患者の症状として「胸痛」が報告された場合、緊急性の高い疾患を疑う所見はどれか。 | MyMerci
この問題が収録された問題集看護師の基本となる基礎看護学 問題集を見る
共通基本技術
問題

患者の症状として「胸痛」が報告された場合、緊急性の高い疾患を疑う所見はどれか。

解説
圧迫感が持続し冷汗を伴う胸痛は、急性心筋梗塞(AMI)などの緊急性の高い心疾患を強く疑う所見である。安静時に出現し数分で軽快する胸痛は狭心症発作の可能性が高く、体位変換や深呼吸で変化する胸痛は胸膜炎や筋骨格系の痛みを疑う。
同じテーマの次の問題患者の症状をアセスメントする際に、主観的データと客観的データを区別して収集する必要がある。次のうち、客観的データに該当するものはどれか?この問題が収録された問題集看護師の基本となる基礎看護学KRW 12,900 · 無料体験あり

詳細解説

核心解説 この問題は、胸痛(Chest Pain)を訴える患者さんにおいて、緊急性の高い疾患(特に急性冠症候群 (Acute Coronary Syndrome, ACS))を疑うべき所見を問うています。胸痛は、心臓由来のものから筋骨格系、消化器系、呼吸器系まで様々な原因がありますが、生命の危険に直結するかどうかを即座に鑑別することが看護師の初期アセスメントとして極めて重要です。 正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 選択肢⑤「圧迫感が持続し、冷汗を伴う」は、急性心筋梗塞 (Acute Myocardial Infarction, AMI) の典型的な症状です。冠動脈の閉塞 (Coronary Occlusion) により心筋が虚血・壊死に陥ると、持続的な圧迫感や締め付けられるような痛みが生じます。また、痛みによる交感神経の過剰興奮は発汗(冷汗)、吐き気、血圧変動を引き起こします。この症状は緊急のPCI(経皮的冠動脈インターベンション)や血栓溶解療法が必要な状態を示唆しており、直ちに医療機関での対応が必要です。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
①番「深呼吸で軽快する」:胸膜(Pleura)の炎症や肋間神経痛では、深呼吸で痛みが増強するのが一般的です。軽快する場合でも、緊急性は低く、胸膜炎や筋骨格系の問題が疑われます。
②番「体位変換で増強する」:胸壁の筋肉や骨、肋骨に由来する痛みの特徴です。心臓由来の痛みは体位変換では変化しないことが多いです。
③番「安静時に出現し、数分で自然軽快する」:混同注意! これは狭心症 (Angina Pectoris) の典型パターンです。一過性の冠動脈攣縮や狭窄による虚血であり、安静やニトログリセリンで数分以内に改善します。急性心筋梗塞と違い、緊急度は高いものの持続時間が短い点が異なります。
④番「食事の後に出現する」:消化器系(胃食道逆流症、胆石症など)が原因のことが多く、緊急性は比較的低いです。心臓由来の胸痛は食事との関連性が薄いことが多いです。 関連概念の整理 (Related Concepts)
胸痛の鑑別では、PQRST(Palliation/Provocation: 緩和・誘発因子、Quality: 性質、Region/Radiation: 部位・放散、Severity: 重症度、Time: 時間経過)のアセスメントが基本です。特に、胸痛が放散痛(左肩、左腕、顎、背部)を伴うかどうか、ニトログリセリンで改善するかも重要な判断材料です。急性心筋梗塞では、吐き気、嘔吐、呼吸困難、冷や汗を伴うことが多いです。
概念整理: 胸痛の緊急性を判断する鍵は、持続時間、誘発因子、随伴症状(冷汗・呼吸困難・吐き気)です。持続する圧迫感 + 冷汗は、最重要! 急性心筋梗塞を強く疑います。狭心症は安静や薬で数分で改善します。
一目で比較!:
疾患/原因胸痛の特徴緊急性
急性心筋梗塞持続する圧迫感 + 冷汗・呼吸困難非常に高い(緊急PCI)
狭心症安静で数分で軽快する前胸部痛高い(精査が必要)
胸膜炎深呼吸・咳嗽で増強する鋭い痛み中等度(原因精査)
筋骨格系体位変換・圧迫で変化する低い
消化器系食後・空腹時に出現する低い~中等度

看護過程ポイント: アセスメントでは、まず胸痛の有無を確認し、PQRSTで評価。同時にバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸、SpO2)と心電図モニターを装着。急性心筋梗塞が疑われる場合、看護診断: 「心拍出量減少のリスク (Risk for Decreased Cardiac Output)」 と捉え、安静保持、酸素投与、疼痛コントロール、医師への迅速な報告(SBAR)を計画・実施します。
暗記のコツ: 「持続する圧迫感 + 冷汗 = 心筋梗塞(Heart Attack!)」と覚えましょう。一方、狭心症は「数分で治まる(Angina is transient)」がポイント。
国試頻出ポイント: この問題は、急性冠症候群 (ACS) の初期症状を問う頻出パターンです。状況設定問題では、「バイタルサインが安定しているから」「痛みが軽減したから」と油断せず、持続時間と随伴症状に注目するように出題されます。
出題パターン注意!: 「胸痛を訴える患者さんへの対応で正しいのはどれか」→「まず心電図をとる」「すぐにニトログリセリンを投与する」など、具体的な看護介入を問う問題にも発展します。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
あなたは一般病棟の夜勤看護師です。70歳男性が「さっきから胸が重くて、汗が出て気持ち悪い」とナースコールを押しました。患者さんは既往に高血圧と糖尿病があります。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
まず、胸痛の性質(PQRST)を簡潔に確認し、最重要! バイタルサイン(血圧・脈拍・SpO2)と心電図モニターを装着。持続する圧迫感と冷汗を確認したら、直ちに医師へSBARで報告。「患者さんが持続する前胸部圧迫感と冷汗、吐き気を訴えています。バイタルは…(数値を報告)。急性冠症候群を疑い、12誘導心電図と心筋トロポニン検査の準備を依頼したいです。」 同時に、患者さんをギャッジアップして安静にし、酸素投与(SpO2 90%未満なら指示に従い)、ニトログリセリンの準備を行います。もし患者さんがアスピリンを内服していなければ、医師の指示で経口投与を検討します。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 禁忌! 胸痛の原因が大動脈解離の可能性もあるため、安易にニトログリセリンを投与しない(血圧低下を招く恐れ)。 - 患者さんを一人にせず、急変に備えて除細動器と救急カートを準備。 - 転倒転落予防のため、安静指示とベッド柵の使用を徹底。
看護プロトコル: 観察項目はバイタルサイン、心電図モニター(ST変化の有無)、胸痛の性状変化、随伴症状(冷汗、吐き気、呼吸困難)、尿量。報告はSBARで。記録は発生時刻、症状、アセスメント、介入内容とその後の経過を詳細に。
先輩看護師の一言: 「『胸が苦しい』は、本当に怖いサインです!特に高齢者や糖尿病患者さんは、典型的な痛みを感じないこともあるので、『なんとなく調子が悪い』『冷や汗が出る』という訴えも見逃さないでください。国試では『最も緊急性の高い所見』を選ぶ問題が多いので、冷汗・持続・圧迫感の3点セットを必ず覚えましょう!」

重要概念

基礎看護学 475 問 · ログイン不要

MyMerciで看護師国家試験を完全対策

過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。

無料で始める

学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。