核心解説
この問題は、在宅医療において混同しやすい「訪問診療」と「往診」の法的・制度的な違いを問うものです。
最重要! 両者の最大の違いは「計画性」と「緊急性」にあります。
訪問診療は、医師があらかじめ作成した計画に基づき、定期的に患者宅を訪問して診療を行うもので、慢性疾患の継続管理や終末期ケアなどに用いられます。一方、
往診は、患者や家族からの急な要請(発熱、疼痛増強など)に応じて、医師が臨時的に訪問するものです。両者とも医師が行う行為であり、診療報酬は医療保険(健康保険など)の対象となります。
正解の根拠 (Answer Rationale)
③「訪問診療は定期的な計画に基づき、往診は緊急時の対応である」が正解です。
訪問診療は「計画的な医療」、
往診は「緊急時・臨時的な医療」という概念の違いが核心です。この違いは、診療報酬の算定区分や、医療計画における位置づけにも直結します。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
①
混同注意! 訪問診療も往診も、医師が行う医療行為です。看護師は「訪問看護」を提供しますが、「往診」は医師の業務です。
② 診療報酬の高低は、診療内容や時間、緊急性など様々な要素で決まります。単純に「訪問診療が高く、往診が低い」とは一概に言えません。
④
混同注意! 訪問診療も往診も、
医療保険(健康保険、国民健康保険など)の対象です。介護保険の対象となるのは、要介護認定を受けた高齢者に対する「訪問看護」「通所介護」などの介護サービスです。
⑤ 訪問診療も往診も、在宅患者だけでなく、介護施設(特別養護老人ホームなど)に入所中の患者も対象となります。特に往診は、施設での急変時対応として重要な役割を果たします。
関連概念の整理 (Related Concepts)
「訪問診療」と類似した「
訪問看護」も合わせて整理しましょう。
訪問看護は、看護師が患者宅を訪問して看護ケアを提供するもので、医師の指示(訪問看護指示書)に基づき行われます。一方、訪問診療と往診は医師の行為です。また、
在宅療養支援診療所の機能として、訪問診療と往診を組み合わせた24時間対応体制が求められることも重要です。
概念整理
| 項目 | 訪問診療 | 往診 |
| 目的 | 慢性期・継続管理 | 急性期・緊急対応 |
| 計画性 | あり(事前計画) | なし(臨時) |
| 主体 | 医師 | 医師 |
| 保険適用 | 医療保険 | 医療保険 |
一目で比較!
| キーワード | 訪問診療 | 往診 | 訪問看護 |
| 行為者 | 医師 | 医師 | 看護師 |
| スケジュール | 定期・計画的 | 不定期・緊急 | 定期・計画的(指示書あり) |
| 保険種別 | 医療保険 | 医療保険 | 医療保険・介護保険 |
看護過程ポイント
看護師が訪問診療や往診の場面で重要な役割を果たすのは、
アセスメントと
情報提供です。医師の訪問時に、患者の状態変化(バイタルサイン、症状の増悪、服薬状況など)を正確に伝えられるように準備します。また、往診の要否を判断するために、電話でのトリアージ(症状の緊急度評価)が求められることもあります。
暗記のコツ
「診療」には「計画(診療計画書)」の文字が入ると覚えましょう。「往診」の「往」は「往復」の「往」で、「行って帰ってくる」イメージ。つまり、急に呼ばれて行く、というニュアンスです。
国試頻出ポイント
在宅医療の制度比較は、国試で頻出です。特に「訪問診療」「往診」「訪問看護」の3つを比較した問題や、事例問題(「在宅で療養中の患者が夜間に発熱した場合、看護師がまず取るべき行動は?」)と組み合わせて出題されます。
出題パターン注意!
単純な知識問題から、「訪問診療を受けている患者が急変した場合、看護師はまず医師に往診を依頼すべきか、救急搬送を検討すべきか」といった状況判断を問う問題に発展します。