腹部の打診で、鼓音が聴かれるのはどれか。 | MyMerci
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問題

腹部の打診で、鼓音が聴かれるのはどれか。

解説
鼓音はガスを含む臓器で聴かれる。胃や腸はガスを含むため鼓音となる。肝臓や脾臓、尿で充満した膀胱、腹水貯留部は含気がなく、濁音を呈する。
同じテーマの次の問題肺音の聴診で、吸気終末から呼気初期にかけて聞かれる連続性の高い音はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、腹部の打診音(打診法:Percussion)に関する基礎的な知識を問うています。打診音 (Percussion Sound) は、臓器や組織の内部の空気や液体の量によって変化し、主に 鼓音 (Tympany)濁音 (Dullness)絶対濁音 (Flatness)共鳴音 (Resonance) などに分類されます。腹部では、消化管のように空気(ガス)を含む臓器を打診すると、低く響くドラムのような音である鼓音が聴かれます。一方、肝臓や脾臓などの実質臓器、あるいは尿や腹水で満たされた部位は、含気が少なく、高く短い濁音を呈します。 正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 胃 (Stomach) は、食後などに空気(ガス)を含むことが多く、腹部打診において典型的な 鼓音 (Tympany) を呈する代表的な臓器です。特に、胃の上部にある胃泡(胃穹窿部のガス)は、左肋骨弓下で明瞭な鼓音として聴取されます。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! 肝臓 (Liver) は、血液を豊富に含む実質臓器であり、空気を含まないため、打診すると高く短い 濁音 (Dullness) を呈します。肝臓の上縁の打診は、肺野との境界を確認するために重要です。
混同注意! 脾臓 (Spleen) も肝臓と同様に実質臓器で、含気がないため、打診では 濁音 (Dullness) となります。脾腫のスクリーニングとして、脾濁音界の拡大を確認します。
混同注意! 腹水貯留部 (Ascites) は、腹腔内に液体が貯留した状態です。液体は音を伝えやすい性質があるため、打診では水平に濁音界を認める 濁音 (Dullness) または 絶対濁音 (Flatness) となります。これは 移動性濁音 (Shifting Dullness) の診察手技に利用されます。
混同注意! 膀胱 (Bladder) は、尿で充満している状態(尿充満時)では、内部が液体で満たされているため、打診すると恥骨上部で 濁音 (Dullness) を呈します。膀胱内の尿量が少ない場合や、腸管が重なっている場合は鼓音が混じることもあります。 関連概念の整理 (Related Concepts)
腹部の打診音は、腹部の状態をアセスメントする上で基本的かつ重要なフィジカルアセスメント技術です。消化管のガス貯留(鼓腸)や、腹水の有無、臓器の腫大などを評価する際に用いられます。混同注意! 胸部の打診では、肺の含気状態を評価するために 共鳴音 (Resonance)(正常肺)、鼓音(気胸:Pneumothorax)、濁音(無気肺や胸水)が使われるため、腹部の打診音と混同しないようにしましょう。 概念整理: 腹部打診音は臓器の内部の空気と液体の割合で決まる。
- 鼓音 (Tympany): 胃・腸などガスを含む臓器
- 濁音 (Dullness): 肝臓・脾臓・腎臓など実質臓器、腹水、腫瘍
- 絶対濁音 (Flatness): 骨、筋肉、大量の液体(腹水・巨大腫瘍)
- 共鳴音 (Resonance): 主に肺(腹部では聴かれない) 一目で比較!:
打診音性質腹部で聴かれる部位胸部で聴かれる部位
鼓音 (Tympany)低く長く響く音胃、腸管(ガスがある部位)気胸 (Pneumothorax)
濁音 (Dullness)高く短く、軽く抵抗がある音肝臓、脾臓、腹水無気肺 (Atelectasis)、胸水 (Pleural Effusion)
看護過程ポイント: アセスメントでは、腹部の打診を視診・聴診・触診と組み合わせて行います。打診音の異常は、患者の主訴(腹部膨満感、腹痛)と関連付けてアセスメントします。例えば、腹部全体が著明な鼓音であれば、イレウス (Ileus) や腸閉塞 (Intestinal Obstruction) の可能性を考えます。一方、移動性濁音を認めれば腹水 (Ascites) の存在を示唆します。 暗記のコツ: 「鼓音=太鼓の音=空気(ガス)が入っているところ」とイメージしましょう。太鼓は中が空洞で響く音がします。胃や腸も空気で膨らむと太鼓のように響く鼓音がします。「濁音=濁った音=実質(かたまり)や水分」と覚えましょう。肝臓は「かたまり」、腹水は「水分」で、どちらも音が響きにくく濁ります。 国試頻出ポイント: 打診音の種類とその特徴(鼓音・濁音)は、フィジカルアセスメントの基礎として頻出です。単独の知識問題だけでなく、イレウス (Ileus)腹水 (Ascites)肝腫大 (Hepatomegaly) などの病態を問う状況設定問題の中で、「この患者の腹部所見として正しいのはどれか」という形で問われることが多いです。 出題パターン注意!: 「腹部の打診で鼓音が聴かれるのはどれか」という単純知識問題から、「イレウスの患者の腹部所見として正しいのはどれか(選択肢に打診音が含まれる)」という応用問題へと発展します。打診音の意味を理解しておけば、どちらのパターンにも対応できます。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
新人看護師が、術後2日目の患者さんの腹部アセスメントを行っています。患者さんは「お腹が張って苦しい」と訴えています。新人看護師は、腹部の打診を行い、全体から鼓音が聴かれることに気づきました。また、腸蠕動音(Bowel Sounds)が減弱していることに気づきました。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 観察 (Observation): バイタルサイン(Vital Signs)、腹部の視診(膨満の程度、創部の状態)、聴診(腸蠕動音の有無・性状・頻度)、打診(鼓音の範囲・強さ)、触診(圧痛の有無、筋性防御)、排ガス・排便の有無を確認します。
2. アセスメント (Assessment): 腹部全体の鼓音と腸蠕動音の減弱は、麻痺性イレウス (Paralytic Ileus) の可能性が高いとアセスメントします。術後の腸管麻痺は一般的ですが、症状が強い場合は、より重篤なイレウスや腸閉塞への移行を警戒する必要があります。
3. 報告・介入 (Report & Intervention): アセスメント結果をSBAR (Situation-Background-Assessment-Recommendation) を用いて医師に報告します。医師の指示のもと、経鼻胃管 (Nasogastric Tube) の挿入や、輸液管理、絶食 (NPO) の継続などの介入を行います。患者さんには、腹部の安静を保ち、安楽な体位(例:上半身挙上・膝を曲げた仰臥位)を促します。
4. 評価 (Evaluation): 介入後の腹部の状態(腹部膨満感の軽減、腸蠕動音の回復、排ガスの有無)を継続的に評価します。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 打診は強く行いすぎない。特に術後創部や、肝臓・脾臓の腫大が疑われる場合は優しく行う。
- 腹部膨満が強い場合は、横隔膜を圧迫し呼吸困難 (Dyspnea) を引き起こすリスクがある。SpO2や呼吸状態を必ずモニタリングする。
- イレウスの患者に安易に下剤を投与しない。腸管穿孔のリスクがあるため、医師の指示を仰ぐ。 先輩看護師の一言: 「フィジカルアセスメントの技術は、患者さんの状態を言葉以外で教えてくれる大事なツールです。特に打診音は、聴診器で聴く腸蠕動音や、触診での圧痛と合わせて総合的に判断することが大切。『なんかいつもと違うな』と感じる感覚も大事にして、根拠を持って先輩や医師に報告できるようになりましょう!」

重要概念

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