腸管からの脂肪吸収に関与するリンパ管の名称はどれか。 | MyMerci
MyMerci — 問題も詳しい解説もすべて無料 無料で始める
循環系
問題

腸管からの脂肪吸収に関与するリンパ管の名称はどれか。

解説
小腸の絨毛には乳糜管と呼ばれる特殊なリンパ管が存在する。乳糜管は消化管で吸収された脂肪(乳糜)を運搬する。脂肪はリンパ管を経由して最終的に血液循環に合流する。
同じテーマの次の問題リンパ系の機能として誤っているものはどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、リンパ系 (Lymphatic System) の構造と、特に腸管における脂肪吸収のメカニズムを問うています。消化管で吸収された栄養素のうち、水溶性のもの(アミノ酸やブドウ糖など)は門脈(肝門脈)を経由して肝臓へ運ばれますが、脂質(脂肪)は水に溶けにくいため、異なる経路で吸収されます。

小腸の絨毛 (Villi) の内部には、乳糜管 (Lacteal) と呼ばれる特殊なリンパ管終末が存在します。腸管内で消化された脂肪酸やモノグリセリドは、小腸上皮細胞内で再び中性脂肪に合成され、さらにアポリポ蛋白と結合して カイロミクロン (Chylomicron) というリポ蛋白粒子を形成します。このカイロミクロンは、細胞外に出ると毛細血管には入り込めず、隣接する乳糜管から吸収されます。これが、脂肪がリンパ管を介して運ばれる理由です。

乳糜管で吸収された脂肪(乳糜)は、リンパ管を合流しながら最終的に 胸管 (Thoracic Duct) に集まり、左鎖骨下静脈角から静脈血中に流入します。 正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 腸管からの脂肪吸収に特化したリンパ管の終末は、乳糜管 (Lacteal) です。この名称は、吸収された脂肪が白く濁った乳糜(Chyle)であることに由来します。小腸の絨毛中心部に存在し、他のリンパ管とは構造的・機能的に区別されます。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! リンパ洞 (Lymph Sinus) はリンパ節 (Lymph Node) 内部の構造で、リンパ液が通過する洞状の空間です。脂肪吸収には直接関与しません。
混同注意! 胸管 (Thoracic Duct) は全身のリンパ液を集めて静脈に注ぐ最大のリンパ本幹です。乳糜管からのリンパ液も最終的に合流しますが、吸収そのものを行う場所ではありません。
右リンパ本幹 (Right Lymphatic Trunk) は右上半身のリンパ液を集めて右鎖骨下静脈角に注ぐ幹です。腸管からのリンパ液はここには流入しません。
毛細リンパ管 (Lymphatic Capillary) は全身の組織に分布するリンパ管の起始部で、間質液(リンパ液)を回収します。腸管にも存在しますが、脂肪吸収に特化したものは特に乳糜管と呼ばれ、区別されます。 概念整理
リンパ管の区分主な役割特徴
毛細リンパ管組織間隙から間質液を回収全身に分布。盲端で始まり、弁を持つ。
乳糜管最重要! 腸管からの脂肪吸収小腸絨毛の中心部に存在。吸収後は乳白色となる。
リンパ節リンパ液の濾過と免疫応答リンパ管の経路上に存在。内部にリンパ洞がある。
胸管全身リンパ液の静脈への流入左鎖骨下静脈角に注ぐ。最大のリンパ本幹。
看護過程ポイント
この知識は、特に 消化器系疾患(例:膵臓癌、閉塞性黄疸、腸閉塞)や リンパ浮腫脂質代謝異常 のアセスメントに関連します。例えば、胸管損傷 による乳糜胸 (Chylothorax) や、リンパ節郭清後のリンパ漏は、看護観察(排液の性状)において重要なポイントです。 暗記のコツ
脂肪を吸収するリンパ管」=「糜管」と覚えましょう。牛乳(乳)のように白い脂肪(乳糜)を運ぶ管です。また、脂肪は「リンパ管」を通る、とセットで覚えることで、門脈系との混同を防げます。 国試頻出ポイント
栄養素の吸収経路は、国試で繰り返し出題されます。「アミノ酸やブドウ糖は門脈経由」「脂肪はリンパ管(乳糜管)経由」という基本対比は必ず押さえましょう。また、カイロミクロンリポ蛋白 の代謝に関する問題も関連して頻出です。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド この知識は、消化器外科病棟や栄養管理において実践的に役立ちます。 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
例えば、膵頭部癌で 膵頭十二指腸切除術 (PD) を受けた患者さんが、術後に 乳糜腹水 (Chylous Ascites) を発症したとします。ドレーン排液が乳白色を呈していることに気づいた場合、看護師は リンパ管損傷 による乳糜漏を疑い、排液の性状観察(色調、混濁)と 脂肪制限食MCTオイル(中鎖脂肪酸トリグリセリド、門脈から直接吸収される)への食事変更など、医師と連携した栄養管理が求められます。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
最重要! 観察 → アセスメント → 報告 → 介入の流れを理解しましょう。
1. 観察: ドレーン排液の色調、量、性状(乳白色?血性?)、腹部の膨満感、体重増加、呼吸状態。
2. アセスメント: 排液が乳白色であれば、脂肪分を含むリンパ液(乳糜)の漏出を疑います。特にリンパ節郭清後の合併症として注意が必要です。
3. 報告: 医師にSBARで報告(S: 排液が乳白色になった、B: リンパ管損傷の可能性、A: バイタルサイン安定、R: 排液の性状確認と食事の指示を仰ぎたい)。
4. 介入: 医師の指示に基づき、絶食または脂肪制限食(MCTオイル使用)の開始、排液量の正確な測定、皮膚の保護(ドレーン挿入部のスキンケア)を実施します。 先輩看護師の一言
「『排液が白い!』って慌てるかもしれませんが、これが脂肪がリンパ管を経由している証拠です。解剖生理がわかっていると『あ、乳糜漏だな』とすぐにアセスメントできて、適切な栄養管理につなげられます。国試の知識が、患者さんの回復を支える現場の力になるんですよ!」

重要概念

人体の構造と機能 491 問 · ログイン不要

MyMerciで看護師国家試験を完全対策

過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。

無料で始める

学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。