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周産期にある人と家族の看護
出生後3日の新生児。黄疸が認められ、経皮ビリルビン値が15.0mg/dLであった。光線療法が開始された。光線療法中の看護で適切なのはどれか。
-
1
眼帯は不要である
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2
輸液は中止する
-
3
裸眼で保育器の観察を行う
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4
体温測定は不要である
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5
オムツは外して行う
✓ 正解
解説
光線療法では光の効果を最大限にするため、オムツは外して行う(性器は最小限覆う)。眼帯は網膜保護のために必須であり、保育器の観察時も看護師は遮光眼鏡を着用する。光線療法による水分喪失や発熱に注意し、輸液や体温測定は必要に応じて行う。
同じテーマの次の問題正期産で出生した体重3200gの新生児。出生後2時間で体温36.5℃であった。新生児の体温調節に関する記述で正しいのはどれか。この問題が収録された問題集母性看護学KRW 12,900
核心解説
この問題は、新生児の生理的黄疸に対する光線療法 (Phototherapy)中の看護ケアの基本を問うています。光線療法の目的は、皮膚に光を照射し、脂溶性の間接ビリルビンを水溶性の光異性体に変換して体外へ排泄を促すことです。光線の効果を最大限に引き出すためには、照射面積を広く保つことが極めて重要です。
正解の根拠 (Answer Rationale):
正解は⑤「オムツは外して行う」です。オムツで覆われた部分には光が当たらず、治療効果が低下します。そのため、光線療法中は原則としてオムツを外し、性器など必要最低限の部分のみを小さく覆うか、または透明な素材で保護します。最重要! 照射面積を最大にすることが治療効果を高める鍵です。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
① 混同注意! 「眼帯は不要である」→ 誤り。強い光が網膜を傷つけるのを防ぐため、眼帯は必須です。眼帯は適切に固定し、ずれたり外れたりしていないか定期的に確認します。
② 「輸液は中止する」→ 誤り。光線療法により不感蒸泄 (Insensible Water Loss) が増加し、脱水リスクが高まります。そのため、必要に応じて輸液や経口哺乳を強化し、水分バランスを維持します。中止するのは不適切です。
③ 「裸眼で保育器の観察を行う」→ 誤り。強い光線から看護師自身の目を保護するため、看護師は遮光眼鏡を着用して観察・ケアを行います。裸眼での観察は禁忌です。
④ 「体温測定は不要である」→ 誤り。光線療法の熱により新生児の体温が上昇しやすいため、体温測定は必須です。低体温や高体温を予防するため、保育器内の温度調節と併せてモニタリングします。
関連概念の整理 (Related Concepts):
光線療法中の看護ケア全体を覚えておきましょう。
1. 眼保護: 網膜保護のための眼帯装着(必須)。
2. 皮膚露出: オムツを外し、照射面積を最大化。
3. 体温管理: 発熱に注意し、定期的に体温測定。
4. 水分補給: 脱水予防のため、こまめな哺乳や輸液管理。
5. 観察: 光線療法による副作用(緑色便、発疹、脱水)の観察。
6. 体位変換: 均一に光が当たるよう、定期的に体位を変える。
概念整理: 光線療法の目的は「皮膚に光を当ててビリルビンを排泄」。その効果を最大化するためのケアが「眼帯(保護)」「オムツ外し(露出)」「体温・水分管理(合併症予防)」です。
一目で比較!:
| 項目 | 適切なケア | 不適切なケア |
|---|
| 眼帯 | 必須で装着 | 不要とする |
| オムツ | 外す(性器のみ最小限覆う) | つけたまま |
| 体温測定 | 定期的に実施 | 不要とする |
| 水分補給 | 強化する | 中止する |
| 看護師の観察 | 遮光眼鏡着用 | 裸眼で観察 |
看護過程ポイント:
- アセスメント: 経皮ビリルビン値、黄疸の範囲、全身状態(活気、哺乳状態、体温、便の色・性状)。
- 看護診断 (Nursing Diagnosis): 「高ビリルビン血症に関連した黄疸」、「皮膚統合性障害のリスク状態(光線療法による)」、「非効果的な体温調節のリスク状態」。
- 計画・実施: 眼帯の固定確認(4時間毎)、オムツ外しと体位変換(2時間毎)、体温測定(1~2時間毎)、哺乳量の確認と補水。
- 評価: 経皮ビリルビン値の低下、黄疸の消退、合併症(脱水、発熱、眼損傷)の有無。
暗記のコツ:
「光線療法の3つのキーワード」: 目を守る(眼帯)・肌を出す(オムツ外し)・熱に注意(体温測定)。この3つをセットで覚えましょう。
国試頻出ポイント:
「新生児黄疸の光線療法」は、適切なケアの組み合わせを選ばせる問題として頻出です。特に「眼帯」と「オムツ」の正誤は毎年と言っていいほど問われます。光線療法の目的(ビリルビン排泄促進)から逆算してケアを考える習慣をつけましょう。
出題パターン注意!:
単純知識問題として「光線療法中の正しいケアはどれか」だけでなく、事例問題として「出生後4日の新生児、黄疸が出現。光線療法開始。夜勤帯の看護師の観察項目として適切なのはどれか」のように、具体的な観察や判断を問う問題に発展します。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario):
新人看護師が、光線療法中の新生児のケアを担当することになりました。先輩看護師がラウンドで指導します。「この子の眼帯はきちんと固定されている?ずれていない?光が漏れて目に入っていないか確認してね。オムツは外してある?性器部分だけ最小限覆っている状態ね。それから、保育器の温度設定は適切?体温は1時間前に測ったけど、今測ってみて。少し熱っぽいようなら医師に報告して、輸液の指示をもらうことも考えるわ。」
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):- 1観察経皮ビリルビン値、バイタルサイン(特に体温)、眼帯の状態、皮膚の状態(発疹・熱傷・脱水徴候)、哺乳量・尿量、便の色(緑色便はビリルビン排泄の証拠で正常)。
- 2アセスメント光線療法の効果(ビリルビン値の推移)と副作用(発熱、脱水、眼損傷、皮膚障害)の有無を評価。
- 3報告 (SBAR)「S(状況): 光線療法中の新生児、体温が37.8℃まで上昇。B(背景): 光線療法開始後6時間経過。A(アセスメント): 光線療法による発熱の可能性。R(提案): 保育器の温度設定の調整と、必要に応じて輸液の指示をいただきたい。」
- 4介入眼帯の再固定、オムツの除去確認、体位変換(1~2時間毎)、体温が高い場合は保育器温度を下げる、哺乳量を増やすよう母親に指導。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions):
- 眼帯脱落による網膜損傷: 眼帯はしっかり固定し、新生児が自分で外せないか定期的に確認。
- 脱水・発熱: 光線療法による不感蒸泄増加と発熱に注意。体温が38.0℃以上になったら医師へ報告。
- 皮膚の熱傷: 光線ランプと皮膚の距離を適切に保つ(規定の距離を確認)。- 家族への説明: 「光線療法は黄疸を治すための治療です。お子さんの目を守るために眼帯をしています。治療中はオムツを外して光を当てますが、こまめに体温や様子を確認していますのでご安心ください。」 看護プロトコル:- 1観察項目バイタルサイン(体温、心拍数、呼吸数)、経皮ビリルビン値(開始後6時間毎)、眼帯の状態(1時間毎)、皮膚の状態(2時間毎)、哺乳量と尿量(3時間毎)。
- 2報告基準体温38.0℃以上、経皮ビリルビン値が上昇傾向、眼帯の脱落、哺乳不良。
- 3記録のポイント光線療法開始・終了時間、経皮ビリルビン値、体温、眼帯の状態、皮膚の状態、水分出納バランス。
- 4家族への説明の留意点治療の目的と期間、眼帯やオムツ外しの理由、治療中の観察事項を簡潔に説明し、不安を軽減する。
先輩看護師の一言:
「光線療法中の新生児は、見た目は大丈夫そうに見えても、実は脱水や高体温になりやすいんです。『泣き声が弱くなった』『皮膚の張りが悪い』『おしっこの回数が減った』など、小さな変化を見逃さないことが大切。国試では『オムツを外す』『眼帯は必須』の知識が基本ですが、現場ではそれに加えて『なぜ必要なのか』を理解して、安全にケアできるようになりましょう!」
- 新生児黄疸 (Neonatal Jaundice) — 新生児期にみられるビリルビン上昇による黄染。生理的黄疸と病的黄疸に分類され、光線療法の適応判断が重要。
- 光線療法 — 特定波長の光を皮膚に照射し、間接ビリルビンを水溶性の光異性体に変換して排泄を促す治療法。
- 経皮ビリルビン値 (Transcutaneous Bilirubin, TcB) — 皮膚に光を当てて非侵襲的に測定するビリルビン値。スクリーニングに用いられ、高値の場合は血液検査で確認する。
- 不感蒸泄 (Insensible Water Loss) — 皮膚や気道から気づかないうちに失われる水分。光線療法により増加し、脱水リスクを高める。
- 眼帯 (Eye Patch) — 光線療法中の網膜保護のために必須の装具。ずれや脱落がないか定期的に確認する。
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