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問題

日本人の身体活動・運動習慣に関する現状として正しいのはどれか。

解説
運動習慣のある者の割合は男性の方が女性より高い傾向にある。歩数の平均値は目標値を下回っており、高齢者は若年者より運動習慣保有率が高い傾向がある。身体活動量の低下は生活習慣病リスクを高める。
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詳細解説

核心解説 この問題は、日本人の身体活動・運動習慣 (Physical Activity and Exercise Habits)に関する現状を問うています。看護師国家試験では、国民の健康増進を目的とした施策や現状把握が頻出テーマです。特に「健康日本21 (Health Japan 21)」の目標値や、国民健康・栄養調査 (National Health and Nutrition Survey)のデータを基にした理解が求められます。運動習慣とは、一般的に「1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している者」と定義されます。 正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 正解は⑤「運動習慣のある者の割合は女性より男性で高い傾向にある」です。最新の国民健康・栄養調査の結果では、運動習慣のある者の割合は、男性が約30%台後半、女性が約30%台前半と、一貫して男性の方が女性よりも高い傾向にあります。これは、性別による健康意識や社会参加の状況、ライフスタイルの違いが影響していると考えられます。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①番「運動習慣のある者の割合は男女ともに増加し続けている」は誤りです。過去20年以上のデータを見ると、運動習慣のある者の割合は横ばい、あるいはやや減少傾向にあり、増加し続けてはいません。目標値に達していない現状があります。
②番「身体活動量の低下は生活習慣病の発症リスクとは無関係である」は誤りです。これは混同注意!の典型的なパターンです。身体活動量の低下 (Physical Inactivity)は、肥満 (Obesity)2型糖尿病 (Type 2 Diabetes Mellitus)高血圧 (Hypertension)脂質異常症 (Dyslipidemia)、さらにはがん (Cancer)などの発症リスクを高めることが科学的に証明されています。
③番「歩数の平均値は目標値(8,000歩/日)を上回っている」は誤りです。現在の日本人の歩数平均値は、男性で約7,000歩/日、女性で約6,000歩/日程度であり、目標値(男性9,000歩/日、女性8,500歩/日程度)を下回っています
④番「高齢者の運動習慣保有率は若年者より低い傾向にある」は誤りです。混同注意! 実際は、高齢者(65歳以上)の運動習慣保有率は、若年者(20~40歳代)よりも高い傾向にあります。これは、定年後の時間的余裕や健康維持への意識の高まり、地域での運動教室の普及などが理由として考えられます。 関連概念の整理 (Related Concepts)
この問題に関連して、メタボリックシンドローム (Metabolic Syndrome)の診断基準や、特定健康診査・特定保健指導 (Specific Health Checkups and Health Guidance)の内容も併せて学習しておきましょう。また、運動療法 (Exercise Therapy)の禁忌(不安定狭心症、急性心筋梗塞後早期など)や、患者の活動耐性 (Activity Tolerance)のアセスメント方法も重要です。 概念整理: 日本人の身体活動・運動習慣の現状は、男性が女性より運動習慣保有率が高い。歩数平均値は目標値を下回っており、身体活動量の低下は生活習慣病リスクを高める。高齢者の運動習慣保有率は若年者より高い傾向にある。 一目で比較!: 運動習慣の定義(1回30分以上、週2回以上、1年以上継続)と、身体活動(生活活動+運動)の違いを理解しましょう。身体活動量の評価にはMETs (Metabolic Equivalents)エクササイズ (Ex)という単位が用いられます。 看護過程ポイント: アセスメント:患者の運動習慣・身体活動量を具体的に聴取する(頻度、時間、種類、強度)。看護診断:「非効果的健康維持」や「活動耐性低下」など。計画:患者の体力・疾患・嗜好に合わせた個別的な運動計画を立案する(医師の運動負荷試験結果等を参考に)。実施:安全な運動の指導(ウォーミングアップ、クーリングダウン、自己管理の方法)、目標設定の支援。評価:運動の継続状況、身体所見(体重、血圧、脂質等)の改善を評価する。 暗記のコツ: 「運動習慣は男性が高く、高齢者が高い!」と覚えましょう。「女(女性)性は控えめ、若者は元気がない?」と連想すると記憶に残りやすいです。歩数目標は「男性9,000、女性8,500(苦労?)」と語呂合わせも有効です。 国試頻出ポイント: 国民健康・栄養調査の結果や健康日本21の目標値は、数値そのものではなく「傾向」が問われることが多いです。「増加傾向」「減少傾向」「横ばい」「男性が高い」「女性が高い」といったキーワードの正誤を確実に判断できるようにしましょう。 出題パターン注意!: 単純な知識問題としてだけでなく、事例問題の中で「この患者に適切な運動指導はどれか」という形で出題されることがあります。例えば「心筋梗塞後の患者への運動負荷試験の意義」や「糖尿病患者へのフットケアを考慮した運動指導」など、疾患特性と組み合わせた理解が必要です。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
あなたは地域包括ケア病棟に勤務する看護師です。退院を間近に控えた80代男性のAさんは、大腿骨頸部骨折 (Femoral Neck Fracture)の術後経過は良好ですが、「家に帰ったら畑仕事を再開したい」と話しています。Aさんは術前まで特に運動習慣はなく、畑仕事が唯一の身体活動でした。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
最重要! まず、Aさんの現在の活動耐性を評価します。バイタルサイン、筋力(特に下肢・体幹)、バランス能力、関節可動域、疲労度を確認します。次に、転倒リスクをアセスメントします。高齢者の場合、転倒予防が最優先です。畑仕事の具体的な内容(しゃがむ動作、重いものを持ち上げる、長時間の同一姿勢など)を聴取し、安全に行えるよう、以下の介入を計画します。
1. 段階的な活動量の増加:退院後の生活を見据え、院内での歩行距離やADL訓練を徐々に拡大します。
2. 転倒予防指導:「畑仕事の前後には必ず準備体操と整理体操を行いましょう」「作業中は杖や歩行器を使用し、無理な姿勢は避けましょう」「水分補給と休憩をこまめに取りましょう」と具体的に指導します。
3. 環境調整の提案:作業しやすい服装(滑りにくい靴)、作業台の高さの調整、日中の明るい時間帯に行うことを提案します。
4. 多職種連携:理学療法士には転倒リスクを考慮した運動プログラムの作成を、作業療法士には具体的な畑仕事の動作分析と指導を、ケアマネジャーには退院後の生活環境の調整を依頼します。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
高齢者の場合、転倒・骨折 (Falls and Fractures)は致命的な結果を招く可能性があります。骨粗鬆症の有無、内服薬(特に睡眠薬、降圧薬、抗不安薬)の影響にも注意が必要です。また、脱水や熱中症の予防、心血管イベントのリスクにも配慮した指導が求められます。 看護プロトコル: 観察項目:活動前後のバイタルサイン、呼吸状態、疲労度、疼痛の有無、歩行の安定性。報告基準(SBAR):S「Aさんが畑仕事を再開したいと希望されています」、B「大腿骨頸部骨折術後、経過は良好、転倒リスクが高い」、A「現在の活動耐性は...、転倒リスクスコアは...」、R「理学療法士と連携した段階的な活動プログラムの立案と、転倒予防指導の強化を提案します」。記録:指導内容、患者の反応、バイタルサインの変化。 先輩看護師の一言: 「この問題のように、国民の健康データと、目の前の患者さんの生活を結びつけて考えることが大切です。『運動習慣がないからダメ』ではなく、『どんな活動ならできるのか、どうすれば安全に継続できるのか』を、患者さんの思いを尊重しながら支援していきましょう。国試で覚えた知識は、必ず患者さんの生活をより良くするために使えるんですよ!」

重要概念

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