中心静脈栄養(TPN)を実施中の患者に生じやすい合併症はどれか。 | MyMerci
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問題

中心静脈栄養(TPN)を実施中の患者に生じやすい合併症はどれか。

解説
中心静脈栄養では、カテーテル留置部位からの細菌侵入によるカテーテル関連血流感染が最も注意すべき合併症である。また、高血糖や電解質異常、脂肪塞栓などの代謝性合併症も生じる。誤嚥性肺炎は経腸栄養で多い合併症である。
同じテーマの次の問題経口摂取が可能な患者の食事介助で、誤嚥を予防するための体位として適切なのはどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、中心静脈栄養法 (Total Parenteral Nutrition, TPN) を実施中の患者に生じる合併症について問うています。TPNは高カロリー輸液を中心静脈カテーテルから持続投与する方法であり、カテーテル留置に伴う感染リスクが最大の注意点です。 特に、カテーテル挿入部位から皮膚の常在菌(主にブドウ球菌)が血管内に侵入し、血流感染を引き起こすことが最も頻度が高く、重症化しやすい合併症です。TPN管理では、無菌操作の徹底とカテーテル挿入部の観察が必須です。

正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は「カテーテル関連血流感染 (Catheter-Related Bloodstream Infection, CRBSI)」です。最重要! TPNは血管内に直接カテーテルを留置するため、皮膚の細菌がカテーテルを伝って血流に入り込み、敗血症に至るリスクがあります。発熱、悪寒、穿刺部の発赤や排膿などの症状が見られた場合、直ちに医師へ報告し、血液培養やカテーテル抜去の検討が必要です。予防には、カテーテル挿入時の最大限の無菌バリアと定期的なドレッシング交換が重要です。

誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①番の腸閉塞はTPNとは直接関係がなく、腹部手術後やイレウスなどの病態で生じます。
②番の胃潰瘍は、経鼻胃管挿入やストレス、NSAIDsの使用などが原因であり、TPN単独では発生しません。
④番の尿路感染は、膀胱留置カテーテルに関連する合併症であり、TPNとは無関係です。
⑤番の誤嚥性肺炎は、経腸栄養 (Enteral Nutrition) で頻発する合併症であり、TPNでは消化管を経由しないため発生しません。混同注意! 栄養投与経路と合併症のセットで覚えましょう(経腸=誤嚥性肺炎、中心静脈=血流感染)。

関連概念の整理 (Related Concepts)
TPNのその他の合併症として、代謝性合併症も重要です。高カロリー輸液による高血糖(血糖値の定期的なモニタリングとインスリン投与が必要)、電解質異常(カリウム、リン、マグネシウムの変動に注意)、および脂肪塞栓(脂肪乳剤の急激な投与で生じる可能性)などがあります。これらも国試で頻出なので、合わせて押さえましょう。

概念整理: TPNの合併症は「感染性(カテーテル関連血流感染が最優先)」「代謝性(高血糖・電解質異常)」「機械的(気胸・カテーテル断裂・血栓症)」の3つに分類して覚えると整理しやすいです。特に感染症は致死的になりうるため、予防策と早期発見が看護の最重要課題です。

一目で比較!:
栄養法主な合併症
経腸栄養 (EN)誤嚥性肺炎、下痢、便秘、チューブトラブル
中心静脈栄養 (TPN)カテーテル関連血流感染、高血糖、気胸


看護過程ポイント: アセスメント:バイタルサイン(発熱の有無)、カテーテル挿入部の発赤・腫脹・排膿、血糖値。看護診断:「感染リスク状態」「血糖変動リスク状態」。計画:無菌操作の徹底、ドレッシング交換の頻度と方法の遵守、血糖測定のタイミング。実施:手洗いとアルコール消毒、ドレッシング交換時の観察、輸液ラインの接続部消毒。評価:感染徴候の有無、血糖値の正常化。

暗記のコツ: 「TPNは Tube(カテーテル)が血管の中!→感染のリスク!」と覚えましょう。経腸栄養は「口から食べないでチューブで胃に栄養→誤嚥のリスク!」です。経路とリスクをイメージで結びつけると忘れません。

国試頻出ポイント: TPNの合併症は「カテーテル関連血流感染」がほぼ毎回のように選択肢に入ります。誤嚥性肺炎とセットで「どちらがTPNの合併症か」を問う形式が非常に多いです。また、血糖管理(インスリンの持続皮下注やスライディングスケールの適応)も合わせて出題されます。

出題パターン注意!: 「TPN管理中に発熱と悪寒が出現。看護師の対応として適切なのはどれか」という状況設定問題に発展します。選択肢には「輸液速度を上げる」「カテーテルを抜去する(医師の指示が必要)」「解熱剤をすぐに投与する」などが並び、正解は「直ちに医師へ報告し、血液培養を実施する」となります。対応の優先順位を考えられるようにしておきましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
60代女性、大腸癌術後でTPN管理中。今朝のバイタルサインは血圧100/60mmHg、脈拍90回/分、体温36.8℃と落ち着いていました。午後3時の回診時、患者さんが「なんだか寒気がする」と訴え、検温すると38.5℃まで上昇していました。カテーテル挿入部(右鎖骨下)を観察すると、わずかに発赤が見られます。

看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
最重要! まず、バイタルサイン(血圧・脈拍・呼吸数・SpO2)を再測定し、全身状態の変化をアセスメントします。次に、カテーテル関連血流感染 (CRBSI) を疑い、直ちに医師へ報告します(SBARで報告:S「38.5度の発熱あり」、B「TPN管理中、穿刺部に発赤あり」、A「カテーテル関連血流感染の可能性が高い」、R「血液培養とカテーテル抜去の検討をお願いします」)。医師の指示に基づき、血液培養(末梢血とカテーテル内血液の2セット)を採取し、発熱時の対応(冷却、解熱剤の準備)を行います。同時に、他の発熱原因(尿路感染、肺炎など)も念のためアセスメントし、既往歴や他部位の観察も行います。

患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
最重要! TPN管理中の看護師の最大の役割は、感染予防と早期発見です。毎日のカテーテル挿入部の観察とドレッシング交換は、必ず無菌操作で行い、発赤、腫脹、熱感、排膿がないか確認します。また、輸液ラインの接続部は、注射器や輸液セット交換時に必ずアルコール綿で消毒し、混注操作は無菌的に行うことが鉄則です。もし発熱や悪寒が出現した場合、自己判断で解熱剤を投与せず、必ず医師に報告し、感染の有無を確認することが患者の生命を守る第一歩です。

看護プロトコル: 観察項目:穿刺部の皮膚所見(発赤・腫脹・熱感・排膿・圧痛)、カテーテル固定状態、輸液ポンプの作動状況、バイタルサイン(特に体温)、血糖値。 報告基準(SBAR):発熱(38℃以上)、悪寒戦慄、穿刺部の異常所見、血糖値の異常(250mg/dL以上または70mg/dL未満)。 記録のポイント:観察した穿刺部の状態(発赤の範囲など)、体温測定値と時間、医師への報告内容と指示、実施したケア(血液培養採取など)を正確に記録。

先輩看護師の一言: 「TPNのカテーテルは、患者さんの命をつなぐ大事なラインです。でも、それが感染の入り口になる可能性も常に考えてください。『いつもと違うな』という小さなサイン(微熱や少しの穿刺部の違和感)を見逃さないことが、重症化を防ぐ最善の方法です。国試でも『予防』と『早期発見』の視点が必ず問われますよ!」

重要概念

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