二乗で割る」という語呂合わせで記憶しましょう。「体重(kg)は上(分子)に、身長(m)²は下(分母)に」とイメージすると忘れにくいです。
国試頻出ポイント
BMIの算出式は基礎看護学・成人看護学の両方で頻出。事例問題では、「BMIが高い患者への看護計画(減量指導・運動療法)」「BMIが低い患者への栄養管理(経腸栄養・静脈栄養の適応判断)」など、臨床応用力が問われる発展問題に注意。
出題パターン注意!
単純な「正しい計算式はどれか」に加え、「この患者のBMIを計算し、適切な看護介入を選択せよ」という状況設定問題への発展が典型。また、小児の
カウプ指数 (Kaup Index)(体重(g) ÷ 身長(cm)² × 10)や、高齢者の
ローレル指数 (Rohrer Index)(体重(kg) ÷ 身長(m)³ × 10)など、類似指標との混同にも注意が必要です。