核心解説
この問題は、
デンバー式発達スクリーニング検査 (Denver Developmental Screening Test, DDST) の評価領域に関する知識を問うています。DDSTは、乳幼児期の発達を標準化された方法でスクリーニングするための検査であり、特定の領域に焦点を当てています。ここで求められるのは、DDSTが何を評価するためのツールであり、何を評価しないのかを正確に理解することです。DDSTは発達の「遅れ」を発見するためのスクリーニングであり、
混同注意! 知能指数 (Intelligence Quotient, IQ) のような知能そのものを測定するものではありません。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! DDSTの評価領域は、
「個人-社会 (Personal-Social)」、
「微細運動-適応 (Fine Motor-Adaptive)」、
「言語 (Language)」、
「粗大運動 (Gross Motor)」の4領域です。この検査は、各月齢・年齢における通過・未通過項目を観察し、発達のプロフィールを描きます。選択肢4の「知能指数」は、DDSTの評価項目には含まれません。知能指数は、ウェクスラー式知能検査 (WPPSI, WISC) などの知能検査で測定されるものであり、発達スクリーニングの目的とは異なります。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
*
①言語 (Language): これはDDSTの4領域の一つです。言語発達のスクリーニングとして、語彙や指示理解などを評価します。
*
②粗大運動 (Gross Motor): これもDDSTの4領域の一つです。座位、歩行、走行など、大きな筋肉を使った運動能力を評価します。
*
③個人-社会 (Personal-Social): これもDDSTの4領域の一つです。他者との関わりや身の回りのことの自立度などを評価します。
*
⑤微細運動-適応 (Fine Motor-Adaptive): これもDDSTの4領域の一つです。積み木をつかむ、線を描くなど、手指の細かい動きと、物を使う適応能力を評価します。
混同注意! DDSTは「スクリーニング」であり、確定診断や知能指数のような「数値化された知能」を測定するものではないことを理解しておきましょう。
関連概念の整理 (Related Concepts)
発達検査には、DDSTの他に
新版K式発達検査や
遠城寺式乳幼児分析的発達検査表などがあります。これらは発達の「指数 (DQ: Developmental Quotient)」を算出するため、DDSTとは異なります。また、知能検査は
IQ (Intelligence Quotient)を測定するものであり、概念を整理しておくことが重要です。
概念整理
DDSTは発達のスクリーニング検査であり、評価領域は以下の4つです。
| 領域 |
評価内容の例 |
| 個人-社会 |
人見知り、バイバイ、スプーンで食べる |
| 微細運動-適応 |
ガラガラをつかむ、積み木を積む、線をなぞる |
| 言語 |
クーイング、有意語の発語、二語文 |
| 粗大運動 |
首すわり、寝返り、独歩、階段昇降 |
知能指数 (IQ) は評価しないことを覚えておきましょう。
一目で比較!
| 検査名 |
目的 |
評価するもの |
| DDST |
発達遅延のスクリーニング |
発達領域の通過・未通過 (プロフィール) |
| 新版K式発達検査 |
発達の状態を詳細に評価 |
発達指数 (DQ) |
| 知能検査 (WPPSI等) |
知的能力の測定 |
知能指数 (IQ) |
看護過程ポイント
小児看護において、発達スクリーニングの結果は看護アセスメントの一部となります。例えば、DDSTで「言語」領域の遅れが疑われた場合、看護師は
聴覚スクリーニングや
家庭での養育環境についてさらに情報収集し、必要に応じて専門機関への紹介を検討します。
暗記のコツ
DDSTの4領域は、
「個・微・言・粗」(こ・び・げん・そ)と頭文字を取って覚えましょう。また、
混同注意! 「知能 (IQ)」は「発達 (DQ)」とは別物だと意識することが重要です。DDSTは「スクリーニング」であり、数値化する「検査」ではない、と覚えると間違えにくいです。
国試頻出ポイント
DDSTの4領域は毎回と言っていいほど頻出です。特に「知能指数」が含まれないという点は、誤答選択肢としてよく使われます。また、DDSTの目的を「発達のスクリーニング」と正しく理解しているかが問われます。
出題パターン注意!
単純に「DDSTの評価領域はどれか」という知識問題だけでなく、「生後○ヶ月の乳児にDDSTを実施した結果、微細運動領域で遅れがみられた。看護師の対応として適切なのはどれか」といった、結果に基づいた看護介入を問う状況設定問題に発展することもあります。