75歳の女性。要介護2で、認知症のため食事摂取量が減少している。身長150cm、体重38kg。血清アルブミン値2.8g/… | MyMerci
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高齢者に特有な症候・疾患・障害と看護
問題

75歳の女性。要介護2で、認知症のため食事摂取量が減少している。身長150cm、体重38kg。血清アルブミン値2.8g/dL。この患者の低栄養状態を評価する指標として最も適切なのはどれか。

解説
低栄養のスクリーニングおよび評価において、BMIは簡便で国際的に標準化された指標である。本症例ではBMI=38/(1.5^2)=16.9と算出され、低栄養(やせ)と判定される。血清アルブミンは半減期が長く(約20日)、栄養状態の変化を反映しにくい。プレアルブミン(半減期約2日)は急性の栄養状態変化の評価に有用だが、第一選択としてBMIが最も基本的かつ適切な指標である。
同じテーマの次の問題82歳の男性。肺炎で入院中。食事摂取量が入院前の約50%に低下し、体重が1か月で3kg減少した。血清アルブミン値2.5g/dL。この患者に対する栄養介入として優先すべきなのはどれか…

詳細解説

核心解説 この問題は、高齢者の低栄養状態を評価するための 最適な指標 を問うています。低栄養の評価には様々な指標がありますが、それぞれの特性(何を反映するのか、変化を捉えるのにどれくらいの時間がかかるのか)を理解することが、正解を導く鍵となります。 低栄養 (Malnutrition) の評価は、単一の指標ではなく、複数の項目を組み合わせて総合的に判断します。本症例の 身長150cm、体重38kg、BMI 16.9 という数値は、国際的な基準(WHO)で 低体重(やせ) に分類され、低栄養の存在を強く示唆しています。
1. 正解の根拠 (Answer Rationale): 最重要! BMI (Body Mass Index) 16.9 は、低栄養のスクリーニングおよび評価において、最も基本的で国際的に標準化された指標です。計算式は 体重(kg) ÷ 身長(m)² であり、この値が低いことは、相対的なエネルギー不足を示します。高齢者では BMI 18.5未満 が低栄養のリスクとされ、本症例は明らかに低栄養状態にあります。最も簡便で客観的な評価指標です。 2. 誤答の分析 (Distractor Analysis): - ② 血清総コレステロール値: 脂質代謝の指標であり、栄養状態を反映する可能性はありますが、低栄養に特異的ではなく、炎症や疾患の影響も受けやすいため、第一選択とはなりません。 - ③ 上腕三頭筋皮下脂肪厚: 混同注意! これは 体脂肪量 を評価する指標であり、低栄養の評価項目の一つではありますが、筋肉量やエネルギー不足を直接反映するわけではありません。測定にはキャリパーが必要で、簡便性に欠けます。 - ④ 体重減少率: 重要! 低栄養のスクリーニングにおいて非常に重要な指標ですが、この問題では「現在の」状態を評価する指標として最も適切かを問うています。体重減少率は「変化」をみる指標であり、「現時点の状態」を最も端的に表すBMIの方が優先されます。 - ⑤ プレアルブミン値: 半減期が約2日と短く、急性の栄養状態の変化 を評価するのに有用です。しかし、本症例のように慢性的な低栄養状態の評価には、より長期的な栄養状態を反映する指標(アルブミンやBMI)が適切です。 3. 関連概念の整理 (Related Concepts): 低栄養の評価には、**栄養スクリーニングツール (Nutrition Screening Tool)** が活用されます。代表的なものに MNA (Mini Nutritional Assessment)GNRI (Geriatric Nutritional Risk Index) があります。これらのツールは、BMI、体重減少、食事摂取量、疾患の有無などを組み合わせて評価します。血清アルブミン(半減期約20日)は、慢性的な低栄養や炎症の指標として用いられますが、急性期の変化には追従しにくい点を理解しましょう。
概念整理:
指標評価対象特徴
BMI相対的なエネルギー不足(体格)簡便、国際標準、現在の状態を把握
体重減少率栄養状態の経時的変化変化を捉える、スクリーニングに有用
血清アルブミン内臓タンパク質(慢性的栄養状態)半減期が長い(約20日)、炎症の影響も受ける
プレアルブミン内臓タンパク質(急性栄養状態)半減期が短い(約2日)、経過観察に有用

看護過程ポイント: - アセスメント: 低栄養が疑われる患者では、まず 身長・体重の正確な測定 を行い、BMIを算出します。さらに、体重減少の有無(3ヶ月で5%以上など)、食事摂取量の変化、嚥下機能、消化器症状、心理的因子(うつ、認知症)などを総合的にアセスメントします。 - 看護診断 (Nursing Diagnosis): 「栄養摂取量低下 (Imbalanced Nutrition: Less Than Body Requirements)」などが優先されます。 - 計画・介入: 栄養状態の改善には、栄養補給法(経口、経管、静脈栄養)の選択、食事環境の調整(見やすい、食べやすい形態、声かけ)、必要に応じて栄養士との連携、口腔ケアの徹底などが含まれます。
国試頻出ポイント: - 低栄養の指標は、単純暗記ではなく、**それぞれの指標が「何を」「どのタイミングで」評価するのか** を問う問題が頻出です。 - 特に 混同注意! **BMI vs 体重減少率**、**アルブミン vs プレアルブミン** の違いは必ず押さえましょう。 - 高齢者の低栄養は フレイル (Frailty)サルコペニア (Sarcopenia) と密接に関連しており、その概念も併せて学習しておくと良いでしょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド - 臨床シナリオ (Clinical Scenario): あなたは一般病棟の看護師です。75歳の女性患者が、大腿骨頸部骨折の手術後、経過は良好ですが、食事の摂取量が少なく、ADLの低下が懸念されています。担当の管理栄養士から「血清アルブミンが2.8g/dLと低く、栄養状態が懸念される」と報告がありました。 - 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): まず、患者の体重を測定し、BMIを計算します(この患者さんでは16.9と低い値)。次に、食事摂取量の記録 を開始し、食べ残しの量や食べている時間、食事中の表情を観察します。また、体重減少の有無 を入院前と比較して確認します。これらの情報を基に、栄養士とカンファレンスを行い、エネルギー・タンパク質を強化した食事の提供や、食事の形態変更(きざみ食やソフト食)、補食(間食)の追加を検討します。さらに、患者の認知症の進行度に合わせて、食事の際に声かけをしたり、食べやすいように食器を工夫したりします。経過を追って、血清アルブミン値やプレアルブミン値の推移 も確認します。 - 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): - 転倒・転落予防: 低栄養状態は筋力低下(サルコペニア)を招き、転倒リスクが高まります。歩行補助具の使用や、病室環境の整頓を徹底します。 - 誤嚥性肺炎予防: 低栄養に加え、加齢や認知症による嚥下機能低下が疑われるため、食事中の姿勢(座位保持)、摂食ペースの確認、食事後の口腔ケアを徹底します。
先輩看護師の一言: 「低栄養は、創傷治癒の遅延や免疫力低下、筋力低下など、あらゆる合併症のリスクを高めます。『体重が減ってきているな』と感じたら、まずは正確な体重測定と食事摂取量の観察から始めましょう。そして、『なぜ食べられないのか』という原因(歯の問題、嚥下障害、うつ症状、認知症の周辺症状など)を探ることが、看護師の大事な役割です。単なる数値だけでなく、患者さん全体をみる目を養ってください!」

重要概念

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