核心解説
この問題は、新生児の生理的黄疸に対する
光線療法 (Phototherapy)中の看護ケアの基本を問うています。
光線療法の目的は、皮膚に光を照射し、脂溶性の間接ビリルビンを水溶性の光異性体に変換して体外へ排泄を促すことです。光線の効果を最大限に引き出すためには、照射面積を広く保つことが極めて重要です。
正解の根拠 (Answer Rationale):
正解は⑤「
オムツは外して行う」です。オムツで覆われた部分には光が当たらず、治療効果が低下します。そのため、光線療法中は原則として
オムツを外し、性器など必要最低限の部分のみを小さく覆うか、または透明な素材で保護します。
最重要! 照射面積を最大にすることが治療効果を高める鍵です。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
①
混同注意! 「眼帯は不要である」→
誤り。強い光が網膜を傷つけるのを防ぐため、
眼帯は必須です。眼帯は適切に固定し、ずれたり外れたりしていないか定期的に確認します。
② 「輸液は中止する」→
誤り。光線療法により不感蒸泄 (Insensible Water Loss) が増加し、脱水リスクが高まります。そのため、必要に応じて
輸液や経口哺乳を強化し、水分バランスを維持します。中止するのは不適切です。
③ 「裸眼で保育器の観察を行う」→
誤り。強い光線から看護師自身の目を保護するため、
看護師は遮光眼鏡を着用して観察・ケアを行います。裸眼での観察は禁忌です。
④ 「体温測定は不要である」→
誤り。光線療法の熱により
新生児の体温が上昇しやすいため、
体温測定は必須です。低体温や高体温を予防するため、保育器内の温度調節と併せてモニタリングします。
関連概念の整理 (Related Concepts):
光線療法中の看護ケア全体を覚えておきましょう。
1.
眼保護: 網膜保護のための眼帯装着(必須)。
2.
皮膚露出: オムツを外し、照射面積を最大化。
3.
体温管理: 発熱に注意し、定期的に体温測定。
4.
水分補給: 脱水予防のため、こまめな哺乳や輸液管理。
5.
観察: 光線療法による副作用(緑色便、発疹、脱水)の観察。
6.
体位変換: 均一に光が当たるよう、定期的に体位を変える。
概念整理: 光線療法の目的は「皮膚に光を当ててビリルビンを排泄」。その効果を最大化するためのケアが「眼帯(保護)」「オムツ外し(露出)」「体温・水分管理(合併症予防)」です。
一目で比較!:
| 項目 | 適切なケア | 不適切なケア |
|---|
| 眼帯 | 必須で装着 | 不要とする |
| オムツ | 外す(性器のみ最小限覆う) | つけたまま |
| 体温測定 | 定期的に実施 | 不要とする |
| 水分補給 | 強化する | 中止する |
| 看護師の観察 | 遮光眼鏡着用 | 裸眼で観察 |
看護過程ポイント:
-
アセスメント: 経皮ビリルビン値、黄疸の範囲、全身状態(活気、哺乳状態、体温、便の色・性状)。
-
看護診断 (Nursing Diagnosis): 「高ビリルビン血症に関連した黄疸」、「皮膚統合性障害のリスク状態(光線療法による)」、「非効果的な体温調節のリスク状態」。
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計画・実施: 眼帯の固定確認(4時間毎)、オムツ外しと体位変換(2時間毎)、体温測定(1~2時間毎)、哺乳量の確認と補水。
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評価: 経皮ビリルビン値の低下、黄疸の消退、合併症(脱水、発熱、眼損傷)の有無。
暗記のコツ:
「光線療法の3つのキーワード」:
目を守る(眼帯)・肌を出す(オムツ外し)・熱に注意(体温測定)。この3つをセットで覚えましょう。
国試頻出ポイント:
「新生児黄疸の光線療法」は、適切なケアの組み合わせを選ばせる問題として頻出です。特に「眼帯」と「オムツ」の正誤は毎年と言っていいほど問われます。光線療法の目的(ビリルビン排泄促進)から逆算してケアを考える習慣をつけましょう。
出題パターン注意!:
単純知識問題として「光線療法中の正しいケアはどれか」だけでなく、事例問題として「出生後4日の新生児、黄疸が出現。光線療法開始。夜勤帯の看護師の観察項目として適切なのはどれか」のように、具体的な観察や判断を問う問題に発展します。