看護学のコア解説
この問題は、
法的盲 (Legal blindness)の診断基準について問うています。看護師は、患者の視機能障害の程度を正しくアセスメントし、社会的・医療的支援が必要かどうかを判断するための基礎知識が必要です。
重要概念の分析 (Key Concept)
法的盲 (Legal blindness)は、単に「目が見えない」という状態ではなく、
法律で定められた視機能の基準を満たす状態を指します。この基準は、福祉サービスや障害者手帳の申請、就労支援など、社会的な支援を受けるための重要な判断材料となります。主な基準は以下の2つです:
1.
矯正視力 (Corrected visual acuity):最良矯正(眼鏡やコンタクトレンズで可能な限り矯正した状態)での視力が、
「良い方の眼で0.1(20/200)以下」であること。
2.
視野 (Visual field):
「良い方の眼で視野が20度以下」(中心視野10度以内に限定されている状態)であること。
正解の根拠 (Answer Rationale)
選択肢③「最良矯正下で、良い方の眼の視力が20/200以下である」は、上記の法的盲の
最も一般的で核心的な基準をそのまま示しています。
ここがポイント! 「
良い方の眼 (Better eye)」で判断すること、「
最良矯正 (Best possible correction)」後の状態で評価することが非常に重要です。たとえ片目が全く見えなくても、もう一方の目がこの基準を上回れば、法的盲とは認定されません。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①「矯正レンズ使用下で良い方の眼の視力が20/100」:これは
0.2(20/100)に相当し、基準である0.1(20/200)を上回っています。視力低下は認めますが、法的盲の基準には達していません。
②「両眼の視野が30%喪失」:視野狭窄は重要な所見ですが、「30%喪失」という表現は曖昧で、法的盲の明確な視野基準(
20度以下)を示していません。70%の視野が残っている可能性があり、基準を満たさない場合が多いです。
④「色覚異常と夜盲症を伴う20/80の視力」:色覚異常や夜盲症は生活の質(QOL)を低下させますが、法的盲の定義には直接含まれません。また、視力20/80(約0.25)は基準を上回っています。
関連概念の整理 (Related Concepts)
・
ロービジョン (Low vision):法的盲の基準には満たないものの、矯正しても視覚に障害があり、日常生活や就労に支障を来す状態。視力や視野の程度により、様々な支援が対象となります。
・
全盲 (Total blindness):光覚(明暗の区別)さえも全くない状態。法的盲よりも重度の障害です。
・看護師の役割:視覚障害のある患者へのアセスメントでは、
視力検査 (Visual acuity test)や
視野検査 (Visual field test)の結果を正確に理解し、患者の生活環境への適応を支援する
セルフケア支援 (Self-care support)や
環境調整 (Environmental modification)が重要です。
概念のまとめ
・
法的盲 (Legal blindness):法律で定められた視機能障害の基準。
・
2大基準:1) 最良矯正視力が良い眼で0.1(20/200)以下、 2) 視野が良い眼で20度以下。
・
評価のポイント:「良い方の眼」で、「最良矯正後」の状態を評価する。
一目で比較!
| 状態 | 定義・基準 | 看護の焦点 |
| 法的盲 (Legal blindness) | 矯正視力 良い眼で0.1以下、または視野20度以下 | 法的支援(障害者手帳等)への導き、環境整備、安全確保 |
| ロービジョン (Low vision) | 矯正視力が0.3~0.1程度など、日常生活に支障があるが法的盲未満 | 視覚補助具(拡大鏡等)の活用支援、生活技能訓練 |
| 全盲 (Total blindness) | 光覚なし | 白杖・点字・音声ガイドなどの全面的な代償手段の習得支援 |
暗記のコツとゴロ合わせ
・法的盲の視力基準「
0.1(イチ)で法廷(ホウテイ)へ」:良い方の眼の矯正視力が0.1以下で法的盲の基準。0.1を「イチ」、法的を「ホウテイ」と掛け合わせて覚えましょう。
・「
良い目で、ベスト(最良矯正)を尽くしても0.1」:評価は「良い方の眼」で、「最良矯正後」の状態がポイントです。
国試頻出ポイント
・「法的盲の定義」はそのまま出題されることが多いです。数字(20/200, 0.1, 20度)を正確に暗記しましょう。
・「良い方の眼」「最良矯正後」という条件付きである点を忘れずに。
・視力検査結果の読み方(20/20は正常、分子が大きいほど視力が悪い)も合わせて理解しておきましょう。
国試出題パターンの変化に注意!
・単純な定義の確認から、
具体的な患者の視力検査結果をもとに、法的盲に該当するか判断させる問題へ変化する可能性があります。
・視覚障害を持つ患者への
看護介入 (Nursing intervention)(コミュニケーション方法、安全対策、退院指導)を組み合わせた総合問題も出題されます。