32歳女性。不妊を主訴に来院した。基礎体温は二相性であるが、黄体期が10日と短い。最も疑われる病態はどれか。 | MyMerci
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生殖機能の障害
問題

32歳女性。不妊を主訴に来院した。基礎体温は二相性であるが、黄体期が10日と短い。最も疑われる病態はどれか。

解説
基礎体温が二相性であるため排卵は起こっているが、黄体期が10日と短い(正常は12~16日)ことから、黄体機能不全が疑われる。黄体機能不全は黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が不足し、着床障害や早期流産の原因となる。無排卵周期症では基礎体温は一相性となる。
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詳細解説

核心解説 この問題は、黄体機能不全 (Luteal Phase Defect, LPD) の病態と、不妊症の鑑別診断における基礎体温 (Basal Body Temperature, BBT) の解釈を問うています。
ポイントは「基礎体温が二相性である」という情報です。これは排卵が正常に行われている証拠です。しかし、「黄体期が10日と短い」ことから、排卵後の黄体の機能が不十分であると判断します。
正解の根拠 (Answer Rationale): 正常な黄体期の長さは12~16日程度です。黄体機能不全では、黄体からのプロゲステロン (Progesterone) 分泌が不十分なため、黄体期が短縮(10日未満)し、子宮内膜の着床準備が整わず、不妊や早期流産の原因となります。基礎体温が二相性であることが、無排卵周期症との決定的な鑑別点です。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
②番の卵管閉塞 (Tubal Obstruction) は、精子と卵子の受精障害を引き起こしますが、排卵や黄体機能自体は正常であるため、基礎体温は正常な二相性を示すことが多く、黄体期の短縮はみられません。
③番の無排卵周期症 (Anovulatory Cycle) では、排卵が起こらないため基礎体温は一相性となり、本症例の「二相性」という情報に合致しません。
④番の男性不妊 (Male Infertility) は、女性の基礎体温パターンに影響を与えません。
⑤番の子宮内膜ポリープ (Endometrial Polyp) は、着床障害の原因になることがありますが、排卵や黄体機能、基礎体温パターンには通常影響しません。
関連概念の整理 (Related Concepts): 黄体機能不全の診断には、基礎体温測定の他に、黄体期中期の血中プロゲステロン値測定や子宮内膜組織診(黄体期後半の内膜が分泌期に適合しているか確認)が用いられます。治療はプロゲステロン補充療法や、排卵誘発剤(クロミフェンクエン酸塩など)が行われます。 概念整理: 黄体機能不全 = 排卵はあるが黄体ホルモン分泌不足。 無排卵周期症 = 排卵そのものがない。基礎体温がこの2つを鑑別する最も基本的で重要な指標です。 一目で比較!:
病態排卵基礎体温 (BBT)黄体期プロゲステロン
黄体機能不全あり二相性短い (10日未満)低値
無排卵周期症なし一相性なし低値
看護過程ポイント: - アセスメント: 基礎体温表のパターン(低温相と高温相の有無、高温相の長さ、体温差)を詳細に評価する。問診で月経周期、最終月経日、基礎体温測定が正しくできているかを確認する。 - 看護診断: 不妊に関連する知識不足、または不妊に関連する不安、セルフケア不足(基礎体温測定の技術) - 計画・実施: 正しい基礎体温測定方法(毎朝起床時、安静時、婦人科用体温計で測定)の指導。検査(血中ホルモン値、内膜組織診)の目的と方法の説明。必要に応じて心理的サポート。 暗記のコツ: 「黄体期が黄色信号!短い!」と覚えましょう。基礎体温は「排卵あり=二相性(カクッと上がる)」、「排卵なし=一相性(ダラッと低いまま)」とイメージすると覚えやすいです。 国試頻出ポイント: 基礎体温表を読む問題は毎年必出です。グラフを見て「排卵の有無」「黄体期の長さ」「無排卵周期症か黄体機能不全か」を判断できるようにしておきましょう。 出題パターン注意!: 単純な知識問題だけでなく、「基礎体温が一相性の患者さんにまず行うべき検査は?」や「黄体機能不全と診断された患者さんへの看護指導として適切なのは?」のような状況設定問題にも発展します。病態を理解していれば対応できます。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 32歳女性、妊娠希望で不妊外来を受診。問診で「月経周期は28日型で規則的。でも高温期が続かず、生理がきてしまう」と話す。3周期分の基礎体温表を持参しており、いずれも高温相が9~10日で低温相に下降している。あなたは看護師として基礎体温表をどう評価し、どんな説明や指導を行いますか?
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):
1. 観察・アセスメント: 基礎体温表を確認。二相性であることを確認し、高温相の長さ(今回10日)と体温差(0.3℃以上あるか)を評価。患者の不安や焦りを傾聴する。
2. 報告・連携: 医師に「基礎体温は二相性ですが、黄体期が10日と短く、黄体機能不全が疑われます」とSBARで報告。
3. 介入・指導: 「排卵はきちんと起きています。ただ、排卵後の黄体ホルモンの出方が少し弱い可能性があります。その状態を詳しく調べるために、医師から採血や子宮内膜の検査が提案されると思います。」と前向きな情報を伝える。基礎体温測定の継続と正しい測定方法を再確認する。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions):
- 不妊治療は心理的負担が大きいため、患者の感情に寄り添い、否定的な言葉は避ける。
- 「原因がわかってよかったね」「治療で改善できる可能性が高いよ」と希望が持てるような声かけを心がける。
- プロゲステロン補充療法が開始された場合、副作用(眠気、浮遊感、乳房痛など)と正しい用法(腟坐剤や内服)を指導する。 看護プロトコル: 基礎体温表の評価ポイントは「①低温相・高温相の二相性があるか」「②高温相が12日以上持続しているか」「③低温相と高温相の体温差が0.3℃以上あるか」。この3点を必ずチェックします。 先輩看護師の一言: 「国試で基礎体温の問題が出たら、まず『二相性』か『一相性』かを確認しましょう。それが答えの鍵です!そして現場では、患者さんが毎朝コツコツ測った基礎体温表を、私たち看護師がしっかり評価してあげることが、次のステップにつながる大切な看護行為なんですよ。」

重要概念

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