核心解説
この問題は、我が国で科学的根拠に基づいて実施されている「対策型検診」の対象疾患と、その死亡率減少効果に関する知識を問うものです。
最重要! 厚生労働省が推奨する対策型検診(がん検診)において、死亡率減少効果が認められているのは、
胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がんの5つです。この問題では、その中から正しい組み合わせを選ぶ必要があります。
1.
核心概念の分析 (Key Concept): この問題のテーマは、我が国の
がん検診 (Cancer Screening)における
エビデンスレベル (Evidence Level)の理解です。検診には、「対策型検診(住民に対する集団検診)」と「任意型検診(個人の希望による検診)」があり、国が費用対効果や死亡率減少効果を評価し、推奨するのは前者です。単に「検査でがんが見つかる」ことと、「検診によってそのがんによる死亡者が減る」ことは全く異なります。
2.
正解の根拠 (Answer Rationale): 正解は②「胃がんと子宮頸がん」です。どちらも対策型検診の対象であり、死亡率減少効果が確立している代表的な疾患です。
最重要! 胃がん検診は
上部消化管内視鏡検査またはバリウムを用いたX線検査で、
子宮頸がん検診は
子宮頸部の細胞診で実施されます。
3.
誤答の分析 (Distractor Analysis):
- ①
混同注意! 前立腺がんはPSA検査があり推奨する動きもありますが、現時点で死亡率減少効果が確立した「対策型検診」としては推奨されていません。過剰診断のリスクも議論されています。
- ③ 肺がんは対策型検診の対象ですが、死亡率減少効果が認められているのは「胃がんと子宮頸がん」の組み合わせとしては不完全です。
- ④
混同注意! 膵がんは早期発見が極めて難しく、有効な検診方法が確立されておらず、死亡率減少効果は認められていません。大腸がんは対象ですが、組み合わせとして誤りです。
- ⑤ 乳がんも対策型検診の対象ですが、肝がんは対象外です。肝がんは超音波検査やCTでハイリスク群をフォローする形が中心で、一般集団に対する検診の死亡率減少効果は確立していません。
4.
関連概念の整理 (Related Concepts): 対策型検診の5疾患(胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がん)は必須暗記です。また、各検診の開始年齢(例: 子宮頸がんは20歳から、乳がんは40歳からなど)や検査方法の特徴も併せて覚えておきましょう。
概念整理: 対策型検診で死亡率減少効果が認められている5疾患: 胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がん。
これらの検診は、地域の保健センターや職域などで定期的に実施され、早期発見・早期治療による死亡率低下に貢献しています。
一目で比較!:
| 疾患 | 対策型検診の有無 | 死亡率減少効果 |
|---|
| 胃がん | あり | 確立 |
| 子宮頸がん | あり | 確立 |
| 肺がん | あり | 確立 |
| 乳がん | あり | 確立 |
| 大腸がん | あり | 確立 |
| 前立腺がん | なし (推奨なし) | 未確立 |
| 膵がん | なし | 未確立 |
| 肝がん | なし | 未確立 |
暗記のコツ: 「胃・子・肺・乳・大(い・し・はい・にゅう・だい)」の5つと覚えましょう。「胃から子宮、肺で深呼吸、乳と大腸を忘れずに」という語呂合わせも効果的です。
国試頻出ポイント: このテーマは、保健医療制度や健康増進の分野で頻出です。単に5疾患を覚えるだけでなく、なぜこれらの疾患が検診対象となるのか(進行が比較的遅い、有効な検査法がある、治療効果が高いなど)を理解しておくと、応用問題にも対応できます。
出題パターン注意!: 「検診で異常を指摘された患者への看護」「検診の受診率向上策」「検診結果の説明とフォローアップ」といった、事例問題に発展する可能性があります。