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周産期にある人と家族の看護
産褥1日目の褥婦の子宮復古を評価するための観察項目で最も適切なのはどれか。
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1
乳房の緊満度
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2
会陰創部の状態
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3
腟分泌物の色
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4
子宮底の硬さと位置
✓ 正解
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5
下肢の浮腫の有無
解説
子宮復古の評価は、子宮底の高さ(位置)と子宮の硬さ(収縮状態)を触診で確認することが基本である。子宮が軟らかい場合は子宮弛緩による出血のリスクがある。
同じテーマの次の問題産褥1日目の褥婦の子宮底の高さとして正しいのはどれか。この問題が収録された問題集母性看護学KRW 12,900
核心解説
この問題は、産褥期の子宮復古(Involution of the Uterus)の評価方法を問うています。子宮復古とは、妊娠・分娩によって拡大した子宮が、産褥期に非妊時(約7cm、50g)の大きさと状態に戻っていく生理的過程です。この過程を評価するための最も基本的で重要な観察項目は、子宮底の硬さ(収縮状態)と位置(臍高からの下降度)を触診で確認することです。最重要! 子宮が収縮不良で軟らかい状態(子宮弛緩)は、産後出血の重大なリスクとなります。
正解の根拠 (Answer Rationale): 子宮復古 (Involution of the Uterus) の評価は、子宮底の高さ(位置)と子宮の硬さ(収縮状態)を触診で確認することが基本です。産褥1日目では、子宮底は臍の高さか、臍のやや下方に触知され、硬く収縮していることが正常です。子宮底が軟らかい場合は子宮弛緩(Uterine Atony)を示し、弛緩出血のリスクがあるため、早期発見・対応が必要です。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意! ①番の乳房の緊満度は、乳汁分泌や乳腺炎の評価項目であり、子宮復古の直接評価にはなりません。②番の会陰創部の状態は、縫合創の治癒過程や感染徴候の評価項目です。③番の腟分泌物の色は、悪露(Lochia)の性状評価(血性→漿液性→白色への変化)に用い、子宮復古の補助的指標とはなりますが、直接的な評価ではありません。⑤番の下肢の浮腫の有無は、妊娠高血圧症候群や深部静脈血栓症の評価項目です。
関連概念の整理 (Related Concepts): 子宮復古の経時的変化(産褥1日目:臍高、1週間後:超恥骨結合上、2週間後:骨盤内に戻る)や、悪露の変化(血性悪露:産後3~4日、漿液性悪露:産後4~10日、白色悪露:産後10~14日以降)も併せて押さえておきましょう。
概念整理: 子宮復古 (Involution of the Uterus) は、分娩後、子宮が元の大きさに戻る生理的過程。評価は子宮底の硬さと位置の触診が基本。軟らかい場合は子宮弛緩による出血リスクあり。
一目で比較!:
| 評価項目 | 子宮復古評価 | 悪露評価 |
|---|
| 観察内容 | 子宮底の高さと硬さ | 悪露の色・量・臭い |
| 方法 | 触診(子宮底を固定し圧迫) | 目視(ナプキンの交換時) |
| 異常所見 | 子宮底が軟らかい(子宮弛緩) | 悪露が急に増える、悪臭がする |
看護過程ポイント: アセスメント: 産褥1日目の子宮底は臍高に触れ、硬さは硬い(硬いゴムボール様)。看護診断: 「子宮復古の遅延リスク状態」や「出血リスク状態」を考慮。計画・実施: 定期的な子宮底触診と子宮マッサージ(輪状マッサージ)の実施、膀胱の排尿状態確認(膀胱充満が子宮収縮を阻害)。評価: 子宮底の高さが経日的に下降し、硬さが保たれていることを確認。
暗記のコツ: 「子宮復古=子宮底の硬さと位置」と覚えましょう。「柔らかくて高い=弛緩して出血リスク」とイメージすると記憶に残りやすいです。
国試頻出ポイント: 子宮復古の正常経過(日数と子宮底の高さ)、異常時の対応(子宮弛緩時の輪状マッサージ、オキシトシン投与、出血量の観察)は毎年必出です。また、悪露の変化と子宮復古の関連もよく問われます。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario): あなたは産科病棟の新人看護師です。産褥1日目の褥婦(35歳、初産)の日勤の観察を担当しています。バイタルサインは安定していますが、子宮底の触診を試みると、子宮底が臍の2横指上に触れ、かつ非常に軟らかく、触れるたびに多量の出血が認められます。褥婦は「お腹が少し張る感じがする」と話しています。看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 最重要! 直ちに子宮弛緩(Uterine Atony)による弛緩出血を疑い、医師へ報告します(SBARで報告: S: 子宮底が臍上2横指、軟らかい、出血量増加、B: 産褥1日目、S: 子宮弛緩の疑い、A: 子宮マッサージ開始、バイタルサイン測定、R: 至急確認必要)。同時に、子宮底を圧迫して血栓を排出しながら輪状マッサージを実施し、オキシトシン(Oxytocin)点滴の準備をします。出血量、バイタルサイン(血圧、脈拍、SpO2)、意識レベルの観察を強化します。患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): 子宮マッサージは強すぎると子宮内膜損傷のリスクがあるため、適切な圧で行います。膀胱が充満していると子宮収縮を妨げるため、排尿の有無も確認します。出血が大量でショック状態に陥るリスクがあるため、輸液ルートの確保と輸血準備も迅速に行います。
看護プロトコル: 観察項目: 子宮底の硬さ・高さ、出血量(ナプキンの交換頻度、血液の付着範囲)、バイタルサイン、意識レベル、顔色、尿量。報告基準(SBAR): 上記の通り。記録のポイント: 子宮底の触診結果(硬さ・位置)、実施したケア(マッサージ、薬剤投与)、出血量(gやmlで記録)、患者の反応、医師への報告時刻と指示内容を正確に記載。
先輩看護師の一言: 「産後出血は生命に関わる緊急事態です!『子宮底が柔らかい』というサインを見逃さず、すぐに行動に移せるように、日頃から正常と異常の感覚を磨いておきましょう。特に新人さんは、触診の仕方を先輩に確認しながら、確実にアセスメントできるよう練習してくださいね!」
- 子宮復古 — 分娩後に子宮が非妊時の大きさと状態に戻る生理的過程。評価には子宮底の高さと硬さの触診が必須。
- 子宮弛緩 — 分娩後、子宮筋の収縮が不十分で子宮が軟らかくなった状態。弛緩出血の主要原因。
- 産褥期 — 分娩後から生殖器が非妊時の状態に回復するまでの約6~8週間の期間。
- 子宮底 — 子宮の最上部で、子宮復古の評価時に触診する部分。
- 悪露 — 産褥期に子宮・腟から排出される分泌物で、血性・漿液性・白色へと変化する。
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