リチウムを服用中の患者の治療モニタリングにおいて、定期的に測定する必要がある検査項目はどれか。 | MyMerci
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問題

リチウムを服用中の患者の治療モニタリングにおいて、定期的に測定する必要がある検査項目はどれか。

患者は双極性障害の治療のために炭酸リチウムを服用している。維持療法中の至適血中濃度は0.4~1.0mEq/Lとされている。
解説
リチウムは治療域と中毒域が近い薬剤であり、定期的な血清リチウム濃度のモニタリングが必須である。また、リチウムの副作用として甲状腺機能低下症(甲状腺腫)や腎機能障害が知られているため、甲状腺機能(TSH、FT4)と腎機能(血清クレアチニン、eGFR)の定期的な測定も重要である。選択肢2は最も適切な組み合わせである。
同じテーマの次の問題統合失調症と診断された患者の治療薬物モニタリングにおいて、血中濃度測定が特に推奨される抗精神病薬はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、炭酸リチウム (Lithium Carbonate) 服用患者の治療モニタリングにおける必須検査項目を問うています。リチウムは治療域と中毒域が非常に近い薬剤(狭い治療域:Narrow Therapeutic Index)であり、血中濃度の厳密な管理と、特有の副作用に対する定期的な評価が看護において極めて重要です。 正解の根拠 (Answer Rationale): 最重要! リチウム療法において最も基本的で必須なモニタリングは血清リチウム濃度 (Serum Lithium Level)の測定です。維持療法中の至適血中濃度は0.4~1.0mEq/Lとされています。これに加えて、リチウムの代表的な副作用である甲状腺機能低下症 (Hypothyroidism)(症状:倦怠感、体重増加、便秘、寒冷不耐性)と腎機能障害 (Renal Impairment)(尿崩症様症状、慢性間質性腎炎)のスクリーニングとして、定期的な甲状腺機能検査 (Thyroid Function Tests: TSH, FT4)腎機能検査 (Renal Function Tests: 血清Cr, eGFR)の測定が推奨されています。したがって、これらを組み合わせた「血清リチウム濃度と甲状腺機能」が正解となります。 誤答の分析 (Distractor Analysis):
[1] 混同注意! 血清ナトリウム濃度はリチウム中毒時の重要な検査ですが(低Na血症はリチウム再吸収を促進し中毒リスクを高める)、肝機能はリチウムモニタリングの第一選択ではありません。
[2] 血清マグネシウム濃度と血算は、リチウム療法のルーチンモニタリング項目ではありません。血算(CBC)は、他の向精神薬(特に非定型抗精神病薬による無顆粒球症)で重要です。
[3] 血清カリウム濃度と心電図は、他の向精神薬(特に抗精神病薬によるQT延長)や電解質異常のモニタリングで重要ですが、リチウムの第一選択モニタリング項目ではありません。
[4] 混同注意! 腎機能(血清Cr, eGFR)は正解の要素の一つですが、血清カルシウム濃度はリチウムモニタリングの第一選択ではありません。また、リチウムによる甲状腺機能障害の評価が欠けています。 関連概念の整理 (Related Concepts): リチウム中毒の初期症状(傾眠、嘔気・嘔吐、下痢、粗大な振戦、構音障害)と中毒危険域(1.5mEq/L以上)の理解、脱水やNSAIDsの併用による中毒リスク増加も併せて押さえておきましょう。 概念整理: リチウム療法で必須のモニタリング項目は血清リチウム濃度(治療域0.4~1.0mEq/L)、甲状腺機能(TSH, FT4)、腎機能(血清Cr, eGFR)の3点セットです。 一目で比較!: リチウムの副作用モニタリング: ①内分泌系(甲状腺機能低下症、まれに副甲状腺機能亢進症) ②腎臓(尿崩症、慢性腎障害) ③神経系(振戦、認知障害) ④消化器系(悪心、嘔吐)。 看護過程ポイント: アセスメント: リチウム血中濃度、脱水徴候(口渇、尿量、皮膚ツルゴール)、甲状腺機能低下症状(倦怠感、体重増加、寒がり)、腎機能障害症状(多飲・多尿)。看護診断: 「治療計画の管理が困難(非効果的治療計画管理)リスク状態」、「中毒リスク状態」、「便秘(甲状腺機能低下による)」など。計画・実施: 定期的な採血の確実な実施、服薬アドヒアランスの確認、脱水予防のための水分摂取指導、副作用症状出現時の早期報告体制の構築。 暗記のコツ: 「リチウムは『リ』スク管理に『血』中濃度と『甲』状腺!『腎』機能もお忘れなく!」(リ:リチウム、血:血中濃度、甲:甲状腺、腎:腎機能)。 国試頻出ポイント: リチウムの治療域(0.4~1.0mEq/L)と中毒域(1.5mEq/L以上)の数値、代表的な副作用(甲状腺機能低下症、腎機能障害、振戦)、併用注意薬剤(NSAIDs、利尿薬、ACE阻害薬)、中毒症状の初期徴候をセットで問う出題が頻出です。 出題パターン注意!: 「リチウムを服用中の患者が、下痢と嘔吐を訴え、傾眠傾向。血中濃度は2.0mEq/L。看護師の優先的な対応は?」(例:リチウムの一時中止、医師への報告、輸液の準備)といった状況設定問題に発展します。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 精神科病棟に勤務する看護師です。双極性障害で炭酸リチウムを内服中の30代女性患者さん。数日前から感冒様症状があり、水分摂取量が減少していました。今日のラウンドで、患者さんが「手が震えて字が書けない」と訴え、歩行が不安定で少し呂律が回っていないように見えます。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 最重要! この状況はリチウム中毒(Lithium Intoxication)の可能性を疑います。観察: バイタルサイン、意識レベル(GCS)、振戦の程度、嘔気・嘔吐の有無、尿量。アセスメント: 脱水によるリチウム再吸収促進→血中濃度上昇→中毒症状(粗大振戦、構音障害、傾眠)を疑う。報告: SBARを用いて医師に報告(状況:感冒による脱水でリチウム中毒疑い、観察所見:振戦、構音障害、傾眠傾向)。介入: 指示に基づきリチウムの一時中止、生理食塩液の輸液開始、緊急採血(リチウム濃度、腎機能、電解質)、心電図モニタリングの準備。評価: 血中濃度が低下し、症状が軽快するまで継続観察。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): リチウム中毒患者は意識レベル低下による転倒・転落リスクが高いため、ベッド柵の使用、ナースコールの手元への設置、頻回な見回りが必要です。中毒の重症化に備え、血液透析(Hemodialysis)の準備ができるよう、透析可能な病院との連携を確認しておくことも重要です。 看護プロトコル: 観察項目: 血清リチウム濃度(頻度は施設基準に従う、通常は導入期に週1回、維持期に月1回程度)、意識レベル、振戦の有無と質、嘔気・嘔吐・下痢、尿量と体重、口渇の訴え。報告基準(SBAR): Situation「リチウム服用中の患者さんで中毒症状を疑います」、Background「感冒症状で水分摂取不良」、Assessment「脱水によるリチウム濃度上昇と考えます」、Recommendation「リチウムの一時中止と緊急採血、輸液を提案します」。記録: 患者の症状、バイタルサイン、医師への報告内容と指示、実施したケアと患者の反応を客観的に記録。 先輩看護師の一言: 「リチウムを服用している患者さんを看護するときは、『ちょっとした体調の変化=中毒のサインかも?』と常に考えて観察することが大切です。特に発熱や下痢、水分摂取量の低下は危険です。国試では数値を覚えるだけでなく、『なぜこの症状が出たら急変なのか』を病態と結びつけて考えられるようにしましょう。それが現場で患者さんの命を守る看護につながります!」

重要概念

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