核心解説
この問題は、
電気けいれん療法 (ECT: Electroconvulsive Therapy) の施行前に最も重要な身体評価項目を問うています。ECTは、全身麻酔下で筋弛緩薬を使用し、人工的に脳に電気刺激を与えて全身性けいれん発作を誘発する治療法です。この治療では、迷走神経刺激やカテコールアミン放出により、
心拍数・血圧の急激な変動や不整脈が生じる可能性があります。したがって、
最重要! 事前に心機能、特に不整脈や虚血性心疾患の有無を確認するための
心電図検査 (ECG) が必須です。
正解の根拠 (Answer Rationale)
ECT施行中の心血管系への負荷(頻脈・血圧上昇・不整脈)を最小限にするため、事前に心電図検査で基礎疾患(例:虚血性心疾患、不整脈)をスクリーニングする必要があります。異常が認められた場合、治療の延期や麻酔管理の変更が検討されます。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
①番の胸部X線検査は、誤嚥性肺炎のリスク評価や呼吸器疾患の有無を確認するために行われることはありますが、ECTにおける最も直接的なリスク評価ではありません。
②番の腹部超音波検査は、ECTの禁忌やリスク評価とは関連が低い検査です。
④番の脳波検査は、ECTの治療効果やけいれん閾値の評価には用いられますが、施行前の身体リスク評価として最優先されるものではありません。
⑤番の骨密度検査は、長期のステロイド使用などで骨折リスクがある場合に考慮されることがありますが、ECTの一般的な必須検査ではありません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
ECTの主なリスクは、
混同注意! 心血管系イベントと誤嚥です。そのため、全身状態評価としてバイタルサイン、心電図、血液検査(電解質・凝固系)、そして誤嚥予防のための絶飲食確認も重要です。特に、
高齢者や
心疾患既往がある患者では、心電図検査の重要性がさらに高まります。
概念整理
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ECTのリスク: 心血管系負荷(不整脈、血圧変動、心筋虚血)、誤嚥、骨折(筋弛緩薬使用によりリスク低減)、認知機能障害(主に短期記憶障害)。
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必須の術前評価: 心電図、血液検査(電解質、凝固系、感染症スクリーニング)、バイタルサイン、身体所見(特に口腔内・脊椎)、妊娠の有無(妊娠中も実施可能だが要評価)。
一目で比較!
| 検査項目 | ECTにおける目的 | 優先度 |
|---|
| 心電図 | 不整脈・虚血性心疾患のスクリーニング | 必須(最優先) |
| 胸部X線 | 呼吸器疾患・誤嚥性肺炎リスク評価 | 状況に応じて |
| 脳波 | 治療効果判定・けいれん閾値評価 | 治療中・後に重要 |
看護過程ポイント
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アセスメント: 患者の心疾患既往歴、内服薬(抗不整脈薬・抗凝固薬の有無)、バイタルサインの測定。
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看護介入: ECT施行前に心電図検査が確実に実施されているか確認。結果に異常があれば医師に報告し、治療の可否を判断する。
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患者教育: ECTの目的とリスクを説明し、検査の必要性への理解を得る。
暗記のコツ
「ECT=
電気 (Electricity) +
けいれん (Convulsion) +
全身麻酔 (Anesthesia)」→ 「心臓(心電図)」と「誤嚥予防」の2つを必ず覚えましょう。特に心電図は、麻酔中の急変に直結するため最重要です。
国試頻出ポイント
ECTの適応(薬物療法抵抗性のうつ病、緊張病性興奮など)、禁忌(頭蓋内圧亢進、心筋梗塞直後など)、術前ケア(絶飲食、膀胱・義歯の確認)と術後ケア(覚醒確認、頭痛・記憶障害の観察)が頻出です。心電図は、禁忌のスクリーニングとして必ず問われます。
出題パターン注意!
「ECT施行前の看護師の対応として適切なのはどれか」という状況設定問題で、心電図の確認が選択肢に含まれているパターンが典型的です。