核心解説
この問題は、医療安全における
患者誤認防止 (Patient Identification) の最も基本的かつ国際標準の考え方を問うています。
最重要! 日本医療機能評価機構やWHO(世界保健機関)の患者安全目標でも、患者確認の原則は
2つ以上の識別子(二要素認証)を用いることと明記されています。
正解の根拠
患者は単一の情報(ベッドネームや「○○さんですか?」という呼びかけ)だけで確認すると、聞き間違い、思い込み、同姓同名などによる誤認が発生するリスクが極めて高くなります。
氏名(フルネーム)と
生年月日という、不変的で個人を特定しやすい2つの情報を、
リストバンドと本人への口頭確認、もしくは本人申告とオーダー用紙といった異なる情報源で照合することが最も確実な方法です。これにより、患者Aを患者Bと取り違えての投薬や処置といった重大な医療事故を未然に防ぎます。
誤答の分析
混同注意! ①番のベッドネームや③番の診察券は、ベッドの移動やカードの貸し借り、紛失などで患者本人と紐づかなくなる可能性があり、単独での確認は危険です。
混同注意! ②番の「名乗ってもらう」は能動的な確認として優れていますが、「はい」と返事をしてしまう患者もいるため、これだけでは「思い込み」による確認不足を防げません。フルネームを名乗ってもらうことは重要ですが、それに加えてもう一つの客観的情報が必要です。
④番のカルテ番号も有効な識別子ですが、ID番号のみの確認では患者本人の自認と結びつきにくいため、氏名や生年月日といった患者が自覚している情報との組み合わせが基本となります。
概念整理
| 確認方法 | リスク | 備考 |
|---|
| ベッドネーム | ベッド移動時に不一致が生じる | 補助的な確認にとどめる |
| 名乗ってもらう | 聞き間違い、思い込み | 能動的確認として必須だが単独不十分 |
| 診察券 | 貸し借り・紛失の可能性 | 患者識別の主たる手段にはしない |
| 氏名+生年月日 | 同姓同名(稀) | 国際標準の二要素認証 |
看護過程ポイント
実施段階:点滴の交換や輸血、与薬、検査出しの「前」に、必ず「お名前と生年月日を教えてください」と
能動的確認を行い、リストバンドとオーダー内容を
二要素で照合します。「○○さんですね?」という受動的確認は原則禁止です。
暗記のコツ
「
フルネーム+フルバースデー」の2本柱!「あなたは誰ですか?」と尋ねる看護師の姿勢が事故を防ぐ最大の防御壁です。
国試頻出ポイント
医療安全は毎年必出です。特に「患者誤認防止」の具体的な方法は、状況設定問題で「看護師の対応として正しいのはどれか」という形で繰り返し問われます。
出題パターン注意!
「点滴更新時」「検査誘導時」「手術室入室時」などの具体的な場面が設定され、確認方法の優先順位が問われます。