うつ病の診断補助や治療効果判定に用いられることがある、視床下部-下垂体-副腎系の機能評価を目的とした臨床検査はどれか。 | MyMerci
MyMerci — 問題も詳しい解説もすべて無料 無料で始める
生物学的側面に注目した援助
問題

うつ病の診断補助や治療効果判定に用いられることがある、視床下部-下垂体-副腎系の機能評価を目的とした臨床検査はどれか。

解説
デキサメタゾン抑制試験は、うつ病患者でしばしば認められるコルチゾール分泌抑制の異常(非抑制)を評価する。これは視床下部-下垂体-副腎系の機能亢進状態を反映し、診断や治療反応性の指標となることがある。
同じテーマの次の問題統合失調症と診断された患者の治療薬物モニタリングにおいて、血中濃度測定が特に推奨される抗精神病薬はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、うつ病 (Major Depressive Disorder) の病態生理に関連する神経内分泌学的検査 (Neuroendocrine Testing) を問うています。特に、うつ病の一部の患者で認められる視床下部-下垂体-副腎系 (HPA axis) の機能亢進 (Hyperactivity) を評価する検査法を理解することが鍵となります。うつ病では、ストレス応答の調節異常により、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)やコルチゾールの分泌が過剰になることがあり、これが病態形成に関与すると考えられています。 正解の根拠 (Answer Rationale) 正解は③のデキサメタゾン抑制試験 (Dexamethasone Suppression Test, DST) です。最重要! この検査は、合成副腎皮質ホルモンであるデキサメタゾン (Dexamethasone) を投与し、その後測定する血中コルチゾール値が適切に抑制されない「非抑制 (Non-suppression)」の状態を評価します。これは、うつ病患者におけるHPA軸の機能亢進を反映するバイオマーカーの一つであり、診断の補助や治療効果判定(抗うつ薬治療により正常化する例がある)に用いられることがあります。 誤答の分析 (Distractor Analysis) 混同注意! ①番の成長ホルモン分泌負荷試験は、成長ホルモン分泌不全症(低身長症)や末端肥大症の診断に用いられます。うつ病の評価には使用しません。 ②番のプロラクチン測定は、乳汁分泌異常やプロラクチノーマ(下垂体腫瘍)の診断に用います。 ④番の糖負荷試験 (Oral Glucose Tolerance Test, OGTT) は、糖尿病の診断に用いる検査です。 ⑤番の甲状腺刺激ホルモン(TSH)測定は、甲状腺機能亢進症や低下症の診断に用います。うつ病との関連では、甲状腺機能低下症がうつ症状を呈することがあるため鑑別診断に用いられることがありますが、問題文にある「視床下部-下垂体-副腎系の機能評価」には該当しません。 関連概念の整理 (Related Concepts) うつ病の神経内分泌学的異常としては、HPA軸機能亢進の他に、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)負荷試験におけるTSH反応の鈍化や、成長ホルモン(GH)の分泌低下なども報告されています。また、うつ病の診断はあくまで問診と診断基準(DSM-5)に基づく臨床診断が主体であり、DSTなどの検査は補助的な位置づけであることを理解しておきましょう。 概念整理: デキサメタゾン抑制試験 (DST) は、うつ病患者における HPA軸機能亢進 → コルチゾール分泌抑制の異常(非抑制) を評価する神経内分泌学的検査。
一目で比較!:
検査名評価対象主な用途
デキサメタゾン抑制試験HPA軸機能 (コルチゾール抑制)うつ病の補助診断、Cushing症候群の診断
TRH負荷試験視床下部-下垂体-甲状腺系 (TSH反応)甲状腺機能異常、うつ病の補助診断
成長ホルモン分泌負荷試験成長ホルモン分泌能低身長症、末端肥大症
糖負荷試験 (OGTT)耐糖能 (インスリン分泌)糖尿病の診断

看護過程ポイント: この検査が行われる場合、看護師は検査の目的(うつ症状の原因や重症度評価の補助であること)と方法(夜間にデキサメタゾンを内服し、翌朝採血する)を患者に説明します。検査結果が「異常(非抑制)」であっても、それが直ちにうつ病の診断確定になるわけではなく、臨床症状と総合的に評価することを理解しておくことが重要です。
暗記のコツ: 「うつ病(Depression)→ ストレスホルモン(Cortisol)の異常 → Dexamethasone(抑制試験)」と連想しましょう。
国試頻出ポイント: うつ病の病態生理と関連する検査として、DSTは頻出です。また、Cushing症候群の診断にも同様の検査が用いられることを併せて覚えておくと良いでしょう。鑑別診断として、甲状腺機能低下症(うつ症状を呈することがある)のTSH測定も重要です。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 精神科病棟に勤務する看護師として、うつ病で入院中の患者さんにDSTが行われるケースを考えてみましょう。 臨床シナリオ (Clinical Scenario) 「50代女性、大うつ病性障害の診断で入院。抗うつ薬治療に反応が乏しく、治療抵抗性が疑われている。担当医からHPA軸機能評価のためにDSTのオーダーが出ました。看護師として、患者さんにどのように説明し、検査を安全に進めるべきでしょうか?」 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment) 1. 検査説明と同意 (Informed Consent): 患者さんに「この検査は、ストレスホルモンの調節状態をみるものです。夜に1回お薬を飲んでいただき、翌朝、血液を採らせていただきます。結果は今後の治療方針の参考にします」と分かりやすく説明します。検査に伴うリスクはほとんどありませんが、採血時の不快感について説明します。 2. 実施手順の遵守: 医師の指示に従い、夜間(通常午後11時頃)にデキサメタゾン(1mg)を内服させます。この時間を厳守することが重要です。 3. 採血と検体管理: 翌朝(通常午前8時頃と午後4時頃)、指示された時間にコルチゾール測定用の採血を行います。検体は確実に検査室へ提出します。 4. 結果の評価と共有: 結果(コルチゾールが抑制されているかどうか)を確認します。非抑制の場合は、治療反応性が不良である可能性を示唆するため、治療法の再検討(抗うつ薬の変更やaugmentation療法の検討など)につながることがあります。結果は医師と共有し、患者さんへのフィードバックを支援します。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions) - この検査に特別な危険性はありませんが、検査のために睡眠が中断されることがあります。患者さんの睡眠環境に配慮しましょう。 - 患者さんがうつ症状のため内服を拒否する可能性もあります。その場合は無理強いせず、医師に報告し、検査の延期や代替方法を検討します。 看護プロトコル: 観察項目: 内服の確認(確実に服用したか)、採血時間の厳守、検体の取り違え防止(ラベルの確認)。報告基準: 内服できなかった場合や採血時間に遅れが生じた場合。記録のポイント: 内服時間、採血時間、患者の状態(睡眠状況、内服時の様子)。
先輩看護師の一言: 「うつ病の患者さんは、『自分の病気は体の異常が原因かもしれない』と感じることがあります。DSTのような検査は、病気を『心の問題』としてだけ捉えず、『身体的な基盤がある』と理解するきっかけにもなります。検査結果だけでなく、患者さんの気持ちにも寄り添った関わりを心がけてくださいね!」

重要概念

精神看護学 390 問 · ログイン不要

MyMerciで看護師国家試験を完全対策

過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。

無料で始める

学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。