看護学のコア解説
この問題は、
視力検査 (Visual acuity test)の基本と、
スネレン視力表 (Snellen chart)の結果の解釈について問うています。フィジカルアセスメント (Physical assessment) の重要な一部であり、患者の基本的な感覚機能を評価する看護技術です。
重要概念の分析 (Key Concept)
スネレン視力表 (Snellen chart)は、視力を数値化する最も一般的な検査です。結果は「検査距離/正常視力者が識別できる距離」という分数で表されます。
ここがポイント! 「20/20」は、
患者が20フィート(約6メートル)離れたところから、正常視力の人(基準)が20フィートから見えるものと同じ大きさの文字を識別できることを意味します。これが「正常視力 (Normal vision)」の国際的な基準です。
正解の根拠 (Answer Rationale)
選択肢③「両眼で20/20」が正解です。これは、上記の定義通り、標準的な正常視力を示しています。看護師はこの結果を「視力に問題なし」と記録・報告します。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! スネレン分数の分母が「20」より大きいか小さいかで、視力の良し悪しが逆に感じる混乱があります。分母は「基準者が識別できる距離」なので、分母が大きいほど視力は低く、分母が小さいほど視力は良い(鋭い)ことを意味します。
① 20/40: 患者は20フィートから、基準者が40フィートから見える大きさの文字しか見えない。つまり、基準者の半分の距離まで近づかないと同じものが見えないため、
視力低下を示します。
② 20/30: ①よりは良いですが、依然として基準(20/20)よりは視力が低い状態です。
④ 20/15: 患者は20フィートから、基準者が15フィートから見える小さな文字を識別できる。これは
正常より優れた視力 (Better-than-normal vision)を示します。正常範囲を超えた良い視力ですが、問題文が求める「正常視力 (normal vision)」の定義には当てはまりません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
視力検査は、眼科疾患のスクリーニングだけでなく、
糖尿病 (Diabetes mellitus)による網膜症や、
脳血管障害 (Cerebrovascular disease)による視野欠損の初期徴候を発見する手がかりにもなります。また、高齢者では
白内障 (Cataract)や
加齢黄斑変性 (Age-related macular degeneration)の評価にも用いられます。
概念のまとめ
・スネレン視力表: 視力を「検査距離/正常視力距離」の分数で表す。
・20/20視力: 国際標準の正常視力。分母が20。
・20/40視力: 視力低下(例:運転免許の更新に支障が出るレベル)。
・20/15視力: 正常より優れた鋭い視力。
一目で比較!
| スネレン視力 | 意味 | 臨床的解釈 |
|---|
| 20/200 またはそれ以下 | 法的盲 (Legal blindness) の基準 | 重度の視覚障害 |
| 20/40 〜 20/30 | 軽度の視力低下 | 眼鏡矯正が必要な場合が多い |
| 20/20 | 正常視力 (Normal vision) | 矯正不要な標準的な視力 |
| 20/15 またはそれより小さい分母 | 優れた視力 | 正常範囲を超えた鋭い視力 |
解剖生理と薬理のポイント
視力は、
角膜 (Cornea)、
水晶体 (Lens)、
硝子体 (Vitreous body)を通った光が、
網膜 (Retina)の中心窩(黄斑部)に焦点を結び、その情報が視神経を経由して脳で処理される一連のプロセスによって成り立ちます。いずれかの部分に障害があると視力低下を来します。
暗記のコツとゴロ合わせ
「
ニジュウ ニジュウ が 正常視力」
スネレン分数は「ニマル ニマル」と読みます。このリズムで「20/20 = 正常」と覚えましょう。分母が20より大きければ視力は低く(悪く)、20より小さければ視力は高い(良い)と理解します。
国試頻出ポイント
視力検査の正常値(20/20)を問う問題は基本です。さらに発展して、「20/40の視力を持つ患者への看護指導」や、「片眼のみ視力低下がある患者のアセスメント(脳梗塞や緑内障の疑い)」といった形で出題されることもあります。
国試出題パターンの変化に注意!
単に「正常視力はどれか」と問うパターンから、「眼科手術前後の看護」や「糖尿病性網膜症患者のセルフマネジメント教育」の文脈の中で、視力検査の意義や結果の解釈を問う問題に変化しています。視力検査が「単なる検査」ではなく、「患者のQOL (Quality of Life) や安全(転倒リスクなど)に直結する重要なアセスメント」であることを理解しておきましょう。