心電図の波形のうち、心房の脱分極(興奮)を反映するのはどれか。 | MyMerci
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循環系
問題

心電図の波形のうち、心房の脱分極(興奮)を反映するのはどれか。

解説
P波は心房の脱分極(興奮)を表す。QRS波は心室の脱分極、T波は心室の再分極を反映する。U波はT波の後に見られる小さな波で、心室乳頭筋の再分極などに関連するとされる。
同じテーマの次の問題心臓の壁を構成する3層構造のうち、最も内側で心腔内面を覆う層はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、心電図 (Electrocardiogram, ECG) の基本的な波形と、それぞれが反映する心臓の電気的活動を問うています。心電図は、心臓の刺激伝導系における電気的興奮(脱分極)とその回復(再分極)を体表面に記録したものです。各波形を 病態生理 (Pathophysiology) と関連付けて理解することが看護アセスメントの基盤となります。

正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は ③番: P波 (P Wave) です。
最重要! P波は、心臓のペースメーカーである洞房結節 (Sinoatrial Node, SA Node) で発生した電気的興奮が、心房筋 (Atrial Myocardium) 全体に広がる過程(心房の脱分極)を反映します。これにより心房が収縮し、血液を心室に送り出します。

誤答の分析 (Distractor Analysis)
①番 混同注意! ST部分(ST Segment)は、心室全体が脱分極しており、再分極が始まるまでの平坦な部分です。虚血などによる異常が現れやすい重要な部分ですが、脱分極そのものではありません。
②番 T波(T Wave)は、心室の再分極 (Ventricular Repolarization)、すなわち心室の電気的活動が回復する過程を反映します。高カリウム血症などで先鋭化することがあります。
④番 U波(U Wave)は、T波の後に現れる小さな波で、心室乳頭筋やプルキンエ線維の再分極に関連するとされますが、低カリウム血症で明瞭になることがあります。頻出ではありません。
⑤番 QRS波(QRS Complex)は、心室の脱分極 (Ventricular Depolarization) を反映する最も大きな波形です。心室の興奮と収縮に対応します。

関連概念の整理 (Related Concepts)
心電図の基本波形とその生理学的意味を一覧で整理します。
波形反映する電気的活動関連する看護アセスメント
P波心房の脱分極(興奮)心房細動 (AF) ではP波消失。洞不全症候群ではP波の欠落。
QRS波心室の脱分極(興奮)幅が広いと脚ブロック。心室期外収縮 (PVC) では幅広く異形。
T波心室の再分極(回復)高カリウム血症で先鋭化。心筋虚血で陰性化。
PR間隔房室伝導時間延長は房室ブロック (AV block) を示唆。

概念整理: 心電図は「心房の興奮(P波)→ 房室伝導(PR間隔)→ 心室の興奮(QRS波)→ 心室の回復(T波)」という一連の心臓の電気的サイクルを可視化したものです。この流れをストーリーとして覚えましょう。
一目で比較!: 「脱分極(興奮)」は「収縮」に、「再分極(回復)」は「拡張(弛緩)」にそれぞれ対応します。P波→心房収縮、QRS波→心室収縮、T波→心室拡張と関連付けると理解が深まります。
看護過程ポイント: アセスメントでは、まずP波の有無と形を確認します。P波がなければ心房細動 (Atrial Fibrillation) を疑い、脈拍の触知と心音の聴取を行います。心電図モニタリングはバイタルサインと同様、患者の状態を評価する基本ツールです。
暗記のコツ: 「PはPump(ポンプ)のP!」と覚えましょう。P波は心房が血液を心室に送り出す(Pumpする)ための合図です。QRS波は「Quick(速い)心室の興奮」、T波は「Terminal(終わり)の回復」と連想しても良いでしょう。
国試頻出ポイント: 各波形の名称と意味の直接的な組み合わせ問題は毎年出題されます。また、不整脈の判読(P波の有無、QRS波の幅、RR間隔)や、虚血性心疾患の診断(ST変化、T波変化)にも応用されます。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
あなたは内科病棟の看護師です。60代の男性患者さんが、動悸と息切れを訴えて入院しました。心電図モニターを装着したところ、P波が消失し、基線が細かく震えるように見える波形(f波)と、不規則なQRS波が確認されました。患者さんは「胸がドキドキして落ち着かない」と不安な表情を浮かべています。この時、あなたはどのようにアセスメントし、対応しますか?

看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
最重要! まず、モニター上のP波消失と不整な基線から、心房細動 (Atrial Fibrillation, AF) をアセスメントします。次に、患者さんの バイタルサイン (Vital Signs)(血圧、脈拍、呼吸数、SpO2)を測定し、同時に 心拍数 (Heart Rate) が速すぎないか(頻脈性AF)、血圧は保たれているかを確認します。患者さんの不安を和らげるために、「心臓のリズムが乱れていますが、しっかりモニターで見ていますから安心してください」と声をかけます。心拍数が140/分以上で血圧が低下している場合、ショック (Shock) のリスク があるため、直ちに医師へSBARで報告し、指示に基づき抗不整脈薬や心拍数コントロール薬の準備を行います。

患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
心房細動では、心房内に血液がよどみ 血栓 (Thrombus) が形成されやすく、それが脳血管に飛ぶと 脳塞栓症 (Cerebral Embolism) を引き起こすリスクがあります。抗凝固療法(ワルファリン、DOACs)が行われている場合は、出血のリスクにも注意し、転倒・転落予防を徹底します。患者さんがめまいや失神を訴えた場合は、すぐにモニターと血圧を確認し、徐脈や高度の房室ブロックへの移行も疑います。

看護プロトコル: 観察項目は「心電図波形(P波の有無、QRS波の規則性、心拍数)」「バイタルサイン」「自覚症状(動悸、胸痛、めまい、呼吸困難)」「血栓症の徴候(意識障害、片麻痺、四肢の疼痛・冷感)」。記録は心電図波形の詳細(リズムストリップの貼付)と患者の症状経過を時間軸で記載します。
先輩看護師の一言: 「心電図の基本波形を覚えるのは、まるで心臓の言葉を読む練習のようなものです。P波が消えたら『心房が震えてる(AF)』、T波が尖ったら『カリウムが上がってるかも』といったサインを読み取れるようになりましょう。国試だけでなく、患者さんの命を守るための現場の武器になりますよ!」
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