入院患者の転倒・転落防止対策として適切なのはどれか。 | MyMerci
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問題

入院患者の転倒・転落防止対策として適切なのはどれか。

解説
転倒・転落防止には、患者の履物を滑りにくいものにすることが有効である。ベッドの高さは低く設定し、ナースコールは手の届く場所に置く。ベッド柵は全て上げるとかえって患者が乗り越えようとして危険な場合があり、患者の状態に応じて調整する。点滴スタンドはベッドの近くに置き、歩行時のバランスを保ちやすくする。
同じテーマの次の問題医療安全対策として、患者誤認防止のために最も推奨される確認方法はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、入院患者の転倒・転落防止 (Fall Prevention in Hospitalized Patients) の具体的な対策を問うています。転倒・転落は、入院中の患者に最も多く発生する医療事故の一つであり、骨折や頭部外傷などの重大な二次障害につながる可能性があります。最重要! 看護師は、患者の状態(年齢、ADL、薬剤の影響、環境因子など)をアセスメントし、多角的な予防策を実施する必要があります。正解は「患者の履物は滑りにくいものを使用する」です。 正解の根拠 (Answer Rationale) 履物 (Footwear) は転倒予防の基本です。滑りにくい素材で、足にしっかりフィットし、脱げにくい靴(例:ウォーキングシューズ)の使用を推奨します。病院のスリッパはかかとがなく脱げやすく、転倒リスクを高めるため、可能な限り避けるべきです。これは環境調整の中でも比較的簡単に介入でき、即効性のある対策です。 誤答の分析 (Distractor Analysis) 混同注意! 各選択肢は、転倒防止策として一見正しそうに見えても、実際には患者の安全を脅かす可能性があります。 - ①番(ベッド柵常時全上げ):全て上げることが常に安全とは限りません。認知症やせん妄の患者は、柵を乗り越えようとしてかえって転落リスクが高まることがあります(混同注意! ギャッチアップ柵 vs サイドレール)。患者の状態に応じて、一部を下げる、マットレスを床に置くなどの柔軟な対応が必要です。 - ③番(ナースコールを手の届かない場所):これは危険です。患者が助けを求めたい時に呼べないため、自分で無理に動こうとして転倒するリスクが高まります。ナースコールは常に患者の手の届く場所に置き、使用方法を確認します。 - ④番(点滴スタンドをベッドから離す):点滴スタンドを遠くに置くと、患者が無理に手を伸ばしたり、歩行時にバランスを崩す原因になります。点滴スタンドは患者のそば、ベッドの近くに置き、歩行時の支持として使用できるようにします。 - ⑤番(ベッドの高さを最も高い位置に固定):ベッドは最も低い位置に設定するのが原則です。高い位置からの立ち上がりや移乗はバランスを崩しやすく、転落した場合の衝撃も大きくなります。特に夜間は必ず低い位置に固定します。 概念整理 転倒・転落防止の基本は、①患者要因のアセスメント(年齢、筋力、バランス、視力、認知機能、内服薬(睡眠薬・降圧薬・抗精神病薬など))と ②環境調整(照明、床の状態、履物、ベッドの高さ、手すり、ナースコール、点滴・ドレーンの位置)の2軸で考えます。全ての患者に一律の対策ではなく、個別性を考慮したケアが求められます。 一目で比較!
対策適切な例不適切な例
ベッド低い位置に固定、夜間は特に注意高い位置に固定、固定しない
ナースコール手の届く枕元に置き、使用方法を指導ベッド柵に掛けるのみ、手の届かない場所
履物滑りにくく、かかとがある靴病院スリッパ、かかとのないサンダル
ベッド柵患者状態に応じて一部解放常時全上げ(乗り越えリスク)
看護過程ポイント - アセスメント: 入院時に転倒リスク評価スケール(例:Morse Fall Scale、Stratify)を実施し、リスクの高い患者を特定する。 - 看護診断: 「転倒リスク状態」や「身体的損傷リスク状態」が該当。 - 計画・実施: リスクに応じて、ベッド低位置固定、履物指導、ナースコール設置、必要時センサーマットやコールメイトの使用、スタッフへの情報共有(カンファレンス、記録)を行う。 - 評価: 介入後の転倒発生状況を確認し、必要に応じて対策を見直す。 暗記のコツ 転倒防止の3原則「環境整備(履物・照明・床)」「身体機能維持(リハビリ・筋力強化)」「薬剤管理(特に睡眠薬・降圧薬)」を覚えましょう。特に「履物は滑りにくく、かかとあり」は絶対に外さないでください。 国試頻出ポイント 転倒・転落は毎年必ず出題されるテーマです。特に「適切な環境整備」「高齢者の特性(視力低下、筋力低下、多剤服用)」「認知症患者の対応(ベッド柵のジレンマ)」が問われます。状況設定問題では、「夜間トイレに行きたくなった認知症高齢者への対応」として出題されることが多いです。 出題パターン注意! 「適切なのはどれか」という単純な知識問題の他に、「転倒防止のために看護師が最初に行うべきことは?」「転倒後のアセスメントと対応」といった事例形式でも出題されます。事例では、患者の状態(認知症の有無、内服薬など)を読み解く力が求められます。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 85歳女性、大腿骨頸部骨折術後3日目。夜間、痛みのため睡眠導入剤(ベンゾジアゼピン系)を内服しました。夜間帯にトイレに行きたくなり、自分でベッドから立ち上がろうとしています。看護師はどのような予防策を講じるべきでしょうか? 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 1. 観察とアセスメント: 患者の状態(意識レベル、ふらつきの有無)と内服薬の影響をアセスメント。夜間帯の転倒リスクが非常に高いと判断。 2. 報告と連携: 必要時、医師に状況を報告し、内服薬の変更(超短時間型への変更など)や、尿器・ポータブルトイレの使用を提案。 3. 介入: 最重要! ベッドを最も低い位置に固定。ベッド柵は患者が乗り越えようとしないよう、一部解放(下半分程度)して転落時の衝撃を軽減。ナースコールを手元に置き、必ずコールしてから立ち上がるよう説明。定期的な夜間巡視(1~2時間ごと)を徹底。 4. 環境調整: 床に物を置かない。足元灯をつけて視界を確保。滑りにくい靴下または履物を準備。 5. 評価: 介入後、転倒なく夜間を過ごせたか確認。翌朝、患者の睡眠状況とふらつきの有無を評価。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): - 混同注意! ベッド柵を全て上げることは「抑制」とみなされる場合があり、患者のQOL低下やかえって転落リスクを高めるため、倫理的配慮と個別対応が必要です。 - 薬剤(特に睡眠薬・抗不安薬・降圧薬・利尿薬)服用後の転倒リスクは特に高いため、内服時間と行動パターンを把握します。 - 転倒発生時は、ただちに患者の安全を確保し、医師へ報告、状態観察(バイタルサイン、神経症状、骨折の有無)と記録を徹底します。 看護プロトコル - 観察項目: バイタルサイン、意識レベル(JCS)、歩行状態、筋力、バランス能力、内服薬の内容と服用時間、排泄パターン、夜間の睡眠状況。 - 報告基準(SBAR): S「状況:〇〇病棟の患者、△△様が夜間転倒リスク高い」→ B「背景:昨夜睡眠導入剤内服後、夜間トイレ歩行あり」→ A「アセスメント:薬剤によるふらつきと夜間の認知機能低下による転倒リスク上昇」→ R「提案:ベッド低位置固定、定時巡視頻度の増加、医師へ内服薬の再検討を提案」。 - 記録のポイント: 転倒リスクアセスメントスコア、実施した予防策(具体的な環境調整内容、患者指導内容)、家族への説明内容と同意。 先輩看護師の一言 「転倒予防で一番大事なのは『その患者さんがいつ、どんな時に転びやすいか』を予測することです。国試の知識も大事ですが、現場では『この患者さん、さっき睡眠薬飲んだから、夜中にトイレに行きたくなるかもしれない。ベッドを低くして、コールを置いて、ちょっと様子を見に行こう』という先回りのアセスメントが命を守ります。暗記だけでなく、患者さんの行動を想像する力をつけてくださいね!」

重要概念

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