核心解説
この問題は、
日本の死亡統計における死因分類の基準に関する知識を問うています。死因統計は、国や地域の健康状態を把握し、保健医療政策を立案するための基本的なデータです。その分類には、国際的に統一された基準が用いられており、それが
ICD(国際疾病分類:International Classification of Diseases)です。
最重要! 日本では、死亡診断書に記載された死因を、
WHO(世界保健機関)が定めるICDに基づいてコード化し、死因統計を作成しています。この分類により、世界の様々な国と死因の比較が可能になります。
正解の根拠: 日本の死亡統計(厚生労働省が公表)は、世界保健機関憲章に基づき、国際的に統一された分類である
ICD(国際疾病分類)を採用しています。死亡診断書の死因欄に記載された内容を、ICDの死因分類ルールに従ってコーディングすることで、死亡統計が作成されます。
誤答の分析:
- ②番の
混同注意! ICNP(国際看護実践分類:International Classification for Nursing Practice)は、看護実践(看護診断、看護介入、看護成果)を標準化するための分類体系であり、死因統計には用いられません。
- ③番の
ICF(国際生活機能分類:International Classification of Functioning, Disability and Health)は、生活機能と障害の分類であり、死亡統計には用いられません。
- ④番の
DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)は、米国精神医学会が定める精神疾患の診断基準であり、死因分類の基準ではありません。
- ⑤番の
DRG(疾患群別診断分類:Diagnosis Related Groups)は、診療報酬の包括評価(DPC/PDPSなど)に用いられる分類であり、死因統計には用いられません。
関連概念の整理: 各種国際分類の違いを整理しましょう。
ICDは「死因」と「疾病」の分類、
ICFは「生活機能」の分類、
ICNPは「看護実践」の分類、
DSMは「精神疾患の診断」基準、
DRGは「診療報酬」の分類です。それぞれの目的を押さえることで、混同を防げます。
概念整理:
-
死因統計:死亡診断書を基に、
ICDに従って死因を分類・集計した統計。公衆衛生の基礎資料。
-
ICD:WHOが定める国際標準の疾病及び関連保健問題の統計分類。死因と疾病のコード化に用いられる。
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関連分類:ICNP(看護)、ICF(生活機能)、DSM(精神疾患診断)、DRG(診療報酬)
一目で比較!:
| 分類名 | 目的 | 使用主体 |
|---|
| ICD | 疾病・死因の国際統計分類 | WHO加盟国(医療統計全般) |
| ICNP | 看護実践(診断・介入・成果)の標準化 | 看護職 |
| ICF | 生活機能と障害の分類 | リハビリテーション・福祉分野 |
| DSM | 精神疾患の診断基準 | 精神科医療従事者 |
| DRG | 診療報酬の包括評価 | 病院・保険者 |
看護過程ポイント: 死因統計そのものは直接の看護過程には含まれませんが、地域診断(アセスメント)や公衆衛生看護活動において、ICDに基づく死亡統計データは重要な情報源です。地域の主要死因を把握することで、優先的な保健指導や予防活動の計画立案に役立ちます。
暗記のコツ:
「D」は「Death(死因)とDisease(疾病)」と覚えましょう。ICDの「D」は「Disease(疾病)」です。死因統計は「疾病」の延長線上にあるので、ICDが死因統計の基準だとリンクできます。
国試頻出ポイント: 各分類の定義と目的の違いが頻出です。「死亡統計の基準はICD」「精神疾患の診断基準はDSM」「生活機能の評価はICF」という対応をしっかり覚えておきましょう。類似した名称が多いので、一つ一つを紐づけて記憶することが合格の鍵です。
出題パターン注意!: 「日本の死亡診断書の死因分類に用いられるのはどれか」「看護実践の標準化に用いられる分類はどれか」といった形で、各分類の目的を問う選択問題が典型です。また、近年は「ICFの概念に基づくアセスメント」といった応用問題も見られるため、単純暗記ではなく、各分類の背景にある理念を理解しておくと良いでしょう。