看護学のコア解説
この問題は、
てんかん重積状態 (Status epilepticus)の患児に対する
最優先の看護介入 (Priority nursing intervention)を問うています。てんかん重積状態は、
ここがポイント! 発作が持続するか、発作と発作の間に意識が回復しない状態が5分以上続く医学的緊急事態です。この状態では、脳の酸素需要が著しく増加し、低酸素症 (Hypoxia) や脳損傷のリスクが高まります。
重要概念の分析 (Key Concept)
看護介入の優先順位は常に
ABCアプローチ (Airway, Breathing, Circulation)に基づきます。患児は既に25分間発作が持続しており、自宅でジアゼパム坐薬投与後も改善していません。この時点で、
最も切迫したリスクは、気道閉塞による低酸素症と誤嚥です。発作中の筋緊張や唾液分泌の増加により、気道が容易に閉塞し、嘔吐物による誤嚥の危険性が高まります。
正解の根拠 (Answer Rationale)
正解である「患児を側臥位に体位を整え、気道開通を維持する」は、
ABCの最初のA (気道確保)に直接対応する即時の行動です。側臥位(回復体位)にすることで、舌根沈下を防ぎ、唾液や嘔吐物が気道に流入するのを防ぎます。これは、看護師が医師の指示を待たずに、直ちに実施できる安全で効果的な介入です。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! 他の選択肢は全て重要ですが、気道確保よりも優先度が低い、または気道確保が確立されてから実施すべき介入です。
① 酸素投与:気道が閉塞していれば酸素は肺に届きません。気道確保が先です。
② 静脈ラインの確保:薬物投与のための重要な準備ですが、気道確保と呼吸状態の安定化が最優先です。
④ ロラゼパムの投与準備:薬物治療は医師の指示に基づく重要な治療ですが、実施の前に気道と呼吸の安全を確保する必要があります。
関連概念の整理 (Related Concepts)
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てんかん重積状態の治療:気道確保・酸素投与→ ベンゾジアゼピン系薬剤(ロラゼパムなど)静注→ 必要に応じて第二選択薬(フェニトインなど)の投与という流れが標準的です。
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小児のバイタルサイン観察:発作中・発作後は、呼吸状態、SpO2、心拍数、意識レベルを継続的にモニタリングします。
概念のまとめ
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てんかん重積状態:発作が5分以上持続する緊急事態。脳低酸素のリスク。
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看護優先順位の原則:常にABC (気道、呼吸、循環) が最優先。
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即時介入:医師の指示を待たずに実施できる気道確保(側臥位)が第一歩。
一目で比較!
| 介入 | 優先度 | 理由 |
|---|
| 側臥位による気道確保 | 最優先 | 誤嚥・低酸素を防ぐための即時行動。看護師単独で実施可能。 |
| 静脈ライン確保 | 中優先 | 薬物投与に必要だが、気道確保の後。 |
| 酸素投与 | 中優先 | 気道が開通していることが前提。 |
| 薬剤投与準備 | 後優先 | 医師の指示に基づく治療。安全な気道・呼吸が確立されてから。 |
解剖生理と薬理のポイント
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気道閉塞のメカニズム:全身性強直間代発作では、喉頭筋や舌筋の強直性収縮により気道が狭くなり、唾液分泌過多と嚥下機能低下により誤嚥リスクが上昇します。
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薬理:第一選択薬は
ベンゾジアゼピン系(ロラゼパム、ジアゼパム)。GABA受容体を介して神経の過剰興奮を抑制します。坐剤が無効な場合は、静脈内投与が必要です。
暗記のコツとゴロ合わせ
優先順位は「
気道(A)が先、呼吸(B)が次、循環(C)はその次」。てんかん重積では「
倒れたら横向け、まずは気道確保」と覚えましょう。
国試頻出ポイント
「てんかん重積状態」「発作時」の看護では、
ほぼ確実に気道確保(側臥位)が最優先行動として問われます。「医師の指示を待つ」という選択肢はほぼ誤りです。
国試出題パターンの変化に注意!
単純な「何をするか」だけでなく、「なぜそれが最優先か」の理由(低酸素・誤嚥防止)や、複数の緊急事態(例:外傷と発作が同時)が提示され、その中での優先順位決定が問われるパターンもあります。