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社会保険制度
問題

78歳の女性。脳梗塞 (cerebral infarction) 後遺症で左片麻痺があり、要介護2の認定を受けている。在宅で生活しており、週3回の訪問介護を利用している。このたび、定期的なリハビリテーションを目的としたサービスを追加したいと希望している。介護保険の居宅サービスとして適切なのはどれか。

解説
通所リハビリテーション (デイケア) は介護老人保健施設・病院・診療所に通い、理学療法士・作業療法士等によるリハビリテーションを受ける居宅サービスである。脳梗塞後遺症による片麻痺のリハビリに適している。グループホームや特定施設は入居型サービスであり、在宅継続を希望する本事例には適さない。
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詳細解説

核心解説 この問題は、介護保険制度 (Long-Term Care Insurance System) における居宅サービス (In-home Services)の種類と、利用者の状態に応じた適切なサービスの選択を問うています。事例の78歳女性は「在宅で生活」しており、「定期的なリハビリテーション」を希望しています。つまり、最重要!入所・入居を伴わない「通い」のサービスで、かつリハビリ専門職が関わるものを選ぶ必要があります。 1. 正解の根拠 (Answer Rationale): 通所リハビリテーション (Day Rehabilitation / Day Care) は、介護老人保健施設や病院・診療所に日帰りで通い、理学療法士 (Physical Therapist) や作業療法士 (Occupational Therapist) などの専門職からリハビリテーションを受けられる居宅サービスです。脳梗塞後の片麻痺に対する機能訓練・維持に非常に適しており、事例のニーズに完全に合致します。 2. 誤答の分析 (Distractor Analysis): 混同注意! - ①短期入所療養介護 (Short-stay / Respite Care): 施設に短期間(数日~1ヶ月程度)宿泊して、医療・介護・リハビリを受けるサービスです。在宅生活が基本の事例には不適切です。 - ②特定施設入居者生活介護 (特定施設): 有料老人ホームなどに入居している人が対象のサービスで、事例は「在宅生活」のため不適切です。 - ③小規模多機能型居宅介護 (Small-scale Multifunctional In-home Care): 「通い」を中心に「訪問」や「泊まり」を組み合わせたサービスですが、混同注意!リハビリ専門職(PT/OT)が常駐しているとは限らず、あくまで介護サービスが中心です。事例のように「リハビリテーションを目的」とする場合は、通所リハビリテーションの方が適切です。 - ④認知症対応型共同生活介護 (グループホーム / Group Home): 認知症高齢者が少人数で共同生活する入居型サービスです。事例に認知症の記載はなく、入居を伴わないため不適切です。 3. 関連概念の整理 (Related Concepts): 介護保険サービスは大きく分けて「居宅サービス(在宅で利用)」と「施設サービス(入所して利用)」に分類されます。さらに、リハビリテーションに関連する居宅サービスとして、通所リハビリテーション(デイケア)訪問リハビリテーション(訪問リハビリ)があります。前者は施設に通うもの、後者は自宅に理学療法士等が訪問するものです。事例では「通ってリハビリを受けたい」というニーズであるため、デイケアが最適です。
概念整理: 介護保険サービスとリハビリテーション
サービス種別場所主な内容
通所リハビリ(デイケア)施設に通うPT/OT/STによる機能訓練、日常生活動作訓練
訪問リハビリ自宅を訪問PT/OT/STが自宅で個別リハビリ指導
通所介護(デイサービス)施設に通う入浴・食事などの生活サービス、レクリエーション中心

一目で比較!: 在宅生活を継続する場合のサービス選択
- 「リハビリを目的」 → 通所リハビリ または 訪問リハビリ
- 「生活の介助(入浴・食事など)を目的」 → 通所介護(デイサービス) または 訪問介護(ホームヘルプ)
- 「短期間の宿泊が必要」 → 短期入所生活介護(ショートステイ) または 短期入所療養介護
- 「住み慣れた地域で24時間支援」 → 小規模多機能型居宅介護看護小規模多機能型居宅介護
看護過程ポイント: ケアマネジメントにおけるアセスメントでは、利用者の「住まい」「身体・精神機能」「社会参加の希望」を総合的に評価します。本事例では「在宅継続」「リハビリ目的」という2点がキーです。
暗記のコツ: 「デイケア = リハビリが目的」、「デイサービス = 生活支援が目的」と覚えましょう。「ケア(Care)」と「リハビリテーション(Rehabilitation)」の言葉の違いをイメージすると混同しにくいです。
国試頻出ポイント: 介護保険のサービス種別は毎年必出です。特に「居宅サービス」と「施設サービス」の区別、「リハビリ系サービス(通所リハビリ・訪問リハビリ)」と「生活系サービス(通所介護・訪問介護)」の違いは頻出です。事例問題では、利用者の「状態」「希望」に合致するサービスを選ぶ必要があります。
出題パターン注意!: 「要介護度」「居住形態」「主目的」の3点を整理してから選択肢を検討する習慣をつけましょう。例えば、「要介護5で寝たきり、自宅で医療処置が必要」という事例なら、訪問看護小規模多機能型居宅介護 が正解になる可能性が高いです。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
あなたは訪問看護ステーションの看護師です。担当している78歳女性は、脳梗塞後左片麻痺があり、週3回の訪問介護で生活しています。「家でずっと座っているだけだと足腰が弱ってしまう。週に1回でもいいから、専門家についてリハビリがしたい」と希望しています。ケアマネジャーから「デイケアを提案しようと思うが、医学的見地から問題ないか確認してほしい」と連絡が入りました。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 観察・アセスメント: 利用者の全身状態(バイタルサイン、麻痺の程度、ADL、転倒リスク)、意思決定能力(リハビリの目的を理解し同意しているか)、通所手段の確保(家族の送迎が可能か、または介護タクシーが必要か)を評価します。
2. 報告・連携: ケアマネジャーに対し、「医学的に通所リハビリは可能であり、全身状態も安定している」と報告します。同時に、リハビリの頻度(週1回)や目的(歩行能力維持、廃用症候群予防)を明確に伝えます。
3. 介入・計画: 通所リハビリ開始後は、訪問介護と連携し、デイケアでの活動内容(筋力訓練、歩行練習)を自宅での生活にどう活かすか(起居動作の自主練習、転倒予防環境整備)を指導します。
4. 評価: 定期的にADLや転倒発生の有無をモニタリングし、リハビリ効果を評価します。痛みや疲労の訴えがないかも確認します。
看護プロトコル
- 観察項目: 麻痺側の関節拘縮の有無、筋力低下の程度、バランス能力、歩行能力(T字杖・歩行器の使用状況)、転倒リスクアセスメント(Timed Up and Go test など)
- 報告基準(SBAR): S(状況: 利用者からリハビリ希望あり)、B(背景: 脳梗塞後左片麻痺、要介護2、在宅生活継続希望)、A(アセスメント: 通所リハビリの適応あり、医学的禁忌なし)、R(提案: ケアマネジャーとデイケアの利用調整を依頼)
- 記録のポイント: リハビリ開始後のADL変化、転倒や疼痛の有無、利用者の満足度を記載。
- 家族への説明: 「デイケアでは理学療法士が付き添って無理のない範囲でリハビリを行います。送迎サービスもあるので、ご家族の負担も軽減できますよ」と説明します。
先輩看護師の一言
「介護保険のサービス選択は、単に制度の知識だけでなく、利用者の『生活の質』をどう高めるかという視点が大切です。今回の場合、『リハビリがしたい』という明確なニーズがあるので、デイケアはまさにぴったりのサービスですね。在宅を支えるサービスはたくさんありますが、利用者さんの一番の希望を叶えられるものを、チームで一緒に選んでいきましょう!」

重要概念

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