核心解説
この問題は、
産褥期 (Puerperium) の子宮復古 (Involution of the Uterus) に伴う
悪露 (Lochia) の生理的経過と性状変化を問うています。悪露は、子宮内膜の創面からの分泌物で、剥離部位の修復過程を反映します。その性状と経過を正確に理解することが、産褥期の正常・異常のアセスメントに不可欠です。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 産褥期の悪露は、時間経過とともに以下のように明確に変化します。
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産褥1~3日目: 血性悪露 (Lochia Rubra) 血液成分が主体で、暗赤色。
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産褥4~7日目: 漿液性悪露 (Lochia Serosa) 血液量が減り、血清・白血球・脱落膜を含み、褐色~淡紅色。
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産褥7~10日目以降: 白色悪露 (Lochia Alba) 白血球・脱落膜・細菌が主体で、黄白色~白色。
したがって、
産褥7~10日目以降は白色悪露となるという選択肢②が正解です。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
①
混同注意! 悪露の量が最も多いのは産褥1~3日目(血性悪露の時期)です。産褥3日目をピークとして減少するというのは誤りです。
③
混同注意! 悪露の量は、一般に初産婦よりも
経産婦 (Multipara) の方が多いとされています。これは、経産婦では子宮筋の緊張がやや緩みやすく、収縮が初産婦より弱い傾向があるためです。
④ 産褥4~7日目は漿液性悪露の時期であり、血性悪露は産褥1~3日目です。
⑤ 産褥1~3日目は血性悪露の時期であり、漿液性悪露は産褥4~7日目です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
悪露の異常所見として、
悪露の増加、
悪露の持続、
悪露の悪臭、
凝血塊の混入などは、子宮復古不全や産褥感染 (Puerperal Infection) の徴候です。また、白色悪露に再び血液が混じる場合は、胎盤遺残や感染の可能性も考慮します。
概念整理: 産褥期の子宮復古と悪露の変化
| 時期 | 悪露の種類 | 色調・性状 | 主な成分 |
| 産褥1~3日目 | 血性悪露 (Lochia Rubra) | 暗赤色、血液主体 | 赤血球、血液 |
| 産褥4~7日目 | 漿液性悪露 (Lochia Serosa) | 褐色~淡紅色、血清様 | 血清、白血球、脱落膜 |
| 産褥7~10日目以降 | 白色悪露 (Lochia Alba) | 黄白色~白色、粘性 | 白血球、脱落膜、細菌 |
一目で比較!:
- 血性悪露 (Lochia Rubra): 産褥早期で量が最も多い。
- 漿液性悪露 (Lochia Serosa): 血性から白色への移行期。
- 白色悪露 (Lochia Alba): 子宮復古完了期。
看護過程ポイント:
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アセスメント: 悪露の色調、量、性状、臭気、凝血塊の有無を観察。頻度は産褥早期は頻回(1~2時間毎)、その後は状態に応じて調整。
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看護診断 (Nursing Diagnosis): 「感染リスク状態 (Risk for Infection)」- 子宮内創面からの上行性感染予防のため。
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計画・介入: 清潔ケア(特に会陰部)、パッドの適切な交換(前後・中央からの感染予防)、子宮底の触診による子宮復古の評価。
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評価: 悪露が正常な経過をたどっているか、異常兆候(悪臭、凝血塊、急増など)がないか確認。
暗記のコツ: 「血・漿・白」の順番と日数をセットで覚えましょう。「1~3日目は赤い血(血性)、4~7日目は血清っぽい茶色(漿液性)、7~10日目以降は白くなる(白色)」とリズムで覚えると忘れにくいです。
国試頻出ポイント: 悪露の正常経過と異常徴候は、産褥期のアセスメントの基本として頻出です。また、産褥感染や子宮復古不全との関連、母性看護の実習でも必ず観察する項目です。
出題パターン注意!: 単純な日数と性状の組み合わせ問題から、事例問題で「産褥5日目の患者に血性悪露が続いている」という異常所見をアセスメントさせる問題に発展します。